ゼパイルの鑑定が見抜いたのは本物|29億が付いたのは消えるコピー

偽物の作り方を知っている人物が、ヨークシンで本物を売って金を作った。ゼパイルです。

同じ街で、念を使って完璧な偽物を作った人物もいる。旅団のコルトピ。そちらの偽物には29億ジェニーが払われました。

偽物を扱える2人なのに、金になった側が入れ替わっている。金に換えたもの・動いた金額・手元に残るか・手口を明かすか。この4点で2人を比べます。

※ヨークシン編・ハンター試験編(288期)に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ゼパイルは資格を持った鑑定士ではない

ゼパイルは元贋作作家だ。ヨークシンでは骨董の目利きと製作で暮らしていた。ゴンとキルアが凝でオーラの出る品を探していたときに知り合っています。

正式な資格を持った鑑定士ではありません。無免許の鑑定士と書いている資料もある。それでも腕は確かで、下見市では木造蔵の値を下げようとする業者の主張に、その場で全部答えました。

コルトピは幻影旅団の団員(→ 幻影旅団の団員ナンバー一覧)で、具現化系の念能力者です。神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)は、左手で触れたものの複製を右手から作り出す能力。

複製は本物と見分けが付かない。ただし大きさに関係なく、24時間で消えます。

金に換えたものが、ゼパイルとコルトピで逆になっている

基準 ゼパイル コルトピ
金に換えたもの 本物の木造蔵 緋の眼のコピー
動いた金額 3億5500万ジェニー 29億ジェニー
手元に残るか 残る 24時間で消える
手口の扱い 相手に明かす 明かさない

金額はジェニー。円との差は1割ほどなので、日本円に近い感覚で読めます(→ ジェニーは円の9割)。

金に換えたものと、動いた金額。この2つが噛み合っていない。偽物を作れるゼパイルが売ったのは本物で、しかも安いほうです。

ゼパイルは、ゴンとキルアが目を付けた木造蔵を本物と判断した。落札額は資料によって開きがあり、3億5500万ジェニーとするものが多い。中には宝石が詰まっていました。

ゴンたちの手持ちは9000万ジェニーほどだったとされます。木造蔵の額はその3〜4倍ほど。この金はグリードアイランドを競り落とすためのもの。ゲームの中身は グリードアイランドの攻略に念が要る理由 にまとめました。

コルトピ側の29億は、地下競売で緋の眼に付いた額です。旅団は1度目の襲撃で品を奪えていない。ネオンの占いが危険を知らせ、競売品が先に移されていたからだ。この二重構造は ヨークシンの地下競売は表の競売と別物 で詳しく書きました。

2度目は方法を変えている。イルミの能力で十老頭を操り、競売を開かせた。コルトピが作った偽物を参加者につかませ、本物を持ち出した。買える組織と買えない組織の差は 十老頭と幻影旅団は替えがきく部分が逆 で扱っています。

競り合いの末に29億まで上がり、代金は実際に動きました。払われた側の品が、コルトピのコピーだった。金額の開きは8倍以上あります。

手元に残るかどうかで、2人の偽物は分かれる

木造蔵は本物なので、買った側の手元にそのまま残る。品として何も起きません。

コルトピの複製は違う。24時間で消える能力なので、29億を払った品はその額のまま残らないと読める。

ただし、消える瞬間を描いた場面は出てきません。落札した側が偽物だと気づく描写もない。能力の性質から、消えたはずだと読まれているだけです。

見分けが付いたかどうかも決着していない。凝で見破れるかはファンの間で議論が続いていて、作中に答えが出ていません。買った側は、何をつかまされたかを確かめる手立てを持たなかった。

具現化系の念能力は使う前に決まる で扱ったのは、発動の前に何を決めているかという話。コルトピが先に差し出しているのは、原本と手順です。

手口を明かしたゼパイルと、明かさなかったコルトピ

4つ目の差は、偽物の作り方をどう扱ったかにあります。

ゼパイルはゴンとキルアに手口を教えました。本来の接合部とは別に穴を開けて中身を取り出し、元通りに戻す「横抜き」。だます側のやり方を、見分けるための知識としてそのまま渡している。

しかもこの知識は、後で効いた。旅団に捕まったゴンが「横抜き」を思い出し、脱出のきっかけをつかんだとされます。

コルトピは反対だった。能力の中身を相手に見せないまま、最後までだまし通している。29億を払った側は、何をつかまされたかを知らないまま終わりました。

偽物を作る技術を持っているのはゼパイルなのに、偽物を売りきったのはコルトピのほうだ。片方は手口を明かし、もう片方は隠したまま金にしている。

値段が付いていたのは、買う側の信じ方だった

3億5500万と29億。中身が残るほうに安い値が付き、消えるほうに高い値が付いています。

この差は品の出来では説明できない。コルトピの複製は本物と見分けが付かないからだ。見破る手立ても、作中で確定していない。

決めていたのは、買う側が何を信じたかだと俺は読んでいます。地下競売は、出る品が本物である前提で成り立っていた。その前提のほうに値段が乗っていて、品は後から付いてきます。

ゼパイルが金を作れた理由も、同じ理屈の裏返しになる。彼は品に手を加えていない。買い手が見落としていた本物を見つけただけです。信じ方がずれている場所に金が生まれる点で、2人のやったことは表と裏になっている。

冨樫がこの2人に同じ「偽物」を持たせながら、稼ぎ方を逆に振ったのはそのためだと思います。

ゼパイルのその後|目利きの腕で自分の借金は返せなかった

ゼパイルの話には続きがあります。ゴンが質に入れたハンターライセンスを、借金までして買い戻した。

その返済のために、288期のハンター試験を受けています(→ ハンター試験の日数は10日ぶんしか確定していない)。結果は一次で失格。倒したのはキルアでした。

288期の合格者はキルア1人だ。前の回の合格者7人がライセンスをどう使ったかは、ハンター試験の合格者7人が向かった先 に書いています。

本物を見抜く腕で3億5500万を動かした男が、自分の借金は目利きで返せていない。見抜く腕そのものは金にならない。誰かの買い物と噛み合ったときだけ、金に変わる。

まとめ|ゼパイルとコルトピは偽物の値段の付き方が逆

  • ゼパイルは元贋作作家で、資格を持った鑑定士ではない。それでも木造蔵を本物と見抜き、3億5500万ジェニーとされる額に換えた
  • コルトピの複製は大きさに関係なく24時間で消える。その偽物が緋の眼として競売にかかり、29億ジェニーが払われた
  • 消える能力である以上、29億の品は額のまま残らないと読める。ただし消える場面も、買った側が気づく場面も描かれていない
  • ゼパイルは偽物の手口(横抜き)を明かす側に回り、コルトピは最後まで明かさなかった
  • 値段を決めていたのは品の出来ではなく、買う側が何を信じていたかだった

ゼパイルが渡したのは、金でも品でもない。偽物を見分ける知識のほうです。それが旅団のアジトからの脱出のきっかけになったとされます。木造蔵の目利きは、グリードアイランドを狙うための金づくりになった。

そのソフトは結局落札できていません。それでもゴンたちがゲームへたどり着けたのは、この目利きで動ける金を作れたからでした。

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