11人いる!(サイレントマジョリティー)の犯人|食い違う2本の手がかり

39巻の時点で、「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の使い手はまだ明かされていません。

手がかりは2本あります。1本目は能力の射程。犯人は講習の受講者16人の中にいると見られています。

2本目はヒュリコフの見立てで、「使えないフリをしている4人」の最後の1人まで絞りました。その最後の1人とされるロンギは、No.401で別の能力の持ち主だと分かった。2本の線は、同じ人物の上で交わらなくなりました。

※王位継承戦編の念講習と、39巻のNo.401までの展開に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

11人いる!(サイレントマジョリティー)の事件と能力の決まり

王位継承戦の船の上で、クラピカは念の講習を開いています。受講者は、各王子の陣営から集まった護衛たちです(→ クラピカの念講習)。その講習の最中に、受講者が殺されました。

手を下したのは、座敷人形(黒ぼっこ)と呪唇白蛇(ツチボッコ)を使う念能力。名前は「11人いる!」で、読みはサイレントマジョリティーです。ルビだけでは中身の見当がつかない名前でもある(→ 念能力名のルビは3種類)。

被害は講習の前から出ていました。出航初日、第14王子ワブルの1014号室で警護兵5人が死んでいる。講習の1日目にバリゲン、2日目にミュハンが殺されました。ファンの解説サイトでは、合わせて7人と数えられています。

能力の決まりは、No.370「観察」の使い手の独白で明かされました。数字や条件まで、かなり細かく出ています。

11人いる!の手がかりを、犯人をどこまで絞ったかで3つに分ける

明かされた手がかりは、犯人の候補をどこまで減らしたかで3つに分かれます。

手がかり 分類 絞った範囲
ツチボッコは4匹。1匹なら44秒、4匹なら11秒で血を吸い尽くす 絞らない決まり なし
一人も殺さずに強制解除されると、呪いが術者に返る 絞らない決まり なし
狙える相手は10人まで 枠を絞る決まり 講習の16人の中
座敷人形が見えるのは、術者と憑かれた者だけ 1人を指す手がかり 見えた1人
念を使えないフリをしている者が4人いる 1人を指す手がかり 4人の中の最後の1人

いちばん細かいのはツチボッコの数字です。匹数も秒数も出ている。それでも、この数字から使い手の所属や部屋は1つも出てきません。強制解除の決まりも同じで、仕組みは分かっても、誰の能力かは分からない。

枠を絞ったのは射程です。独白では、狙える相手(ターゲット=射程)は10人までとされました。射程は届く範囲を指す言葉なので、講習の場にいない人物の仕業とは考えにくい。ファンの推理の多くは、ここから犯人を受講者16人の中に置いています。

1人まで絞ったのは、ヒュリコフの見立てです。ヒュリコフは第1王子ベンジャミンの私設兵。他人が念を使えるかどうかを見抜く目を持っています。

講習で念が使えると手を挙げたのは、ヒュリコフとベレレインテの2人だけでした。No.369「限界」で、ヒュリコフはそこへ見立てを足しています。「あと4人、使えないフリをしている」。

その後、4人のうち3人が外れました。ユヒライとシェジュールは、ハルケンブルグの刻印で念に目覚めた兵です。自分で隠していたわけではない、無自覚の能力者として外されたとされます。ヒュリコフは、残る1人が暗殺者だと見ました。

射程で16人、ヒュリコフの目で4人、そして1人。2本の線は、同じ1人へ向かって絞られていくように見えていた。

ただ、1人を指した2つの手がかりは、座敷人形の決まりも含めて、どちらも使い手に届いていません。

ロベリーは、座敷人形が見えたのに使い手ではなかった

ロベリーは第10王子カチョウの従者で、1010号室から講習に来ていた受講者です。講習の1日目、座敷人形の存在に気づいて周りの注意を集めたのが、このロベリーでした。

座敷人形が見えるのは、術者と憑かれた者だけ。見えている者は、そのどちらかに決まります。ロベリーは憑かれた者として拘束されました。

ところが、拘束のあとの2日目にミュハンが殺されています。ロベリーを押さえても、殺しは止まらなかった。決まりが指したのは憑かれた側で、術者の側ではなかったわけです。

この決まりは、見えた者を2つの役のどちらかに絞ります。どちらの役かまでは決めない。1人を指せる決まりでも、指した先が使い手とは限りません。

術者から見ると、座敷人形が見える人間を自分のほかに1人置けることになります。疑いは、まずその1人に向かう。決まりがそのまま、術者を隠す役にも回っていると読めます。

