ハンターハンターの復讐で仇を討てたのは2件|止めたのは取引と組織の判断

ハンターハンターの復讐を仇討ちに限って数えると、本人の手で仇を討てたのはクラピカとゴンの2件です。数えた7件のうち3件は途中で止まった。止めたのは力比べの決着ではなく、人質交換や旅団の判断でした。

ここでいう仇討ちは、身内・仲間・恩人を殺された、あるいは奪われた報いとして相手を狙ったもの。自分が負けた相手への雪辱は、この中に入りません。

止まった3件は、どれもヨークシン編の、幻影旅団をめぐる仇討ちです。冨樫は旅団をめぐる因縁をヨークシンで決着させず、後の編まで残したのではないか。止まった3件のその後が、その読みの材料になります。

※ヨークシン編から王位継承戦編の序盤(34巻)までの展開と、旅団結成の回想(38巻)に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ハンターハンターの復讐7件と、それぞれの結末

仇討ちとして数えた7件を、誰が誰を狙い、どう終わったかで分けると次のとおりです。

討とうとした側 狙った相手 誰の仇か 結末
クラピカ ウボォーギン クルタ族の同胞 本人の手で果たした
ゴン ネフェルピトー カイト 本人の手で果たした
クラピカ 団長クロロ クルタ族の同胞 人質交換で手放した
ノブナガ 鎖野郎(クラピカ) ウボォーギン 旅団がヨークシンを離れて止まった
十老頭 幻影旅団 地下競売を襲われた報い 依頼主の十老頭が先に殺された
メレオロン 王メルエム 里親とされるペギー 他人の手で果たされた
幻影旅団 ヒソカ シャルナークとコルトピ 続いている

本人の手で、という基準で分けると、果たしたのが2件、途中で止まったのが3件。他人の手で果たされたのが1件、続いているのが1件です。数えた範囲では、止まった側のほうが多くなります。

ノブナガの1件は、相手のクラピカが生きているので、続いている側との境にあります。それでも、ヨークシンで仇を討つと言った本人が、その街を離れている。止まった側に数えるのは、そのためです。

次の5つは、復讐や「借りを返す」話として語られることがあっても、7件には数えていません。

  • カストロがヒソカに挑んだ戦い:2年前に負けた相手への雪辱で、誰かを殺された報いではない
  • ヒソカがシャルナークとコルトピを殺した件:クロロとの再戦に旅団が割り込まないようにする動きとされ、仇討ちとしては語られない
  • 旅団がザザンたちを倒した件:故郷の流星街を荒らした相手を倒した話で、仇討ちとしては語られない
  • ゴンがヒソカの顔を殴ってプレートを返した件:ハンター試験の借りを返すための挑戦
  • 旅団結成の回想で、クロロたちがサラサを殺した犯人を探し始める件:結成前の話で、犯人も結末も作中に出てこない

クラピカとゴンの復讐は、本人の手で果たされた2件

1件目はクラピカ。クルタ族を滅ぼした幻影旅団のうち、ウボォーギンを律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)で倒した。ヨークシン編の前半の決着です。

2件目はゴン。カイトを殺したネフェルピトーを、キメラアント編で自分の手で倒した。ゴンの目的は「カイトを取り戻す」から、ピトーへの復讐へ移っていました。ピトーの能力の作りはネフェルピトーの念能力にまとめています。

2件とも、仇はその場で死んでいる。ウボォーギンもピトーも、生きて物語に戻ってくることはありません。

ただし、果たした2人の側も無傷では終わっていない。ゴンはピトー戦のあと念を使えなくなった。クラピカの復讐は、旅団の1人を倒しても終わりませんでした。2人の払い方の違いはゴンとクラピカの制約は払い方が逆で比べています。

クロロ・ノブナガ・十老頭の復讐を止めたのは取引と旅団の判断

止まった3件のうち、いちばん分かりやすいのはクラピカとクロロです。13巻で、クラピカは団長クロロを捕らえた。それでも、捕まっていたゴンとキルアとの人質交換で手放している。殺さずに、念の使用禁止と旅団員との接触禁止を鎖で刺したうえでの解放でした。

ノブナガは、ウボォーギンが殺されたとき泣いて怒った。鎖野郎を殺すまでヨークシンを離れない、とも言っていた。それでも旅団は、パクノダの思いを汲み、除念師を探すためにヨークシンを離れます。仇討ちを止めたのは、ノブナガ個人ではなく旅団としての判断でした。

十老頭は、地下競売を襲った旅団への報復に動いた。陰獣を送り込み、ゾルディック家に団長クロロの暗殺を頼んでいる。ところが、十老頭のほうがクロロに雇われたイルミたちに殺された。依頼は、依頼主ごと消えています。

