ビゼフ|東ゴルトーの長官は頂点を取りにいかない2番手

ビゼフの上に立った名目上の頂点は2人。東ゴルトー共和国の総帥マサドルディーゴと、蟻の王メルエムです。ビゼフは長官として、どちらの下でも国の行政を実際に回していた。

総帥が殺され、政府の関係者が皆殺しになっても、ビゼフだけは生かされた。裏王を目指すウェルフィンと組んだときも、話を持ちかけられて乗った側。自分から頂点の座を取りにいった場面は、本編に見当たりません。

王の死後は、ウェルフィン・ヒナと3人でジャイロを探す旅に出る。念も腕力も持たない人間の役人が、蟻の国に1人だけ残っていた。その1人が、討伐隊やウェルフィンが蟻の国へ入り込む入り口になった。冨樫がビゼフに持たせた役割は、この入り口だったと見ることができる。

※キメラアント編の結末に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

東ゴルトーのビゼフが出てくる4つの場面

場面 ビゼフの立場 そのとき頂点にいた者
総帥の下の東ゴルトー 行政を指揮する長官 総帥マサドルディーゴ
蟻の襲来のあと ただ1人生かされた役人 蟻の王メルエム
ウェルフィンと組む 誘いに乗った側 蟻の王メルエム
王の死後 ジャイロを探す旅の1人 いない

4つの場面のどこでも、ビゼフは頂点の座に就いていない。

東ゴルトー共和国は、総帥の恐怖政治で治められた国。ただ、総帥本人は酒池肉林の毎日を送り、政治をほとんどしていなかったとされます。国全体の行政を指揮していたのは、長官のビゼフ。国のNo.2として実権を握っていた人物です。

その総帥を、王メルエムが殺す。総帥の体はネフェルピトーに操られ、テレビの中で元気な姿を見せ続けた。国の中のしくみが蟻にどう使われたかは、東ゴルトーで蟻が新しく作ったものは2つだけが詳しい。

蟻の襲来で、政府の関係者は皆殺しになった。殺されなかったのはビゼフだけ。対外業務の全てを、一人で任されることになります。

ビゼフは総帥の下でも王の下でも2番手だった

総帥の下のビゼフは、実質的に国を仕切る「裏の総帥」と呼ばれる立場。総帥が政治から手を引いていたなら、名目の座を奪う機会はあったはず。それでも、総帥の座を狙って動く場面は描かれていない。

王の下に移っても、立場の形は同じ。総帥の名で選別のための国民招集が進む国で、ビゼフは行政を担い続けた。

3つ目の場面でも向きは変わらない。裏王の地位を目指していたのはウェルフィンのほうで、ビゼフはその口車に乗って手を組んだ。ウェルフィン本人の能力は、ウェルフィンの念能力ミサイルマンで扱っています。

3つの場面に共通するのは、頂点の席には他の誰かが座り、ビゼフは実務か相棒の位置にいること。俺はビゼフを、どの体制の下でも2番手の席に戻ってくる人物と見る。上が替わっても、本人の席の高さは変わっていない。

念を使わない役人を蟻の国に1人残した作り

ビゼフは念能力者ではない。デスクワーク専門で、体もまったく鍛えていないとされます。戦う力は、ほとんど持たない人物です。

蟻の側は、王・護衛軍・師団長・兵隊の階級で組まれている。その組み立てはキメラアントの階級は何で決まったのかのとおりで、人間の役人の席はどこにも無い。その外側で、ただ1人生かされた人間がビゼフです。

もう1つ、ビゼフは女好きで、宮殿に美女を集めていた。討伐隊のパームは、その集められた女性の1人として宮殿に潜入します。

ここまでの事実を並べてみます。蟻の国で生かされた人間の役人は、ビゼフ1人。対外業務を一人で任され、宮殿に集めた女性の中にはパームがいた。裏王を目指すウェルフィンが手を組んだ相手も、このビゼフです。

俺の仮説はこうだ。外から見て国がいつもどおりに動くには、対外の窓口に立つ人間が要る。冨樫はそのために、念も腕力も持たない役人を1人残したのではないか。欲で動く人間が1人いれば、潜入する討伐隊にも、野心を持つウェルフィンにも入り口ができる。

念を使わずに話を動かした人物としては、ハンターハンターの一般人でも名前が出ています。

ビゼフのその後|王の死後はジャイロを探す旅に加わる

王が死んだあと、ビゼフはウェルフィン・ヒナと3人で旅に出る。目的はジャイロを探すこと。向かった先は流星街でした。

旅の目的はウェルフィンのもので、ビゼフのものではない。頂点にいた総帥も王もいなくなった場面で、ビゼフが選んだのは誰かの旅に加わることだった。ジャイロがどんな人物かは、ジャイロの正体はメルエムの裏返しにまとめています。

頂点が空いたこの場面は、2番手という見方を確かめるのにいちばん向いている。上に立つ相手がいないなら、自分が上に立つこともできたはず。それでもビゼフは、他人の目的に乗る側に回った。

キメラアント編のあとに生き残った蟻たちの行方は、キメラアントは絶滅していないで追えます。

ビゼフを2番手に置いた冨樫の作り

4つの場面で、上に立つ相手は総帥・蟻の王・不在と替わった。ビゼフの立場は長官、生き残りの役人、誘いに乗る相棒、旅の1人。どれも頂点ではありません。

この2番手の位置と、入り口という役割はつながっていると俺は思う。頂点を狙う人物なら、蟻にとって生かしておく理由は薄い。外から近づく側にとっても、自分の計算で動く相手は使いにくいはずです。

上を狙わない役人だから、蟻の側は窓口として生かし、外の側は入り口として使えた。蟻の国に人間の出入り口を1つ残すには、2番手のまま動かない人物が要る。ビゼフはその席に置かれた窓口だと俺は考える。

まとめ

  • ビゼフは東ゴルトー共和国の長官で、政治をしない総帥に代わって国全体の行政を指揮していた
  • 総帥が王メルエムに殺され、政府の関係者が皆殺しになる中、ビゼフだけが生かされて対外業務を任された
  • 裏王を目指すウェルフィンとは、口車に乗って手を組んだ。どの体制でも2番手の席にいて、頂点の座を自分から取りにいった場面は無い
  • 王の死後はウェルフィン・ヒナと3人で、ジャイロを探しに流星街へ向かう
  • 念を使えない人間の役人が蟻の国に1人残ったことが、討伐隊やウェルフィンの入り口になったと読める

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