クラピカが声をかけたプロハンターは5人。全員が別々の王子の護衛になった。ただし行き先を決めたのはクラピカではありません。5人はそろって王子の護衛職に応募し、選抜の結果それぞれの陣営へ散っている。
しかも、いちばん近づきたかった第4王子の陣営には誰も入れていない。狙いを外したまま始まった配置が、それでも情報の入り口になっていきます。
※王位継承戦編の展開に触れます。連載中の話で、39巻・No.411あたりまでの配置に基づきます。
クラピカが5人に頼んだのは、情報のほうだった
声をかけたのは、もともとの仲間と外から入った人が混ざった顔ぶれ。センリツとバショウはノストラード組の同僚。イズナビはクラピカに念を教えた師で、ハンゾーはハンター試験の同期だ。ビスケはキルアの紹介で加わったとされています。
クラピカが5人に求めたのは、戦力よりも情報だった。第4王子ツェリードニヒをできるだけ近くで見るための材料を持ち帰ってほしい、という頼み方をしています。他の判断は個々に任せていた。
理由ははっきりしている。最後の緋の眼を持っているのが第4王子だからです(→ クラピカの念能力は”二段構え”)。
そして5人はそろって護衛職に応募し、選抜を通って配属された。クラピカがワブル王子の担当になったのも、その結果です。誰をどこに置くかを本人が決めた場面は描かれていない。
配属された先を、クラピカ・ビスケ・ハンゾーで比べる
5人全員を並べると多すぎるので、動きが追える3人に絞ります。基準は3つ。当初どの王子に配属されたか、その後どう動かされたか、クラピカとどうつながっているか。
| 基準 | クラピカ | ビスケ | ハンゾー |
|---|---|---|---|
| 当初の配属先 | 第14王子ワブル | 第13王子マラヤーム | 第12王子モモゼ |
| その後の動き | 動いていない | 動いていない | 第13王子マラヤームへ移された |
| クラピカとのつながり | 依頼した本人 | キルアの紹介 | ハンター試験の同期 |
真ん中の基準で、ハンゾーだけが他の2人と違う。ハンゾーは第12王子モモゼの警護から外され、第13王子マラヤームの部屋へ回された。今はビスケと同じ部屋にいます。
動かしたのはクラピカではない。2人の母である第7王妃セヴァンチが、マラヤームの警護のほうが重要だと判断して人を寄せた結果です。そのあとモモゼは暗殺された。
センリツも似た形で動いている。第10王子カチョウが亡くなったあと、第11王子フウゲツの側に回りました。
差が出たのは「その後どう動かされたか」
3人の差は、能力の違いから出ていない。入った先の事情で動かされたかどうかで分かれています。
クラピカとビスケは最初の部屋にいる。ハンゾーは王妃の判断で部屋を変えられた。この結果は3人の誰にも選べなかったし、選抜の時点では予想もできなかった。
護衛が各陣営に入れても、入った先がどうなるかまでは誰にも決められません。王子が脱落すれば、その陣営はそのままでは続かない。人は別の部屋へ移されるか、拘束される。
ハンゾーがビスケと同じ部屋になったのも、狙って寄せたわけではない。寄せたのはクラピカではなく、王子の母のほうでした。
狙った第4王子の陣営には、誰も入れていない
ここがいちばん大きなずれです。クラピカが情報を欲しがっていた相手は第4王子ツェリードニヒ。なのに5人の誰も、その陣営に入れていない。
配属されたのは第6・第7・第10・第12・第13王子。第1王子から第5王子までの陣営には、誰も入っていません。
理由は募集の少なさにある。護衛を公募したのは、14人の王子のうち6人だけでした。第4王子は私設兵で固めていて、そもそも募集していない(→ 王位継承戦の14王子は母の序列で読む)。正規の手段では、狙った部屋の中に入れなかった。
しかも応募の時点では、どの王子の護衛になるかは伏せられていたとされています。応募して選ばれる形である以上、行きたい場所へは行けない。クラピカが5人に声をかけた時点で、狙いの陣営に届く保証はどこにもなかった。
それでもクラピカは、この配置から情報を集めていきます。念講習を開いて多くの陣営の護衛を集めたのも、その延長にある手だ。入れなかった場所の話を、入れた場所から聞き出す形になっている。
護衛の目と監視兵の目は、報告先が違う
陣営の中を見ている人間は、雇われた護衛だけではありません。継承戦が始まった時点で、番号の遅い王子の部屋には監視兵も入っていた。送り込んだのは、序列が上の王妃です。人数は、その王子の母より上位にいる王妃の数で決まる。
見えているものは近いはずだ。それでも2つの目には決定的な差がある。監視兵が見たものは送り主の王妃へ渡り、護衛が見たものはその護衛の判断で動く。
しかも監視兵は、見るだけの相手とも限りません。第12王子モモゼを殺したのは、護衛として入っていた第5王妃側の人間だった。送り主のために動く目は、そのまま刺客にもなる。
クラピカにとって意味があるのは後者だけだ。自分が声をかけた5人なら、見たことを自分の側へ渡してくれる可能性がある。序列でつながった監視の網とは別に、雇い主でつながった線がそこにできています。
もっとも、この線は細い。5人は別々の陣営にいて、集まって動けるわけではありません。人数の話ではなく、どこに1人ずついるかの話になっている。
クラピカのやり方が、思いどおりにいかない形で出ている
旅団を追っていた頃のクラピカは、条件を作って相手を狭い場所へ入れる戦い方をしていた。継承戦での動き方も、同じ考え方の延長にあると俺は見ています。
ただし今回は、条件を作る側に回りきれていない。応募と選抜という他人の仕組みに乗るしかなく、行き先も選べず、狙った陣営には届かなかった。それでも網の形にはなった、というのが今の状態です。
クラピカ自身は、絶対時間を使うたびに動けない時間を抱えている(→ 特質系には後からなれる)。倒れているあいだも各陣営に人がいる、という一点だけは、この配置が確保しました。
散らばった5人がそれぞれ何をしているかは、記事を分けて書いています(→ センリツの念能力と闇のソナタ/ハンゾーの念能力は本体を置いて出かける)。
まとめ|クラピカの護衛5人はどこに入ったのか
- 5人はクラピカが声をかけ、そろって護衛職に応募して選抜で配属された。行き先を本人が決めた場面は描かれていない
- クラピカが求めたのは戦力よりも、第4王子ツェリードニヒに近づくための情報だった
- ところが5人の誰も第4王子の陣営に入れていない。護衛を公募したのが14人中6人だけで、第4王子は募集していなかった
- クラピカ・ビスケ・ハンゾーで差が出るのは、その後どう動かされたか。ハンゾーは王妃の判断で別の王子の部屋へ移された
- 番号の遅い王子の部屋には、序列が上の王妃が送り込んだ監視兵も入っていた。違うのは見える範囲ではなく、見たものの行き先
狙った場所に入れず、行き先も選べなかった。それでもクラピカの側に届く線が各陣営に1本ずつ残っています。
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