ハンターハンターで嘘を見抜く手段|中身まで読めるのは触れた側だけ

嘘を見抜く手段のうち、嘘の中身まで読み取れるのは、相手に触れる能力だけです。触れずに使えるものは、そろって「嘘があるかどうか」で止まる。

センリツは心音を聞き、パクノダは記憶を読む。ゴンは念を知るより前に、ミトの嘘に気づいていました。読み取っている対象は3人とも違う。

それなのに、触れるかどうかと、どこまで読めるかが同じ形に重なります。

※ハンター試験より前・ヨークシン編・キメラアント編・王位継承戦編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

センリツ・パクノダ・ゴンは、読んでいるものが3つとも違う

基準 センリツ パクノダ ゴン
何を読んでいるか 心音の変化 記憶そのもの 相手の癖
相手に触れるか 触れない 触れる 触れない
分かるのは 嘘の有無 嘘の中身 嘘の有無

センリツの耳は、数百メートル離れた小さな声まで拾う。心音の調子から相手の心の動きを読み取る。役割そのものは センリツの念能力と闇のソナタ で扱いました。

パクノダの能力は、人や物に触れて、そこに残った記憶を読み取るもの。作中で名前は付いていません。ゴンのほうは念能力ですらない。ミトが嘘をつくとき顔を見ない、という癖を覚えていただけだ。

読んでいる対象は、音・記憶・癖とばらばらだ。ところが残る2つの基準では、同じ分かれ方をした。

触れるかどうかと、嘘の中身まで届くかが重なっている

センリツに聞こえるのは、相手が動揺したかどうかまでだ。嘘をついていることは分かっても、何を隠しているかは音にならない。

クロロを捕らえて運ぶ道中でも、センリツが担ったのは真偽の判定でした。「オレに人質としての価値などない」という言葉を、嘘ではないと聞き取っている。その先の中身は、相手が語るのを待つしかない。

ゴンも同じところで止まる。ミトが何を隠していたのかは、本人が話すまで知らないままでした。ジンとの養育権の話は、ミトの告白で初めて出てきます。

触れずに分かるのは、嘘があるという事実だけだ。

パクノダは違う。読み取るのは加工されていない記憶で、質問で刺激して引き出します。相手がその場で別のことを考えていても届く。意識を通さないぶん、身構えても防ぎにくい。

触れる側だけが中身まで届いている。読んでいる対象は3人ともばらばらなのに、この2つの基準だけが一致しました。

中身まで届くもう1つの能力も、殴ることが条件だった

一致が偶然かどうかは、4人目を足すと分かる。王位継承戦に出てくるリンチ=フルボッコの能力、体は全部知っている(ボディアンドソウル)です。

質問してから相手を殴る。すると本人が口にしなくても、心の声が聞こえてくる。周りの人間には聞こえません。リンチが属するシュウ=ウ一家をまとめているのがヒンリギです(→ ヒンリギの念能力)。

読み取るものは記憶と心の声で違う。それでも、中身まで届く2つは、どちらも接触を条件にしている。

触れなければ効かない能力そのものは、ほかにもあります(→ 触れないと効かない念能力)。ここで重なっているのは接触の有無ではなく、接触と読み取れる深さが対応している点のほうだ。

触れずに使える能力は数が多く、どれも嘘の有無で止まる

触れずに嘘を扱える能力は、センリツだけではありません。

クラピカの導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)は、対面していれば相手の嘘を判断できる。触れる必要はない。分かるのは嘘かどうかまでだ(→ クラピカの念能力)。

ウェルフィンの卵男(ミサイルマン)は、相手に命令か質問を与えて使う。命令に逆らうか、質問に嘘で答えたときだけ撃てる。嘘を読むのではなく、嘘を攻撃の条件にしています(→ ウェルフィンの念能力ミサイルマンは尋問の道具)。

ツェリードニヒの守護霊獣も、王子への嘘に反応する。これは念獣自身がテータに警告した場面で分かります。ただ、何をもって嘘と判定しているかまでは明かされていません(→ ツェリードニヒの念能力が“反則級”な理由)。

3つとも、届くのは嘘の有無までだ。

念を使わないゴンが、センリツと同じところまで届く理由

ここで効いてくるのがゴンです。ミトの嘘に気づいたのは、念を知るより前。念という言葉すら出てこない時期でした。

それでもセンリツと同じところまで届いている。相手の癖を覚えていれば、嘘があることには気づけるからだ。

少なくとも嘘の有無に気づく段階では、念は必須条件になっていない。念が要るのはその先、中身へ進む部分だけだ。念が届く相手と効き方の差は 念を知らない相手にも効くが、効き方が違う で整理しました。

念で変わるのは深さのほうで、嘘に気づくこと自体は観察でも足りています。

読み取る深さが増えるほど、相手に近づく条件が付く

4人を見て残ったのは、読み取れる深さと必要な距離が反比例する関係です。

浅く読むなら遠くていい。センリツは離れていても聞き取れる。クラピカも対面までで済みます。

深く読むなら近づくしかない。パクノダは触れ、リンチ=フルボッコは殴る。読み取る深さが増えるぶん、使い手は自分の身を相手のすぐそばに置くことになる。

これは念能力の弱点が発動条件に集まる話とつながっているように見えます。中身まで読む能力は強い。その強さには、近づくという条件が付く(→ 念能力の弱点は発動条件に集まる)。

パクノダがヨークシンで倒れた直接の原因は、クラピカの鎖に課された掟を破ったことだ。それでも、記憶を読む役として交渉の現場まで自分で出ていく立ち位置は、最後まで変わらなかった。情報を取る人物が前へ出る組み立ては、クラピカの側でも同じでした(→ クラピカの護衛5人はどこに入ったのか)。

冨樫はいちばん深い情報の取り方に、いちばん危ない条件を置いているように読める。

まとめ|嘘を見抜く手段は、触れるかどうかで届く深さが変わる

  • センリツは心音の変化、パクノダは記憶そのもの、ゴンは相手の癖を読んでいる。読み取っている対象は3人とも違う
  • それでも「相手に触れるか」と「嘘の有無までか中身までか」は、きれいに同じ分かれ方をする
  • 中身まで届くのはパクノダの記憶読みと、リンチ=フルボッコの体は全部知っている(ボディアンドソウル)の2つ。触れる・殴るという接触が条件になっている
  • 触れずに使える能力は数が多いが、クラピカの導く薬指の鎖もウェルフィンの卵男も、嘘の有無で止まる
  • 念を使わないゴンが有無まで届いている以上、念が要るのは有無から中身へ進む部分だけ

いちばん深くまで読めた人物が、いちばん相手に近い場所に立っていた。

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