ハンターハンターの連絡手段|つながる範囲は国と制度が決めている

携帯が圏外だらけの世界なら、連絡が取れない状況は勝手にできあがる。NGLでも王位継承戦でも、わざわざ作る必要はありませんでした。

ゴンとキルアが8巻で手に入れた端末は、屋外なら圏外にならないとされています。技術の面での制限は無い。

それでも要所で連絡は途切れる。止めているのは電波ではありません。その場所ごとの決まりです。

※ヨークシン編・キメラアント編・王位継承戦編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ハンターハンターの連絡手段は3つに分かれる

手段 つながる範囲を決めているもの
市販の携帯電話 ビートル07型 その土地の決まり
念を使った道具 シャルナークのアンテナと携帯 相手に届くかどうか
人づて・直接会う 手紙、使いを出す、本人が出向く 運ぶ人が動けるか

2つ目には補足がいる。シャルナークが操作に使う携帯とアンテナは、念で作り出した物ではありません。実物の携帯と、コウモリ型のアンテナを使っている(→ シャルナークの念能力ブラックボイス)。

道具そのものは市販品と同じだ。念が足しているのは相手を操作する機能で、通信距離は変わらない。

3つ目が現役なのが、この世界の特徴だと思います。圏外にならない端末があるのに、手紙も使いも使われている。

ゴンとキルアの携帯は市販品で、ハンター専用ではない

2人が持っているのはビートル07型。8巻で、ゴンとキルアが選び、レオリオが値切って買いました。

つまり店で買える市販の携帯だ。ハンターでなくても手に入る。10万円ほどという値段の感覚は ジェニーは円の9割 で扱いました。

商品化のときの公式リリースは、劇中の設定をいくつか挙げています。全世界対応で、屋外なら圏外にならない。200種類の民族言語の通訳、テレビの視聴と録画も付く。

ハンターだけが使えるのは、ライセンスで入れる専用の情報サイトのほうだ。ゴンたちもヨークシンへ向かうとき、そこで情報を集めています。

持っている情報には差が付く。それでも、つながるかどうかに差は付いていません。

NGLでつながらないのは、機械を持ち込めない決まりのため

例外の1つ目がNGLだ。ここで連絡が取れないのは、電波の問題ではありません。

機械類の持ち込みが認められていない国だ。体内にインプラントや銀歯など、摘出できない人工物が入っている人は入国そのものができない。

携帯を持ったままでは入れません。だから中で異変が起きても、外へ知らせる手段が残らない。ポンズが状況を伝えようとしたときに使ったのは、蜂に託した手紙でした。

連絡を止めていたのは地形や距離ではなく、入国のときの条件だ。国が外から遮ったものの全体は NGL自治国は機械しか止められなかった にまとめてあります。

国境近くにある大使館では、外交の仕事にパソコンなどの機械を使っている。技術が無いから連絡が取れないわけではありません。

王位継承戦では、連絡してよい向きが序列で決まっている

例外の2つ目はブラックホエール号だ。こちらは事情が逆で、通信はつながるのに、かけてよい向きが決まっています。

王子の居室には電話がある。船の中でも、連絡そのものは取れます。

制限されているのは向きだ。継承戦の決まりでは、序列が上の王子から下の王子へは電話をかけられる。その逆はできません。

船の層が止めているのは人の移動です。壁は情報まで止めていない(→ ブラックホエール号の内部は5階層)。

NGLは持ち込みの禁止、継承戦は身分の序列。理由は違っても、つながる範囲を決めているのはどちらも人が作った決まりだ。

制度が何を禁じ、何を許すかは ハンターハンターの制度と抜け道 で扱っています。あちらは制度そのものの話。こちらは、その制度が通信に出た形だ。

念が越えるのは距離で、規則のほうは越えていない

規則で止めた世界にも、離れた相手へ働きかける手段はあります。

モラウの煙人形は、ある程度離れた場所からでも操作できる。ノヴは別の空間に出入口を作って人を運び、討伐隊はそこを通って王宮へ入りました。

ただ、これらが越えているのは距離だ。禁じられているのは機械なので、念は対象の外にあります。規則そのものが緩んだわけではない。

念で越えられるのは物理的な距離まで。誰と連絡してよいかという決まりは動かせない。継承戦の序列が念で覆らないのも同じ理由だと俺は見ています。

空を移動する手段が別に用意されているのも、近い作りだ(→ ハンターハンターの移動手段は飛行船が中心)。

電波の届かない土地にしなかったら、何が変わるか

連絡が取れない状況は、電波の届かない土地を用意しても作れたはずだ。

ただ、それだと理由が自然条件になります。誰も選んでいないことになり、そこに人の判断は残らない。

決まりで止めると、止めた側が必ずいる。NGLは国が機械を禁じ、継承戦は制度が向きを決めました。どちらも、誰かがそう決めた結果として読める。

王子が自分では戦えない仕組みも、制度の側から縛られたものだ(→ 王位継承戦で王子は自分では戦えない)。戦い方も連絡の取り方も、同じやり方で制限されている。

冨樫は技術の側で制限をかけず、止める理由だけを決まりに持たせたように見えます。そのぶん、連絡が切れる場面には人の判断が挟まる。

まとめ|連絡が切れているのは、いつも決まりのせいだった

  • ゴンとキルアの携帯はビートル07型で、8巻で買った市販品。公式リリースが劇中の設定として挙げた性能では、屋外なら圏外にならない
  • ハンター専用なのは端末ではなく、ライセンスで入れる情報サイト。情報の差は付くが、つながるかどうかの差は付かない
  • NGLでつながらないのは機械の持ち込みが禁じられているため。作中で描かれた連絡は蜂に託した手紙だった
  • ブラックホエール号では通信そのものはつながる。決まっているのは、序列が上の王子から下の王子へという向きだ
  • 念で越えられるのは距離まで。持ち込みの禁止も序列も、能力では動かせない

この世界で連絡が切れるとき、そこにはたいてい、切ると決めた誰かがいる。

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