ソエモノの呪いはヨモツヘグイと何が違う?|ビヨンドの子に付いた死後の念

ソエモノ(詛贄者)の呪いとヨモツヘグイは、どちらも持ち主が死んだあとに王子を狙う念。違うのは、発動を決める手順が本人の側にあるかどうかです。

カミーラ私設兵のヨモツヘグイでは、兵が自分で決行の日を決めて自刃する。ソエモノの側に、その手順は描かれていない。

比べる基準は5つ。仕込んだのは誰か、発動の日を本人が決めるか、発動のきっかけ、狙う相手の割り当て、39巻までに発動した場面。両者で同じになるのは、39巻までに発動した場面だけでした。

※王位継承戦編と、No.401 でロンギが明かしたビヨンドの子の話に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ソエモノ(詛贄者)とは|ロンギが明かしたビヨンドの子の呪い

ソエモノの話が出るのは、39巻 No.401「月光」。第5王子ツベッパの私設兵ロンギが、クラピカに自分の出生を明かす回です。ロンギは、ビヨンド=ネテロの実の娘だった。

ロンギの話では、ビヨンドの計画は約30年前から続いている。カキンの若い上級兵士を取り込み、偽装の結婚をさせたのが30年ほど前。そうして生まれた子どもたちに、ビヨンドは死んだあとに発動して王子を呪う念を付けた、とされます。

その子どもたちが詛贄者(ソエモノ)。死後に標的を呪い殺す強い詛贄者は、ロンギと異母姉妹のマカハを含めて10人以上。選から漏れた弱い詛贄者も、それと同数以上いるとされる。

呪いの印は、ロンギの舌の裏側にある目のようなもの。削り取っても焼いても祓えないらしい。

ロンギ自身も念能力者です。ただ、クラピカ(ワブル陣営)との和平協定を支える契約の能力は、この呪いとは別のもの(→ ツベッパの粛清の勧めと離脱の提案)。

ソエモノの多くは、自分が呪いを持つことを知らない

ロンギとマカハが呪いに気づいたのは、高名な念能力者に視てもらったから。死後に発動する念が憑いていると、そこで分かりました。

ただ、この2人は特別なケースとされる。ほかのソエモノは、基本的に自分の出生も呪いのことも知らないらしい。

俺がソエモノの呪いでいちばん引っかかるのは、ここです。知らないものを、使うかどうか決めることはできない。死ねば王子を呪う念を体に持ったまま、本人はそれを知らずに暮らしている。

しかもロンギのように、王子の私設兵として継承戦の中にいる者もいます。呪いの持ち主が、狙われる王子のすぐ近くにいる形です。

ソエモノの呪いとヨモツヘグイの違い|同じだったのは1つだけ

ヨモツヘグイは、カミーラの私設兵が使う呪詛です。手順と割り当ては No.389 で語られます(→ ハンターハンターのヨモツヘグイ)。

基準 ソエモノの呪い ヨモツヘグイ
仕込んだのは誰か 親のビヨンド 兵自身
発動の日を本人が決めるか 決める手順が描かれていない 兵が決行の日を決める
発動のきっかけ 本人の死 灰を煎じて飲み、小刃で自刃する
狙う相手の割り当て 描かれていない 王子1人に兵1人
39巻までに発動した場面 なし なし

同じ値になるのは「39巻までに発動した場面」だけ。どちらも、まだ一度も発動していません。

残りの4つでは、ヨモツヘグイの側には、どれも兵本人が知ったうえで関わる中身が入る。ソエモノの側には、本人が関わる中身が1つも出てきません。

ソエモノの呪いには決行の手順が無い|ヨモツヘグイは兵が日を決める

ヨモツヘグイの兵は、標的に縁のある物と小刃を持ち歩き、毎日相手を想う。決行の日に、その物を燃やした灰を煎じて飲み、小刃で自刃します。いつ死ぬかは、兵の側で決まる。

