幽☆遊☆白書(幽遊白書)の仙水編に出てくる領域(テリトリー)は、9つのうち7つが能力者を縛らない形です。効くのは相手だけで、念の発に置き換えて読める。置き換えにくいのは、禁句(タブー)と遊熟者(ゲームマスター)の2つ。能力者まで、相手と同じ規則に縛られるからです。
念の発は、規則で縛る相手を自分か相手のどちらかに寄せている。制約と誓約は自分だけ、クラピカの律する小指の鎖の掟は相手だけ。場の全員に同じ規則を掛ける形はどうか。名前の知られた念能力では、グリードアイランドや守護霊獣のような仕掛けの側に出てきます。
※仙水編の能力者たちの戦いと結末(幽☆遊☆白書)、ヨークシン編・グリードアイランド編・キメラアント編・王位継承編の内容(ハンターハンター)に触れます。ハンターハンターは単行本既刊分(〜39巻)まで。
誰が縛られるかで分けると、幽遊白書のテリトリーは3つになる
テリトリーは、界境トンネルの影響で目覚めた人間たちの能力です。能力者ごとに有効な範囲(領域)があり、それを敷くことで能力が動く。どんな能力になるかは、その人の生い立ちや性格で決まるとされています。
範囲を敷いて、その中で決まった効き方をする。念で言えば、決まった範囲の中でだけ働く発に近い形です。
ただ、念と比べるなら、見るべきは範囲の広さではない。能力が動いたとき、誰がその効き方に縛られるのか。念で規則を持つ能力は、縛る相手で2つに分かれます。自分だけを縛る制約と誓約と、相手だけを縛る掟や発動条件。テリトリーをこの2つに当てはめると、どちらにも収まらないのが禁句と遊熟者です。
仙水編のテリトリー9つを、能力が及ぶ相手で分ける
| テリトリー | 使い手 | 効き方 | 能力が及ぶ相手 |
|---|---|---|---|
| 禁句(タブー) | 海藤優 | 決めた言葉を口にした者の魂を抜く | 能力者を含む領域の中の全員 |
| 遊熟者(ゲームマスター) | 天沼月人 | 領域をゲームの世界にする | 能力者を含むゲームの中の全員 |
| 影(シャドー) | 城戸亜沙斗 | 影を踏んで動きを止める | 影を踏まれた相手 |
| 盗聴(タッピング) | 室田繁 | 心の声を聞く | 領域の中の相手 |
| 医者(ドクター) | 神谷実 | ウイルスで病気にする | 領域の中の相手 |
| 狙撃手(スナイパー) | 刃霧要 | 気を込めた物を弾にする | 撃たれた相手 |
| 水兵(シーマン) | 御手洗清志 | 血を混ぜて作った液体生物の中が領域 | 取り込まれた相手 |
| 美食家(グルメ) | 巻原定男 | 食べた相手の能力を取り込む | 食べられた相手 |
| 模写(コピー) | 柳沢光成 | 触れた相手と同じ姿になる | 能力者自身 |
相手だけに及ぶものが6つ、能力者自身が変わるものが1つ。全員に及ぶものが2つ。表の9つのほかにも、仙水編には能力を持つ人物が出てきます。
模写は、ほかのテリトリーと少し違う。触れた相手の姿や記憶を写して、変わるのは柳沢本人。相手を縛る能力ではありません。強い衝撃で元に戻るという弱みも、能力者の側にある。ただしそれは模写という能力の限界で、相手と同じ規則が柳沢に掛かっているのとは違います。
影や医者は、念の発動条件と同じく相手の側に効く
9つの多くは、能力者が自由に動けるまま相手にだけ効く。代表は影です。城戸は相手の影を踏み、そのあいだ相手は動けない。影を踏んでいるあいだも、城戸自身は自由に動いて攻撃できます。
医者も同じ形。神谷の領域の中に入った相手が病気になり、縛られるのは相手の側です。
この形は念の発にもよくある。クロロは本の表紙の手形に相手の手のひらを合わせさせる。イルミは相手の頭に針を刺し、ヒソカはガムを相手に触れさせる。条件を満たす場所は相手の体で、縛られるのも相手です(→ 触れないと効かない念能力)。
影の「踏む」は、この3人の「触れる」とほぼ同じ働きをしている。能力者の行為が引き金で、効くのは相手。念の分け方で言えば、相手だけを縛る側にそのまま入ります。
禁句(タブー)は、海藤優自身も自分の決めた言葉に縛られる
念の2つの分け方から外れる1つ目が、禁句です。海藤は「○○を言ってはいけない」と決めないと領域を発動できない。発動すると、領域の中で禁句を口にした者は魂を抜かれる。暴力も見えない壁で止められます。
この規則は、海藤自身にも同じように掛かる。海藤が自分で禁句を言えば、自分の魂が抜けて領域が解ける。実際、蔵馬との勝負の最後に、笑わされた海藤のほうが禁句を口にして負けました。