ロンギは、ヒュリコフが数えた最後の1人なのに別の能力だった

もう1本の線は、38巻の最後と39巻の最初で行き止まりました。

No.400「秘匿」の終わりで、第5王子ツベッパの私設兵ロンギが名乗り出ます。水見式は要らない、自分は念を使える、と。続くNo.401「月光」で、ロンギは自分の能力を見せました。

その能力は、クラピカ(ワブル陣営)との和平協定を成り立たせるためのものです(→ ツベッパの粛清の勧めと離脱の提案)。能力名は、あらすじを紹介するサイトでは透明言葉(ゲッコウジョウレイ)とされています。

ロンギは、ヒュリコフが数えた「使えないフリ」の最後の1人とされる人物です。ヒュリコフの読みなら、この1人が暗殺者のはずでした。それが11人いる!とは別の能力の持ち主だった。

ヒュリコフの目が見抜けるのは、念を使えるかどうかまで。どんな能力を持つかまで見えるとは描かれていません。4人まで数えた線は、最後の1人がどんな能力を持つかを確かめる手段がなかったことになります。

射程の線は、今も「16人の中」を指しています。ヒュリコフの線は、その中の1人を指したうえで外れた。どちらの線も残っているのに、同じ人物の上で交わらなくなりました。

ロベリーのときは、能力の決まりが憑かれた側の1人を指しました。ロンギのときは、ヒュリコフの数え方が別の能力の持ち主を指した。決まりの側と身元の側で、1人ずつ外れたことになります。

11人いる!の犯人予想は、ヒュリコフの線のどこを疑うかで分かれる

ファンの間では、No.401のあとも犯人の予想が続いています。中身を読むと、どの説も射程の「16人の中」は残したまま、ヒュリコフの線のどこか1か所を疑っています。

説 疑う前提
ムシャホ説 ヒュリコフの目は念の有無を見誤らない
シェジュール説 無自覚として外された兵(シェジュール)は本当に外してよい
ロンギ説 ロンギの能力はNo.401で見せたものだけ

ムシャホは、第8王子サレサレの警護に付く第5王妃スィンコスィンコの所属兵です。ムシャホ説は、ヒュリコフの最後の1人をムシャホと見ていた説。ロンギが名乗り出た今も続けるなら、ヒュリコフの目が見誤ったと考えるしかありません。

シェジュール説は逆に、ヒュリコフの目は信じたまま、外された側に戻ります。シェジュールはハルケンブルグの私設兵です。刻印で目覚めた無自覚の能力者というのが芝居だったら、という読みになる。

ロンギ説を続けるなら、No.401で見せた能力のほかに、もう1つ隠していると考えることになります。

3つを比べて俺が思うこと。どの説も「誰が怪しいか」より先に、「どの前提を疑うか」を選んでいます。39巻の犯人当てで動いているのは、容疑者の名前より前提の組み合わせのほうです。

王妃が指示した主犯だとする予想もあります。第4王妃カットローノを本命に挙げるページもある。ただ、こちらは手を下した者を決めない説です。射程の線とも、ヒュリコフの線とも別の話になります(→ カキンの王妃8人)。

39巻の11人いる!は、ヒュリコフの線を疑わないと犯人に届かない

手がかりは3種類に分かれました。ツチボッコの数字のように、細かくても誰も絞らない決まり。射程のように、枠を絞る決まり。そして、座敷人形の決まりとヒュリコフの見立てのように、1人を指す手がかりです。

1人を指したロベリーとロンギは、どちらも使い手ではなかった。外れたあとも、射程の「16人の中」は崩れていません。

16人の中に、4人の最後の1人という答えはもう残っていない。ヒュリコフの目か、数え方か、最後の1人の能力か。11人いる!の使い手に届くには、その線のどこか1か所を疑うしかありません。

まとめ|11人いる!(サイレントマジョリティー)の犯人と手がかり

  • 11人いる!(サイレントマジョリティー)の使い手は、39巻の時点で明かされていない
  • 能力の決まりの多くは、ツチボッコの数字のように細かくても候補を減らさない。枠を絞ったのは射程(講習の16人の中)
  • ロベリーは座敷人形が見えて拘束されたが、その後もミュハンが殺された。決まりが指したのは憑かれた側だった
  • No.400の終わりでロンギが念を使えると名乗り、No.401で別の能力を見せた。ヒュリコフの最後の1人は使い手ではなくなった
  • ファンの犯人予想は、どれも射程を残したまま、ヒュリコフの線の1か所を疑う形になっている

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