ハンターハンターで正体を伏せて組織の内側にいた者は、自分で正体を明かした場面で、その組織の一員ではなくなる。明かしていない者は、今も中に残っています。
比べるのは3人。ハメ組のゲンスルー、幻影旅団のヒソカ、ノストラード組のクラピカ。基準は、入り方・狙い・中での立場・自分で正体を明かしたか・その後の関係の5つ。差が出るのは後ろの2つだけ。分かれ目は、正体を明かすことが狙いを果たす手順に入っていたかどうかです。
※グリードアイランド編のハメ組の結末、ヨークシン編から王位継承戦編までのヒソカと幻影旅団、クラピカの展開に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。
ハンターハンターで正体を伏せて組織にいた3人
ゲンスルーは、ハメ組に途中から潜り込んだわけではない。ニッケスたちとハメ組を作った、結成時の初期メンバーです。5年近く一緒に過ごしながら、爆弾魔だという素性は周りに知られなかった。
ヒソカは、団員4番の男と交代して、偽装で旅団に入った。狙いは団長と戦うこと。入団のいきさつはヒソカが幻影旅団に入った理由に詳しく書きました。
クラピカは、ノストラード組の護衛として雇われた。緋の眼が手に入りやすいと見てこの仕事を選んだとされ、旅団に近づくことも理由の一つです。
3人とも、外から見れば組織のちゃんとした一員。化け方の話はハンターハンターの変装・なりすましにあります。
ギタラクルとしてハンター試験に紛れ込んだイルミは、この3人には入らない。試験は受験者が通り抜ける場で、一員として残る組織ではないからです。ノストラード組の採用試験で潜入者の役をしたスクワラも入らない。外から入ったのではなく、前から組にいた護衛だった(スクワラが口を割った場面はハンターハンターの自白と尋問)。
ゲンスルー・ヒソカ・クラピカを5つの基準で比較
| 基準 | ゲンスルー | ヒソカ | クラピカ |
|---|---|---|---|
| 入り方 | 結成時からハメ組にいた | 4番の男と交代で偽装入団 | 護衛として雇われる |
| 狙い | 指定ポケットカード | 団長と戦うこと | 緋の眼 |
| 中での立場 | 一員としてカードを集める | 団員4番の席に座る | 護衛団のリーダーから若頭へ |
| 自分で正体を明かしたか | 自分で明かした | 自分で明かした | 明かしていない |
| その後の関係 | アベンガネを除く全員を爆破 | 旅団を離れ、4番はカルトへ | 若頭として組に残る |
上の3行は、3人ともほぼ同じ。狙いを持って入り、中では与えられた役をこなしていた。ゲンスルーはカードを集め、ヒソカは4番の席に座り、クラピカは護衛団を率いています。
差が出たのは下の2行。自分で正体を明かした2人は、その場で一員ではなくなった。明かしていないクラピカは、今も組の中にいます。
ハメ組のゲンスルーと旅団のヒソカは、明かすことが手順だった
ゲンスルーの念能力は、正体を明かさないと使えない作り。相手に触れて「ボマー」と言い、能力の中身と解除の方法を口で伝える。そこまでそろって初めて、爆弾が動き出します。
ハメ組の全員には、前もって爆弾が仕掛けてあった。ゲンスルーは自分が爆弾魔だと明かして爆弾を動かし、解除と引き換えにカードを要求する。ニッケスからカードを受け取ると、解除を装って一斉に爆発させた。除念していたアベンガネだけが助かっています(能力の仕組みはゲンスルーの念能力)。
カードを奪う取り引きは、正体を明かしたところから始まっていた。明かすこと自体が、狙いを果たす手順の1つ目です。
ヒソカのほうは、旅団の掟が関わっている。団員どうしの争いは掟で禁じられていて、13巻のNo.119でヒソカは自分が団員ではないと明かした。団員のままでは、団長に戦いを挑めない。だから明かすことが、戦いの前の手順になります。明かす理由が掟の側から生まれていた、と俺は読む。
4番の席は、のちにカルトが継いだ(席の移り変わりは幻影旅団の団員ナンバー一覧)。団長との戦いのあと、ヒソカはコルトピとシャルナークを殺しています。旅団も船に乗り込み、ヒソカを追っている(死んだ団員の数は幻影旅団の全滅説を数で確かめる)。
ただ、ヒソカは旅団を壊したわけではない。旅団は残っていて、関係は敵どうしとして続いています。切れたのは「団員として内側にいる」関係のほう。抜けたあとも元の組織と関わり続ける話はハンターハンターで組織を抜けた人物で扱いました。
クラピカは正体を明かさないまま、若頭として組に残る
クラピカには、自分で正体を明かして組との関係が切れた場面がない。護衛団のリーダーになり、その後は若頭として組を動かしているとされる。組長はライトのままです。
クラピカが若頭になったのは、緋の眼を集め終える前。緋の眼の回収は、王位継承戦の船の上まで続いている(船の上のクラピカはクラピカの護衛5人は狙った陣営に入れなかった)。
狙いはまだ途中で、組の一員でいることがそれを妨げてもいない。明かしても、狙いに近づく手順にはならない。だからクラピカは明かさないまま組にいる、というのが俺の読みです。組の側から見た話はノストラード組は念能力1つで回っていたにあります。
3人の形に収まらないパームと、十二支んのサイユウ
キメラアント編のパームは、王宮に入り込んだ潜入が発覚しかけたところで終わった。自分で明かす場面まで行き着いていないので、この基準では測れない。
サイユウは、自分では明かしていないのに暴かれた側です。クラピカの鎖で十二支んの中の裏切り者を調べると、内通者と出たのはサイユウ1人。33巻のNo.348で、ビヨンドと通じていたことが分かった。
それでもサイユウは協会の席に座ったまま。船ではビヨンドを見張る役に就いています(持ち場は十二支んの暗黒大陸行きの持ち場)。内通が分かったのは、クラピカの調べの中だけ。十二支んとの関係がどうなるかは、まだ描かれていない。
潜入者が正体を明かすのはいつか
3人の差は、正体を明かすことが狙いを果たす手順に入っていたかどうかで説明が付く。ゲンスルーは明かさないと爆弾が動かず、ヒソカは団員のままでは団長と戦えなかった。クラピカの狙いは、組の一員のままでも追えています。
この並びどおりなら、サイユウと十二支んの関係が切れるのは、正体を出すことがビヨンドの計画の役に立つ場面になる。ハンターハンターの潜入者は、明かすことが狙いへの手順になったときに正体を出す。そしてその場で、一員ではなくなる。
まとめ|ハンターハンターの潜入者とスパイ
- ゲンスルーはハメ組の初期メンバーで、正体を明かすことがそのまま爆弾の起動条件だった
- ヒソカは団員どうしの争いを禁じる掟から外れるため、自分は団員ではないと明かし、旅団を離れた
- クラピカは正体を明かさないまま、組長ライトの下の若頭として組に残っている
- サイユウは自分では明かさないまま暴かれ、十二支んの席にいる。関係がどうなるかはまだ描かれていない
- 分かれ目は、明かすことが狙いを果たす手順に入っていたかどうか。そうなった側だけが、明かした場面で一員ではなくなった
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