アニメ版ハンターハンターのサブタイトルは8割超が×の両側で音をそろえる

2011年版アニメの各話の題名は、148話すべてが×で言葉を区切っています。作品名のHUNTER×HUNTERと同じ形。しかも8割を超える回で、×の両側に音の似た2語が置かれている。

真ん中のつなぎの言葉は「ト」がいちばん多く、87話で全体の6割ほど。「ノ」「デ」「ナ」が入る回も珍しくありません。

この作りは、作品名の×の形を毎回くり返すことを先に決めている、と読めます。音の合わない回と、×を3つにした回を見ると、そう読める理由が分かる。2つの版の違いは、アニメ1999年版と2011年版で整理しています。

※2011年版アニメの第1話から最終話の第148話までの、各話の題名に触れます。各回の中身には踏み込みません。題名の説明に必要な範囲で、ナニカ(会長選挙編)の設定に1か所触れます。原作は単行本既刊分(〜39巻)までを扱います。

2011年版アニメのサブタイトルには、同じ言葉を×で挟む回がある

作品名のHUNTER×HUNTERは、同じ言葉を×の両側に置いた形です。各話の題名にも、これとそっくりの回がある。

両側に同じ言葉が来るのは、第2・5・28・47・67・112話の6話。第2話「シケン×ノ×シケン」、第5話「ヒソカ×ハ×ヒソカ」、第28話「ネン×ト×ネン」。第67話は「15×ト×15」で、数字のまま両側をそろえた。

第47話「セイヤク×ト×セイヤク」は、表記は同じでも意味は別の2語です。6話のうち最後は、第112話「カイブツ×ト×カイブツ」。

6話は第2話から第112話まで、ひとまとまりにならずに散らばっている。作品名の形をそのまま写した題名が、序盤だけでなく後半にも置かれている。

各話のタイトルは、×の両側に音の似た2語を置く

同じ言葉の回をのぞいても、両側の2語は音で結びついている回が大半。結びつき方は、いくつかの型に分かれます。

2語の音の関係 回 題名
同じ言葉 第2話 シケン×ノ×シケン
1字足す 第59話 セリ×ト×アセリ
1字だけ違う 第75話 ジンノトモ×ト×シンノトモ
語尾をそろえる 第76話 サイカイ×ト×リカイ
音の関係が見当たらない 第85話 ヒカリ×ト×カゲ

第59話のセリとアセリは、「競り」と「焦り」と読める組。第75話は「ジンの友」と「真の友」です。意味の違う2語を、音の近さでつないでいる。

はっきり音がそろう回は、148話の8割を超える。語尾の1音だけが重なる回まで数えると、9割を超えます。音の関係が見当たらない回は、10話に届かない。

音をそろえた2語を×の両側に置くと、題名は同じ言葉を挟む作品名の形に近づく。8割を超える回がこの形なので、音合わせは例外ではなく、ふつうの作り方です。

カタカナで書くから、制約と誓約が同じ言葉になる

題名は、数字と英字の第67話・第79話をのぞいてカタカナで書かれている。漢字を使わないことで、音合わせに使える語の組が増えているように見えます。

第47話「セイヤク×ト×セイヤク」は、漢字にすれば念の制約と誓約と同じ音。カタカナにすると、意味の違う2語が同じ言葉の形に見える。同じ言葉を×で挟む作品名の形に、別々の意味を2つ入れられるわけです。

第138話「オネダリ×ト×オネガイ」も、頭の2音がそろう組。ナニカの力の2つの決まりは、この「おねだり」と「お願い」で呼ばれています。漢字や送り仮名が消えるぶん、耳で聞いた音だけで2語を比べられる。

総集編と最終話には、時間を表す言葉の組が入っている。総集編の第26話は「アレカラ×ト×ソレカラ」で、両側とも「〜カラ」。最終話の第148話は「コレマデ×ト×コレカラ」で、頭の「コレ」をそろえた組で終わります。

×ト×のトが最多、後半ほどトに寄る

×と×の間に入るつなぎの言葉は、全話で同じではない。いちばん多いトが87話で、ノ22話・デ11話・ナ10話と続きます。

ほかにハ・ガ・ニ・シテ・ニハ・ダケドが、それぞれ1〜5話。トが過半数でも、「×ト×で統一」とまでは言えません。

ただ、話数が進むほどトは増えていく。第1〜50話では50話中17話、第51〜100話では33話。第101〜148話では48話中37話がトで、8割に近づきます。

序盤には、第3話「ライバル×ガ×サバイバル」のようにトを使わない回が多い。第32話も「ドッキリ×ナ×ショウリ」でした。つなぎの言葉は回ごとに変わるので、毎回守られている部分ではありません。

音の合わない例外でも、×の形だけは残る

×の形を先に決めているなら、音の合わない回でも×は残るはず。第85話「ヒカリ×ト×カゲ」は、光と影という意味の対。音は合っていません。

第106話「ノヴ×ト×モラウ」は、2人の人名を並べた題名です。人名は言い換えがきかないので、音合わせより名前を選んだように見える。それでも、どちらの回も2語を×で挟む形は崩していない。

反対に、形のほうを曲げた回が第119話「ツヨ×イカ×ヨワ×イカ」。「ツヨイカ」と「ヨワイカ」を真ん中で切り、×を3つにしました。ツヨとヨワ、イカとイカの音を並べるためだった、と読めます。

崩れるのは、音か×の数のどちらか一方だけ。数字の第67話も、英字の第79話「NG×ナ×NGL」も、×で区切っている。

作品名の×を、2011年版の148話の題名がくり返している理由

各話の題名で毎回守られているのは、2語を×で挟む形だった。音合わせとつなぎの言葉は、その形に合う2語を選ぶ手段だ、と俺は考えます。

作品名が同じ言葉を×で挟んでいるので、2語の音を寄せるほど題名は作品名に近づく。カタカナで書けば、意味の違う語も同じ音として並べられます。

選んだ2語をつなぐには、そのまま対に置けるトがいちばん使いやすい。ノやナは、前の語が後ろの語を説明する形にしかならないからです。なぜ後半ほどトが増えたのかを示す資料は見当たらない。音で選んだ2語を対に置く作りが、話数を重ねて定着した、とは読めます。

作品名のHUNTER×HUNTERにある1つの×を、148話の題名は毎回ちがう2語で作り直している。俺には、音合わせもカタカナもトの多さも、この×を残すための作りに見えます。

まとめ|2011年版アニメのサブタイトルの作り

  • 2011年版の各話の題名は、148話すべてが×で言葉を区切る形。同じ言葉を両側に置く回が6話ある
  • ×の両側の2語は、8割を超える回で音がそろう。音の関係が見当たらない回は10話に届かない
  • カタカナで書くことで、セイヤク×ト×セイヤクのように意味の違う2語を同じ音で並べられる
  • つなぎの言葉はトが87話で最多。ほかにノ・デ・ナなどが入り、後半ほどトの割合が上がる
  • 音の合わない回も、×を3つにした第119話も、×で区切る形そのものは崩していない

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