王位継承戦で決まっている人数は、王子1人につき15人まで。
ところが上位の陣営には、その枠に入らない人員が別にいます。規則を破ったわけではない。数える側がカキンから協会へ移っただけだ。
必要な数字は3つ。15と5と150で足ります。
※王位継承戦編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。
王位継承戦で決まっている人数は「15人まで」
No.340 で、王子1人につき船内の従事者は15人までと決められている、と語られます。
この15人は兵の数ではない。身の回りの世話をする者まで含めた、王子1人あたりの人員の総枠だ。護衛を厚くすれば、その分だけ生活を支える人手が減ります。逆もまた同じ。
枠を配ったのはカキン側で、船を出したのもカキン。王子が自分の手で他の王子を殺す道は、ほぼ塞がれている。だから勝敗を左右するのは、この15人の中身だ(→ 王位継承戦で王子は自分では戦えない)。
原作のコマで確認できる数字は3つ
話数つきでたどれる数字は、次の3つ。
| 数字 | 中身 | 出てくる場面 |
|---|---|---|
| 15人 | 王子1人が船内に置ける人員の上限 | No.340 の枠の説明 |
| 5人 | ツェリードニヒの部下で審査に合格した人数 | 33巻 No.348 |
| 約150名 | 王子居住区の外にいる臨時の準協会員 | No.358 のクラピカの台詞 |
3つとも王子ごとの内訳ではなく、制度そのものの数字です。だから陣営が増えても減っても動かない。
よく見かけるのは「ベンジャミンは15人、カミーラは12人」といった開始時点の内訳。ただ、この計算には入れていません。出どころが原作のコマまで確認できない数字だ。原作の一覧に載っているほうの数字は、後で13人として出てきます。
5人はどこから来たのか
2つ目の5人が出てくる場面は、はっきり描かれています。33巻 No.348。テータがツェリードニヒに電話を入れ、5人全員が審査に合格したと報告する。合格したのはハンター試験で、通ったのはツェリードニヒの私設兵だった。
ここで手に入るのが準協会員という資格です。暗黒大陸への渡航中だけ有効な、期限付きのハンター協会員。ハンター協会が出す枠なので、カキンが決めた15人とは別の勘定になる。
兵の身分をカキン側から協会側へ移した、というのがこの5人の中身だ。
15人の枠に、準協会員は入っていない
ここが計算の分かれ目。準協会員は15人の内訳ではなく、枠の外への上乗せです。
船内の人員を項目ごとに書き出した整理が、考察の側で出回っています。私設兵・王妃所属兵・協会員・従事者・上位王妃からの監視役を足す。そこから準協会員を引くと15になる、という形だ。準協会員だけが引き算の側に置かれている。
数えてみます。
- 15人(カキンが認めた枠)
- +5人(協会が出した準協会員)
- =20人
上限が15人のはずの陣営に、20人がいる計算になる。ただしこの20は原作のコマに書かれた数ではありません。2つの数字を足しただけの計算値だ。
それでも、この足し算は計算だけの話ではない。No.374 には、準協会員についての説明があります。規定は守られず、準協会員も居住区を出入りしている、とはっきり書かれている。外の警備という名目で通した5人が、中にも入れている。
準協会員を使った王子と、使わなかった王子
同じやり方を全員が使ったわけではない。考察サイトの集計では、準協会員を持っているのは第2王子から第5王子で、いずれも5人ずつ。数がそろっているので、協会との間に何らかの取り決めがあったようにも読めます。
ただし「5人まで」という規定は原作に描かれていない。そろっているという集計までが、確認できる範囲だ。
第1王子ベンジャミンは0人。使えなかったのか使わなかったのかは、原作では語られていません。自分の精鋭を協会の審査に出したくなかったのではないか、と言われている程度だ。
第7王子ルズールスは違う形で0人になっている。私設兵を審査に出したものの、全員落ちました。同じ制度でも、通せるかどうかを決めるのは審査の側です。