強さも、兵の決め方で変わります。長く想うほど、標的に近いほど、覚悟が固いほど強い。理想は標的の目の前での自刃で、隊長サラヘルはワブルの目の前で自刃するつもりでいます。

ソエモノの側で描かれているのは、本人が死んだあとに発動する、というところまで。灰も小刃も、決行の日も出てこない。どんな死に方なら発動するのかも、決まりは語られていません。

割り当ても違います。ヨモツヘグイは王子1人に兵1人で、サラヘルの担当がワブルと決まっている。兵は、自分が誰を呪うのかを知ったうえで想い続けます。

ソエモノの標的について、ロンギが口にするのは推測だけ。単純に割り振られた王子ではない、というものです。ロンギの見立てでは、ビヨンドの狙いは、自分に都合のよい王子以外の王子を消すことにある。

ビヨンドの子の王子は誰か|39巻まで名指しはない

ロンギは、王子の中にもビヨンドの子がいると考えています。その王子を見つけて、自分の手で始末する。それがロンギの本当の目的です。

父がビヨンドの王子に、継承戦の資格はあるのか。オイトの言葉では、資格は国王ナスビー=ホイコーロの正室の子であること。父が誰かは、資格の上では問題にならない(→ ハンターハンターの跡継ぎ)。

ファンの間では、ツェリードニヒをビヨンドの子とする説もあります(→ ツェリードニヒの念能力)。ただ、39巻までの本編では、どの王子とも名指しされていません。

ソエモノの呪いは、死ぬ本人の念として作られていない

ヨモツヘグイは、使い手自身の念です。想いを積むのも、覚悟を固めるのも、死ぬ日を選ぶのも兵。強い想いを残して死ぬほど念が強まる、という作中の考え方にも沿っています(→ 死後の念はなぜ消えない?)。

ソエモノの呪いは、ビヨンドが子に付けた念。描かれた範囲では、持ち主の想いや覚悟が入る場所がない。死後に動く点は同じでも、念を作った人と死ぬ人が別々になっています。

なぜ、本人に知らせない作りなのか。俺は、計画を隠したまま30年続けるのに向いた作りだからだと思っています。本人が知らなければ、呪いの持ち主が王子のそばで働いていても、計画は外に漏れにくい。都合のよい王子以外を消すという狙いにも、この隠し方は合っている。

継承戦には、ほかにも死で動く念がある。カミーラ本人の念は、本人が殺されたときに動きます(→ カミーラの念能力)。冨樫は、王子が自分では戦えない継承戦に、死を使う念をいくつも置きました(→ 王位継承戦で王子は自分では戦えない)。

ソエモノの多くは、自分が呪いを持つことを知らずに暮らしています。ロンギのように、王子の私設兵として継承戦の中にいる者もいる。死を使う念の中でも、ソエモノの呪いは、持ち主の死を、持ち主ではない人の計画に使う作り。死後に王子を狙う念はヨモツヘグイと同じでも、発動を決める手順は、呪いを背負うソエモノの側に無いままです。

まとめ|ソエモノの呪いとヨモツヘグイ

  • ソエモノ(詛贄者)は、ビヨンドが約30年前から仕込んだ実の子どもたち。死後に発動して王子を呪う念が付いているとされる
  • 強い詛贄者はロンギとマカハを含めて10人以上、弱い詛贄者も同数以上とされる。多くは自分の出生も呪いも知らない
  • ヨモツヘグイと比べると、同じなのは「39巻までに発動した場面がない」ことだけ。残りの4つは、兵本人が関わるヨモツヘグイと、本人が関わらないソエモノで分かれる
  • ヨモツヘグイは兵が決行の日を決めて自刃する。ソエモノの呪いには、本人が発動を決める手順が描かれていない
  • ロンギは王子の中にもビヨンドの子がいると見ているが、39巻までの本編では、どの王子とも名指しされていない

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