この形は、念の2つの側のどちらにも入らない。相手に掟を課す点は、クラピカの律する小指の鎖に近い。掟を破れば、相手の心臓が潰れる。ただ、この鎖の掟が縛るのは相手だけで、クラピカ自身は同じ掟を守る側にいない(→ 誓約を破って罰が下ったのは2度だけ)。
自分だけに課す縛りなら、束縛する中指の鎖。旅団以外に使えば、死ぬのはクラピカです。禁句はこの2本を1本にまとめたような作りで、同じ言葉が相手にも海藤にも等しく効く。
遊熟者(ゲームマスター)は、自分の作ったゲームの規則で負ける
2つ目が遊熟者。天沼の領域は、テレビゲームを現実にした世界です。その中では、ゲームの規則から外れた行為が一切できない。
規則に縛られるのは、ゲームを持ち込んだ天沼も同じ。ゲームに負けた天沼は能力を解けないまま、自分のゲームの規則で命を落とす。のちにコエンマの術で生き返りますが、負けた時点で規則は天沼にもそのまま働いていました。
ハンターハンターにも「ゲームマスター」はいる。グリードアイランドを作った念能力者たちの呼び名です。ゲームマスターのレイザーは、一坪の海岸線のイベントで、プレイヤーとドッジボールの規則の中で戦った。一方で、海から島へ入り込んだ幻影旅団を、レイザーはゲームマスター専用の呪文の排除(エリミネイト)で島の外へ飛ばしている。
俺が2作の違いを見るのは、このゲームマスターという同じ呼び名の扱いです。天沼は自分のゲームの外へ出られず、その中で負けた。グリードアイランドのゲームマスターは、規則の中で戦うことも、規則の外から手を出すこともできます。
名前の知られた念の発は、縛る相手を自分か相手に寄せている
名前の知られた念能力で規則を持つものは、縛る相手が片方に寄っている。
- 自分だけを縛る: 制約と誓約。束縛する中指の鎖のように、破れば能力者が罰を受ける
- 相手だけを縛る: 律する小指の鎖の掟、ナックルの天上不知唯我独損(ハコワレ)の貸し付け、接触で効く能力
禁句にいちばん近いのは、モラウの監獄ロック(スモーキージェイル)。自分と相手を煙で包み、外へ出られなくする。モラウも同じ檻の中にいます。
それでも、出る方法は能力者を倒すか、能力者が解くか。檻を開ける鍵はモラウの側にあり、2人に同じ規則が掛かってはいない(→ モラウの念能力)。
1人の能力者が戦いの中で使い、自分も相手も同じ規則で罰を受ける。名前の知られた念能力には、この形の発が見当たりません。
名前の知られた念能力で全員に同じ規則を掛けるのは、ゲームと制度の側
では、場の全員に同じ規則が掛かる形は、ハンターハンターに無いのか。ある。ただし1人の発ではない。
1つはグリードアイランドです。11人の念能力者が作ったゲームで、念能力者にしか遊べない。島の中ではカードの扱いもスペルも、プレイヤー全員が同じ規則で動く(→ グリードアイランドの製作者は11人)。遊熟者の「ゲームの規則」を、11人で島1つの大きさにした形です。
もう1つは王位継承戦の守護霊獣。霊獣どうしは殺し合わない。霊獣の憑いた人間を直接攻撃しない。この2つの決まりが、14人の王子に付いた霊獣すべてに同じように掛かっている(→ 王位継承戦で王子は自分では戦えない)。
グリードアイランドの作り手は、ドッジボールのレイザーのように規則の中で戦うこともある。排除のように、規則の外から手を出すこともある。禁句の海藤と遊熟者の天沼は、自分の規則の外へ出られないまま、その規則で負けた。名前の知られた念能力では、全員を縛る規則は1人の発ではなく、ゲームや制度として組まれた側に置かれています。
まとめ|幽遊白書のテリトリーと念能力の違い
- 仙水編のテリトリー9つを能力が及ぶ相手で分けると、相手だけが6つ・能力者自身が1つ・全員が2つ
- 影や医者は能力者が自由なまま相手に効く。念の接触の条件と同じく、相手だけを縛る形
- 禁句は、海藤自身も自分の決めた言葉に縛られる。相手だけを縛る律する小指の鎖とも、自分だけを縛る中指の鎖とも違う
- 遊熟者の天沼は、自分のゲームの規則で負けて命を落とした(のちに生き返る)。グリードアイランドのゲームマスターは、規則の中で戦うことも外から手を出すこともできる
- 名前の知られた念能力で全員に同じ規則が掛かるのは、グリードアイランドや守護霊獣のようなゲームと制度の側。1人の発は、縛る相手を自分か相手に寄せている
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