ハンターハンターの組織に入る3つの道|自分で入った人だけが自分で抜ける

ハンター試験に受かった人は、辞めたくなればいつでも離れられる。モレナに取り込まれた側は、自分から抜ける手立てを持ちません。

入るときに本人の意思が働いた組織だけが、抜けるときも本人の意思で出られている。人の入れ方を3通りに束ねると、この対応が見えてくる。席のほうが先にある十二支んと、入り口そのものが無いゾルディック家は、3通りの外です。

※ハンター試験編・ゾルディック家編・ヨークシン編・キメラアント編・会長選挙編・王位継承戦編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ハンター協会・幻影旅団・モレナの組織は、人の入れ方が違う

入れ方 入る側に要求されること
試験に受からせる ハンター協会 試験を通り抜けること
今いる人を倒させる 幻影旅団 現メンバーに勝つこと
能力で取り込む モレナの組織 交渉での同意と、殺しの現場への立ち会い

この呼び分けは原作にある言葉ではない。中へ入るときに何を要求されるかで、当サイトが3つに束ねたものです。

上から順に、入る側が自分で決められる幅が狭くなる。試験は自分で受けに行き、旅団は自分で挑みに行く。

モレナの組織だけは形が違う。仲間になる条件は次の3つです。

  • 交渉の結論が「イエス」になること
  • 唾液で恋のエチュード(サイキンオセン)に感染すること
  • モレナかその仲間が人を殺す現場に居合わせること

手順としては同意を取っている。ただし、その「イエス」は本人が選べたものではない。

ボークセンは交渉のペナルティで心身を操られ、意思に反して「イエス」を答えさせられた。要求されるものはあるのに、差し出すかどうかを決める側が本人ではありません。

ハンター協会は辞める必要がなく、幻影旅団は辞める手順を持たない

ハンター協会は、試験の合格者にライセンスを渡す。渡したあと、その人を職員として抱えるわけではない。

ハンターは協会の指示で動く立場にありません。だから協会を離れるのに手続きが要らない。協会の権限がどこまで届くかは ハンター協会は国家の上にいない で書きました。

ハンター十ヶ条の3番目は、ライセンスを取り消されないことを定めた条文だ。どんな事情があっても取り上げられない。試験の中身も、強さを測るためのものではなかった。この点は ハンター試験は強さを測る試験? で詳しく書いています。

通り抜けられるかどうかだけを見て、通ったあとは放している。自分から受けに行った人が、自分の判断で離れていく形です。

幻影旅団はここが変わる。入団志望者が現れたら、今いる団員と戦って倒せば交代が認められる。欠員が出た場合は団長が補います。

席は13で固定されている。倒して入るということは、誰かの席を奪うということ。人数の埋まり方は 幻影旅団の団員ナンバー一覧 にまとめました。

掟が決めているのは入り方だけで、抜け方は書かれていない。ヒソカは団員No.4と交代する形で入った側です。

そのヒソカが旅団を離れるとき、掟にある手順に従った場面は描かれていない。薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)で作った偽の刺青だと明かして、そのまま去っている。入団の狙いは ヒソカが幻影旅団に入った理由 で扱いました。

手順は無くても、抜けると決めたのはヒソカ自身だ。自分で挑んで入った人が、自分の判断で出ていっています。

モレナの組織は事情が違う。うつされた側から能力を消す手立ては描かれていません。モレナ自身が、削除はできないと説明している。その仕組みは モレナの念能力“恋のエチュード”が念使いを増やす仕組み にまとめています。

入るときに本人が決めていないので、出るときにも本人が決められない。同じ「手続きが無い」でも、協会・旅団とは中身が逆になります。

十二支んは席が先にできていて、人が後から呼ばれる

3つの入れ方に収まらない集団が、ハンター協会の内側にある。十二支んです。

ネテロが協会の運営を助ける相手として選んだ12人。試験でもなければ、誰かを倒したわけでもない。会長のほうから声をかけて集めています。

しかも席の数が先に決まっている。干支の12で区切られていて、人が埋まるのは後だ。ネテロが死んだあとも、この形は残った。

クラピカの入り方は変わっている。レオリオの推薦で声がかかり、緋の眼を持つ人物の情報と引き換えに加入した。ここで挙げた5つの中で、呼ばれた側が条件を出して入ったのはクラピカだけです。

