会長選挙のあいだ、ハンター協会は十二支んの3派とパリストン派、それに脱会長派に割れていました。選挙のあと、十二支んを抜けてビヨンドの探検隊へ移ったのはパリストンとジン。協専ハンターの一部も探検隊に加わった。3派の10人は全員が協会に残り、暗黒大陸へ向かう船でそれぞれの持ち場に就いています。
協会の中の改革を掲げた脱会長派だけは、船が出る前に姿を消した。選挙で割れた派閥は、そのまま暗黒大陸へ向かう陣営の大枠になっています。
※会長選挙編と暗黒大陸編の入り口に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。
会長選挙のハンター協会は、十二支んの3派とパリストン派、脱会長派に割れていた
ネテロの死後、ハンター協会は次の会長を選挙で決めることになりました。票の動きは会長選挙が9回続いた理由で追っています。
会長を支えてきた十二支んは、12人のうち10人が3つの派閥に分かれていた。呼び名は次の3つです。
- 穏健保守派: チードル・ミザイストム・ボトバイ・ギンタ
- タカ派: サイユウ・クルック・ピヨン
- リベラル・ノンポリ: カンザイ・サッチョウ・ゲル
残る2人はどこにも属さない。副会長のパリストンと、ジンです。
パリストンは十二支んの一員でありながら、協会で最大の派閥を率いていた。協会が請けた仕事を専門にこなす協専ハンターは、パリストンの派閥と顔ぶれが重なるとされます。ジンは派閥を持たず、選挙の決め方を提案した側。
十二支んの外にも派閥が1つありました。テラデイン・ルーペ・ブシドラの3人を中心とする脱会長派です。キルアは、十ヶ条の改訂やハンター試験の見直しを訴える立候補者がいたことを思い出す。イルミを捕まえれば、脱会長派の考えに同調する者が増えるという読みでした。
選挙のあとビヨンドの探検隊へ移ったのは、パリストンとジンと協専の一部
選挙はパリストンの当選で終わりました。パリストンはすぐにチードルを副会長に指名して辞任。チードルが第14代の会長に就きます。
就任までの経緯はチードルが会長になった経緯で扱っています。
続いて十二支んを抜けたのが、パリストンとジンの2人。空いた席には、チードルがクラピカとレオリオを迎えた。
2人の行き先はビヨンドの探検隊です。パリストンは一部の協専ハンターを連れて加わり、探検隊のナンバー2に就いた。そこへ来たジンがその座を求め、パリストンが譲っています。
ただし2人とも、ハンター協会を辞めてはいません。降りたのは十二支んの席です。そのうえで協会ではなくビヨンドの側に立った、というところまで。2人の抜け方はハンターハンターで組織を抜けた人物でも扱っています。
協会に回ってきたのは、ビヨンドを見張る仕事でした。V5 の依頼で、船の1層ではカンザイ・サイユウ・サッチョウがビヨンドの監視に付いている。ほかの十二支んも、医療室や裁判所、国王軍の会議室、一等客室と、船の各所に割り振られました。
ハンター協会の派閥は、暗黒大陸へ向かう陣営の大枠になっている
選挙のときの派閥と、船の上での立ち位置を比べます。
| 選挙のときの派閥 | 中心の人物 | 選挙のあと | 暗黒大陸へ向かう船で |
|---|---|---|---|
| 穏健保守派 | チードル・ミザイストム | チードルが会長に | 協会の側 |
| タカ派 | サイユウ・クルック・ピヨン | 十二支んに残る | 協会の側 |
| リベラル・ノンポリ | カンザイ・サッチョウ・ゲル | 十二支んに残る | 協会の側 |
| パリストン派 | パリストン・協専の一部 | 十二支んを抜ける | ビヨンドの側 |
| どこにも属さない | ジン | 十二支んを抜ける | ビヨンドの側 |
| 脱会長派 | テラデイン・ルーペ・ブシドラ | 2人が死亡 | 描かれていない |
3派の10人は、派閥の違いに関係なく協会の側に残った。ビヨンドの側へ移ったのは、3派の外にいたパリストンとジンです。脱会長派は、どちらの側にも入っていません。
俺には、選挙編の派閥が、暗黒大陸へ向かう船の陣営をあらかじめ分けておく役を持っていたように見えます。選挙のあいだは、十二支んとパリストンが向き合う形でした。船の上では、それがビヨンドを見張る協会と、見張られるビヨンドの側という形に置き換わっている。