36巻 No.374 には陣営ごとの人員の一覧も載る。そこでのベンジャミンの私設兵は13人。開始時点の数から死亡や離脱を引いた、その時点の並びです(→ 王位継承戦の14王子は母の序列で読む)。
150人の準協会員は、ほとんどが王子の兵ではない
3つ目の数字を入れると、20という数の見え方が変わります。
No.358 でクラピカが挙げるのは、王子居住区の外にいる約150名。この大半は王子の私設兵ではありません。継承戦のことを知らされないままハンター試験を受け、合格してから裏の任務を伝えられた人たちだ。
私設兵から通ったのは、集計上は第2王子から第5王子までの各5人。4陣営ぶんを足しても20人ほどで、150の一部にすぎない。
上限が緩んだ理由は、枠が丸ごと乗っ取られたからではない。150人ぶんの入り口に、5人ぶんの隙間があれば足りた。大きな抜け穴ではなく、小さい穴が上限の外側に開いていたことになります。
準協会員という枠を作ったのはハンター協会で、その協会は国家の上にいる組織ではない(→ ハンター協会は国家の上にいない)。カキンが決めた15人に、協会の資格で外から足せてしまう。決めた側と足した側が別なので、どちらも規則を破っていない形になります。
上限を抜ける道は、準協会員だけではない
人数を増やす方法は、もう1つある。王子の従事者は、ほかの王子の部屋へ移ることができる。
移った先では、事実上その王子に仕える形になる。だから15人を超える警護をそろえることも可能です。こちらは協会を通さず、カキンの内側だけで完結する道だ。
つまり上限は1か所で緩んでいるのではない。外から足す道と、内側で寄せ集める道が並んでいます。船の中は、階層そのものが等級で仕切られている。どこに誰がいるかを数え切ること自体も簡単ではない(→ ブラックホエール号の内部は5階層)。
20という数を支えている2つの読み
20を出すために置いた読みが2つある。どちらかが動けば数字も動きます。
1つ目は、準協会員が15人の枠に含まれないという読み。人員の整理では引き算の側に置かれているので、確認できる範囲では動きません。
2つ目は、各陣営の準協会員が5人だという読みだ。33巻 No.348 で確認できるのはツェリードニヒの5人だけ。ほかの3陣営が同じ5人だという根拠は、考察サイト側の集計に頼っています。ここが4人や6人なら、20はそのまま前後する。
ただし、この読みが崩れても残る部分がある。準協会員が5人でも3人でも、15の外に人を足せたという形そのものは変わりません。20は目安の数で、確かなのは「15では収まっていない」ということだけだ。
制度に穴が残ること自体は、継承戦に限った話ではありません(→ ハンターハンターの制度と抜け道)。ただ人数の枠は少し違う。抜け道を用意したのが、規則を作った側とは別の組織だった。
まとめ|王位継承戦の人数はどこで緩んだのか
- 王子1人が船内に置ける人員は15人まで。No.340 で語られる枠で、兵だけでなく身の回りの世話をする者まで含む総枠
- 原作のコマで確認できる数字は15人・5人・約150名の3つ。陣営ごとの内訳の数は出どころをたどれないので計算に入れていない
- 33巻 No.348 でツェリードニヒの部下5人がハンター試験に合格し、渡航中だけ有効な準協会員という資格を得ている
- 準協会員は15人の内訳ではなく枠の外への上乗せ。足すと20人。No.374 では規定が守られず、準協会員も居住区を出入りしていると書かれている
- ただし約150名の準協会員の大半は一般の合格者で、私設兵から通ったのは集計上、第2王子から第5王子までの各5人ぶんだけ
上限は破られていない。カキンが数えるのは15人のままで、その外側に協会が数える人間が並んだだけだ。規則を作った側と、抜け道を用意した側が違う。だから誰も破らないまま、15では収まらない陣営ができあがる。
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