席が先にあるからこうなる。空きを抱えている側は、埋めるために譲れる。集める側と入る側の力関係が、ここでだけ逆になっています。

抜けるほうも軽い。会長選挙のあと、ジンとパリストンは脱退を願い出て十二支んを離れています。倒す必要も、身代わりを立てる必要もない。

空いた席に入ったのはレオリオ。ジンが座っていた亥の席です。協会をまとめるために必要だと考えたチードルが、選挙のあとで勧誘している。選挙が長引いた理由は 会長選挙が9回続いた理由 で書きました。

呼ばれて入り、申し出て抜ける。入るのも出るのも軽い集団は、5つの中でここだけでした。席が組織に属しているので、人の出入りで形が崩れないからだ。

ゾルディック家には、入るための手続きがない

もう1つ収まらないのが、ゾルディック家です。キルアもイルミもミルキも、試験を受けて入ったわけではない。生まれた時点で一族の中にいる。

執事たちも同じ家に属している。カナリアは執事見習いとしてククルーマウンテンに仕えていて、キルアとは幼いころからの付き合いだ。止める側にどれだけ裁量があったかは、執事ごとに差があった。詳しくは ゾルディック家の執事で一番自由に動いたのはカナリア で書いています。

入り口が無いので、出口も作られていない。キルアが家を離れるとき、退会や辞職にあたる手続きは出てきませんでした。あるのは家出だけ。

父シルバは、仲間を裏切るなという誓いを1つ立てさせて自由にしている。手続きではなく、その場の話し合いで決まった扱いだ。一族それぞれの立ち位置は ゾルディック家の兄弟 にまとめました。

入るのを本人が決めていないのに、出るのだけは本人が決めなければならない。ゾルディック家を見るかぎり、入り口の無い集団はこの形になります。

冨樫は入り方のほうを先に決めている

協会・旅団・十二支ん・ゾルディック家・モレナの組織を並べると、対応がはっきりします。自分で受けに行った人、自分で挑んだ人、条件を出して入った人は、いずれも自分の判断で離れていった。取り込まれた側と、生まれで中にいた側にはそれができていません。

組織を書き分けるとき、冨樫が先に決めているのは掟ではなく入り方だと俺は読んでいます。掟は入ったあとの話で、誰を入れるかより後に来るからだ。

旅団の掟が仲間内へ向いていることも、入ってからの縛りとして効いてくる。掟の向きは 幻影旅団の掟は内向き、流星街は外向き で書きました。

入り方はその手前にある。誰を入れるかを決めると同時に、その人が自分で出ていけるかどうかまで決まってしまう場所です。

だからキルアが家を出るときも、ヒソカが旅団を離れるときも、決まった手順は出てこなかった。抜ける道が用意されていない集団を出るには、その場ごとに形を作るしかありません。

まとめ|ハンターハンターの組織が人を入れる3つの形

  • 人の入れ方は3通り。試験に受からせる(ハンター協会)/今いる人を倒させる(幻影旅団)/能力で取り込む(モレナの組織)
  • 協会は辞める手続きを持たない。ハンター十ヶ条にはライセンスを取り消されないという条文がある
  • 旅団の掟が決めているのは入り方だけ。ヒソカが去るときに従った手順は描かれていない
  • 十二支んは席が先にあって人が後から呼ばれる。ジンとパリストンは脱退を願い出て抜け、空いた亥の席にレオリオが入った
  • モレナの組織とゾルディック家では、入るときに本人が決めていないぶん、出るときも本人が決められない

入れ方の違いは、組織の雰囲気の違いではない。入るときに本人の意思がどこまで働いたかが、そのまま抜けるときの自由になります。

クラピカが条件を出して入れた理由も、ここにある。埋めたい席を先に抱えていたのは、集める側のほうだったからです。

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