サイユウと協専ハンターは、派閥ではなく誰の用で動いたか
ただ、派閥の線どおりに動いていない人物もいます。この見立てがどこまで通るかを、その人物で確かめます。
1人はタカ派のサイユウです。十二支んの席を降りず、船ではビヨンドを見張る3人に入っている。それなのに、クラピカの鎖で十二支んの内通者を調べると、反応したのはサイユウ1人でした。見張り役の顔ぶれについては十二支んの暗黒大陸行きの持ち場で詳しく扱っています。
厚みがあるのは協専ハンターのほうです。パリストンと一緒に探検隊に加わったのは協専の一部で、全員ではない。船に乗った協会員をまとめるのはミザイストム。そのミザイストムも、ビヨンド=パリストン派の協専ハンターは掌握しきれていないとされます。
協専のビル・サイールド・カートンは、パリストンを通じて船に乗りました。それでも3人の仕事は、第14王子ワブルの部屋の護衛です。探検隊ではなく、王子の側に付いている(ハンターハンターの王子の護衛9人)。3人のうち、護衛を続けているビルの能力はビルの念能力・球根(ハルジオン)で扱っています。
どちらも、派閥の線を崩すほどではありません。サイユウは協会の席に座ったままで、ビルたちも探検隊には入っていない。3派から十二支んを抜けた人物は、1人も出ていないからです。
俺の見立てでは、派閥の線が決めているのは陣営の大枠です。そこからはみ出す人物は、船の上で誰の用を果たすかで動いている。サイユウはビヨンドの用で、ビルたちは王子の用で。
暗黒大陸へ向かう船に、脱会長派の姿は見当たらない
脱会長派が掲げていたのは、ハンター試験の見直しや十ヶ条の改訂。どれも協会の中の決まりを変える話です。
脱会長派は、選挙のさなかにイルミの捕縛へ動きました。イルミを捕まえて、自分たちの主張の正しさを示そうとしたとされます。テラデインが、かつてネテロが率いた清凛隊の結成を表明。ブシドラが隊長として、自ら捕縛に向かった。そのブシドラは、イルミに協力していたヒソカに殺されています。
テラデインも、第7回の投票の期間中に襲われて死んだ数十人のハンターの1人。残るルーペは、その後が描かれていません。3人のうち2人は、イルミを追うなかで命を落としました。
脱会長派の争点は、最後まで協会の中にとどまっていたように読めます。追った相手もハンター試験に受かったイルミで、狙いは協会の中での支持でした。暗黒大陸に関わる争点を持たなかった派閥は、船が出る前に物語から姿を消しています。
冨樫はなぜハンター協会の派閥を会長選挙で割ったのか
選挙で争われたのは会長の座でした。ところが、勝ったパリストンはその場で会長を辞めています。会長の座そのものは、暗黒大陸編へ持ち越されていません。
持ち越されたのは、誰がどちらの側にいるか。十二支んの3派は協会に残り、3派の外にいたパリストンとジンはビヨンドの側へ移った。協会の中の決まりだけを争った脱会長派は、船に乗っていない。
会長の座を争った選挙は、暗黒大陸へ誰がどちらの側から行くかを振り分ける場にもなっていた、と読めます。冨樫がそこまで決めて派閥を割ったかどうかは、原作からは分かりません。それでも俺には、暗黒大陸につながる争点を持った派閥だけが船に乗ったように見えます。
まとめ|ハンター協会の派閥の行き先
- 会長選挙のハンター協会は、十二支んの3派とパリストン派、十二支んの外の脱会長派に割れていた。ジンはどこにも属さない
- 選挙のあと十二支んを抜けてビヨンドの探検隊へ移ったのは、パリストンとジンだけ。一部の協専ハンターも探検隊に加わった
- 3派の10人は全員が協会の側に残り、船の各所に割り振られた。1層ではビヨンドの監視に付いている
- 派閥の線どおりに動かないのは、ビヨンドに通じていたサイユウと、王子を守る協専の3人。どちらも陣営の大枠は崩していない
- 協会の中の改革を掲げた脱会長派は、イルミを追うなかで2人が命を落とし、船の上には姿が見当たらない
選挙で割れた派閥は、会長の座ではなく、暗黒大陸へどちらの側から向かうかで行き先が決まっています。協会の中の決まりだけを争った脱会長派は、その振り分けに加わる前に物語から消えました。
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