陰獣が旅団に倒されたところだけを見れば、十老頭の報復は力で返されたとも言える。けれど報復そのものを終わらせたのは、別の暗殺です。クロロの側も十老頭の暗殺を頼んでいて、そちらが先に果たされました。

3件とも、最後に止めたのは人質の取引か、暗殺の依頼か、旅団の判断です。十老頭と旅団の作りの違いは十老頭と幻影旅団は替えがきく部分が逆にまとめています。

止まったあとを見ると、狙われた相手は3件とも、狙った側の手では討たれていません。クロロは生きている。ノブナガが狙ったクラピカも生きている。旅団はヨークシンでウボォーギンとパクノダを失った。ただ、どちらも十老頭やノブナガの手によるものではありません。

俺がこの3件で気になったのは、止め方そのものより、止まったあとに誰が残ったかでした。残ったのは、クラピカ・クロロ・旅団という、ヨークシンの因縁の当事者そのものです。

メレオロンの復讐は、本人の手の基準に収まらない

7件のうち、本人の手で、という基準にきれいに収まらないのがメレオロンです。キメラアントとして生まれ直したメレオロンは、里親とされるペギーを王に殺されたと思い出した。そこで王を討とうと、ゴンたちに手を貸しました。

ところが王を死なせたのは、メレオロン本人の手ではない。王は貧者の薔薇の毒を浴び、最期をコムギと過ごして死んでいます。仇は死んだが、討ったのは自分ではありません。

本人の手の基準では果たした側に入らず、途中で止まってもいない。ただ、仇がキメラアント編の中で死んだ点は、ゴンのピトーと同じです。メレオロンの能力は、そもそも自分では勝てない作りでした。その話はメレオロンの神の不在証明は“消えるだけ”に書いています。

止まった仇討ちのあと、旅団とクラピカは同じ船に乗った

止まった3件で残った相手は、のちに同じ場所へ集まっています。クロロは除念で鎖を外し、旅団とともに暗黒大陸へ向かう船に乗った。クラピカも同じ船に乗り、王子の護衛として動いている。ノブナガの仇討ちは、ヨークシンでは果たされないまま持ち越されています。

続いている1件も、旅団をめぐる仇討ちです。34巻でシャルナークとコルトピが殺され、旅団はヒソカを追って船に乗っている。こちらもまだ決着していません。

ここで、旅団をめぐる仇討ちと、それ以外を分けて見ます。旅団をめぐる5件のうち、決着したのはクラピカのウボォーギン1件だけ。残る4件では狙われた側が生き残り、その相手はいま船の上にいます。

旅団の外にある2件は、ゴンのピトーとメレオロンの王。どちらもキメラアント編の中で仇が死に、次の編へは持ち越されていません。

編ごとの敵役が生きたまま次へ渡る形は、ハンターハンターのラスボスを編ごとに数えるでも見ました。あちらは編の敵役が倒されたかどうか。こちらは、仇討ちを誰が何で止めたかを見ています。

冨樫はなぜヨークシンの復讐を途中で止めたのか

止まった3件の止め方は、人質の取引、暗殺の依頼、旅団の判断。どれも、どちらかが力で負けて終わる形をとっていません。

もしクラピカがクロロを殺していたら、クラピカと旅団の因縁はヨークシンで決着していた。ノブナガがクラピカを殺していても同じです。取引や判断で止めたことで、追う側も追われる側も生きたまま次の編へ渡っています。

一方、旅団の外にある仇討ちは、キメラアント編の中で仇が死んで終わった。旅団をめぐる仇討ちだけが、編をまたいで残されています。

冨樫は、その編で退場させる相手には仇討ちを果たさせた。旅団をめぐる因縁は、力の決着をつけずに取引や判断で止めて、後の編に残した。

クラピカの復讐はウボォーギンを倒しても終わらず、旅団もまだ船の上にいます。俺には、ヨークシンの止め方が、両者を同じ船でもう一度向き合わせるための準備に見えます。

まとめ|ハンターハンターの復讐の結末

  • 仇討ちとして数えた7件のうち、数えた範囲で本人の手で果たしたのはクラピカ(ウボォーギン)とゴン(ピトー)の2件
  • 途中で止まったのはクラピカ→クロロ、ノブナガ→鎖野郎、十老頭→旅団の3件で、止めたのは人質交換・旅団の判断・暗殺の依頼
  • 止まった3件では、狙われた相手は3件とも狙った側の手では討たれなかった
  • メレオロンの仇の王は、本人ではなく貧者の薔薇の毒で死んだ
  • 旅団をめぐる仇討ちは、ウボォーギンの1件を除いて、狙われた相手がいま船の上にいる

止めたのは力の決着ではなく、取引と組織の判断でした。狙われた相手は討たれずに残り、ヨークシンの因縁は船の上へ持ち越されています。

関連記事:

タイトルとURLをコピーしました