暗黒大陸への渡航を禁じたのはV5で、ハンター協会ではない。協会も暗黒大陸を禁忌にしていますが、渡航そのものを止めている条約は協会が結んだものではありません。
協会に国家を動かす権限はない。あるのは信用と、個人に配られた許可だけ。よく見る受け取りは2つ。大きいのは1つ目で、2つ目は言葉が1つ落ちているだけの話です。
※キメラアント編・会長選挙編・暗黒大陸編の展開に触れます。
ハンター協会が国家より上、という受け取りの出どころ
よく引かれるのは、ライセンスの信用の高さ。民間の資格でありながら、国家資格かそれ以上の信用があると説明されます。世界の長者番付の上位10人のうち6人がプロハンターだ、という紹介もある。
「国家を大きく上回る規模と信頼性を持つ」。百科系のページには、そう書かれている。ここから「協会は国家より上の組織」という読みが生まれている。
信用の高さ自体は、原作の描写と合う。問題はそこから先だ。
ハンター協会の権限は、V5の決めた枠組みの内側にある
上下の向きが出るのは、暗黒大陸をめぐる動きだ。渡航を禁じているのは、V5が結んだ不可侵条約のほう。協会の禁忌はそれとは別に、あとから自分たちで決めた内部の決まりです(→ 暗黒大陸の渡航禁止が足止めするのは個人だけ)。
暗黒大陸へ向かう船に協会が乗ることになったのも、外から持ち込まれた話に応じた結果でした。ビヨンドの渡航を監視してほしいというV5の依頼を、チードル会長が引き受けている。
協会の判断より上に、V5の決めた枠組みがある。国家より上の組織なら、この形にはなりません。受け取りと原作が食い違うのは、ここだ。
ハンターの特権は個人に付いている|数字が100%でない理由
では、強いと言われているものの正体は何か。特典として挙げられているのは、こんな数字です。民間人の入国が禁止されている国の約90%、立ち入りが禁止されている地域の75%まで入れる。公的施設の95%は無料で使える。
立ち入りの側は、資料によって8割以上と丸めて書かれることもある。どれも100%ではない。どこでも入れるなら、割合を書く必要がない。入れてもらえる範囲が先に決まっているからこそ、割合で書かれているのだと思います。
ライセンスは入る許可であって、相手の意思を無視して入るための力ではない。しかもこの許可は、協会という組織ではなく1人1人に配られます。
ハンターは何をしても許される? 落ちているのは「多い」の一語
もう1つの受け取りは、罪の扱いについて。ライセンスがあれば殺人も不問になる、と紹介されることがあります。
ただし、この話には幅が残っている。ヒソカは、人を殺しても罪に問われないことが多いと語った。「多い」であって、全部ではない。
協会の側も、ハンターを好きに振る舞わせてはいません。ハンター十ヶ条という決まりもある。会長選挙の投票権を持つのはプロハンターだけだと定められている(→ 会長選挙が9回続いた理由)。
しかも十ヶ条には但し書きがある。ハンターは同胞を狩ってはならない。ただし甚だ悪質な犯罪に及んだ者は、その決まりの外に置かれます。
ライセンスの価値がとても高いのは事実で、売れば7代は遊んで暮らせるとも言われる。ただし、その信用は罪を消す仕組みではありません。免責ではなく、扱いの重さの差だ。
東ゴルトーへ入れたのは、権限ではなかった
協会が組織として国家の内側に入ったのが、東ゴルトーの討伐だ。権限の有無は、ここにいちばんはっきり出る。東ゴルトーは独裁国家で、外から人が入れる国ではありませんでした。それでも討伐隊は国内に入り、王宮まで攻め込んでいる(→ 東ゴルトーで蟻が新しく作ったものは2つだけ)。
足がかりになったのは、国ではなく国を裏切った1人だ。高官のマルコスが、国の内情を協会へ売っている。見返りは、家族を含めた身の安全でした。
王宮への入り方も正面からではない。上空から屋根を破って降りた組と、念能力で内側に出入口を作って入った組に分かれている。国の同意を取っていないから、こういう形になる。
国の外から入る足がかりを、国を裏切った1人に頼るしかなかった。そのこと自体が、権限がない証拠になる。
ハンターの特権は、個人と組織で別物
受け取りに混ざっていたのは、個人の話と組織の話でした。特権は個人に付いていて、権限は組織に付いていない。
個人としてのハンターは、確かに強い。入れる場所の数も、手に入る情報も一般人とは違います。肩書きの数も自由で、名乗りは本人が何を追うかで決まる(→ ハンターの種類は数えられない)。
一方、組織としての協会にあるのは信用だけだ。国家に命令する権限はない。内側に味方を作る、忍び込む、依頼として引き受ける。形はいろいろですが、どれも正面の権限とは別のものです。
協会を強くしなかったぶん、話を進めるのは組織ではなく個人の側になる。俺はそこが好きです。組織が全部片付けてしまうなら、ゴンのような個人が動く余地はなくなる。
ハンター協会は国家の上にいません。ハンターが強いのは、資格として認められた個人が、あちこちに散らばっているからです。
まとめ|ハンター協会の権限はどこまでか
- 暗黒大陸の渡航を禁じたのはV5の条約で、協会はその枠組みの内側にいる
- 特権の数字はどれも100%ではなく、入れてもらえる範囲が先に決まっている
- 罪に問われないのは「多い」までで、十ヶ条には同胞狩りの但し書きもある
- 東ゴルトーへ入れたのは権限ではなく、国を裏切った高官から足がかりを得たため
- 強いのは個人としてのハンターで、組織としての協会にあるのは信用だけ
国家に踏み込む力ではなく、国家に入れてもらえる資格。そう見ると、協会の動きは最初から最後まで同じ形をしています。
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