シマヌ(シマノ)が有能な3場面|家の生まれは6話あとで明かされる

シマヌの有能さが見える3つの場面は、どれも35巻 No.365「選択」の同じ会話の中にある。王子からの電話のつなぎ先を変え、その理由に王子たちの性格を話し、バビマイナは部屋に入れるしかないと言う。クラピカは口ではこの付き人を「シマノ」と呼びます。

なぜそこまで王家に詳しいのかは、その場では語られない。家の話が出てくるのは6話あとの No.371「任務」です。冨樫は、外から来たクラピカが持たない王家の内情を、この付き人に持たせたのではないか。No.365 の外の場面を見ても、この読みと食い違うものは出てこない。

※王位継承戦のうち35〜36巻(No.364〜371)の内容に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

シマヌ(シマノ)が有能に見える電話の判断|No.365でつなぐ先をチョウライに変えた

シマヌは第8王妃オイトの付き人。第14王子ワブルの世話をする従事者で、1014号室に残った1人です。クラピカは口に出すときは「シマノ」と呼ぶ。心の声では「シマヌ」と呼んでいる箇所もあります。

No.364「思惑」の終わり、部屋に交換台から電話が入る。第1王子ベンジャミン、第3王子チョウライ、第5王子ツベッパの3人から同時の電話だった。同じころ、ベンジャミンの私設兵バビマイナも部屋の前に着いている。

No.365「選択」で、クラピカはとっさにベンジャミンを先につなぐよう言う。シマヌはその指示に従わず、自分の判断でチョウライにつないだ。結果として、3人の誰ともすぐには対立せずに済んでいる。

シマヌの見立てとバビマイナ|王子の性格と国の決まりを話した

そのあとクラピカに問われ、シマヌは理由として3人の王子の性格を話す。

  • ベンジャミンは冷徹で、交渉も命ごいも受け入れない。電話は、こちらに死に方を選ばせるためのもの
  • チョウライは自分で電話に出て交渉するくらいには寛容。ただ、後回しにされたら電話を切るくらい高慢
  • ツベッパは自分では電話に出ない。ただ、ハルケンブルグと同じく今の国王制に批判的

自分は死に方には興味がない。生き残るためにチョウライにつないだ、というのがシマヌの答えでした。

同じ話で、クラピカは部屋の外のバビマイナをどうするかも尋ねている。シマヌの答えは、入れないという選択肢はない、というもの。バビマイナはベンジャミンの私設兵であっても、国王の正規軍に属する兵。国防法にもとづく「護衛と監視」の目的で来ているからです。

クラピカは心の中で、ここまでのシマヌの判断は的確だと認める。口では「シマノ」と呼んで礼を言い、助言が要ると思えば何でも言ってほしいと頼みます。護衛を率いる側が、付き人に意見を求める形に変わった場面。

シマヌのNo.365以外の判断|例外はNo.369の補足

No.365 の外で、シマヌが王家の内情を口にした場面として目立つのは No.369 です。

No.369 で、クラピカは第1〜3王子の性格を踏まえて自分の判断の根拠を話す。第2王子カミーラのところで、シマヌが補足を入れる。カミーラに意見できるのは国王だけ、という一言。王子の性格を知る人の口ぶりは、ここでも変わっていない(→ カミーラの念能力)。

ほかの場面のシマヌは、世話をする人として出てくる。No.366 ではバビマイナのいる部屋で留守番をしていた。No.367 では、裏窓(リトルアイ)を使うオイトからワブルを預かる。クラピカ・オイト・ビルと一緒に、部屋の虫や小動物を探す場面もあります。

王家の内情が要る場面は、No.365 に3つと No.369 に1つ。No.366・367 の世話の場面では、シマヌは目立つ判断をしていません。

シマヌの家は代々王族に仕えてきた|No.371の話と並べる

No.371「任務」の前半で、シマヌはクラピカに銃を向けられる。ある襲撃に関わったのではと疑われ、念という言葉も前の日に初めて聞いたと答えています。

そのあと、シマヌはオイトに生い立ちを語る。家は代々王族に仕えてきた。両親は病気で、その務めを全うできなかった。No.365 では語られなかった、王家との関わりがここで出てきます。

話 場面 シマヌがしたこと 王家の内情が要るか
No.365 3王子からの電話 チョウライにつなぐ 要る
No.365 電話の理由 3人の性格を話す 要る
No.365 バビマイナ 入れるしかないと話す 要る
No.369 クラピカの説明 カミーラについて補足する 要る
No.366・367 留守番・ワブルの世話 部屋に残る・預かる 要らない

本編は、No.365 の判断と No.371 の家の話を、セリフで結び付けてはいません。シマヌ本人が No.365 で言った理由は、生き残るため、まで。ファンの資料には、地頭や観察力、機転の側で説明するものもあります。

それでも2つの話を並べると、目立つ場面はどれも王家の内情が要る場面に集まっている。国王だけがカミーラに意見できる、といった王家の中の事情は、その場の観察だけでは出てこない。No.371 で語られるのは、家が代々王族に仕えてきたことまで。その家で王家の内情を身につけたのだとすれば、No.365 の判断にも説明がつくと読めます。

冨樫はなぜシマヌの生まれを6話あとに回したのか

クラピカは、ワブルの護衛として外から船に乗り込んだ人間です。念獣や護衛の動きなら、念で調べ、推理で読める。けれど、王子の気性や国の決まりは、外から来た人には分からない部分が残ります。

No.365 でその部分を補ったのがシマヌだった、と読める。電話の順を変えたのは、外から来た護衛ではなく、王家に仕える家に生まれた付き人でした(→ クラピカの護衛5人)。

No.371 のシマヌは、念という言葉を前の日に初めて聞いたと答えている。念で戦う護衛たちの部屋で、念を知らない付き人が役に立ったのは、王家の知識が要る場面でした。No.366・367 の世話の場面に目立つ判断が無いことも、この見方と食い違わない。

もし No.365 の時点で家の話が添えられていたら、シマヌは設定で説明された便利な人に見えたかもしれない。生まれが出てくるのは、念を知らないと言ったすぐあと。念ではなく知識で役に立つ人だということが、この順番で2つそろって見える。俺には、この並べ方がシマヌの役割に合っているように思える。

王家の内情を知っていて、念は知らない付き人。冨樫はその知識の出どころを、銃を向けられる場面のすぐあとに置きました。

まとめ|シマヌ(シマノ)が有能に見える理由

  • シマヌが有能に見える3場面(電話・王子の見立て・バビマイナ)は、どれも No.365「選択」の同じ会話の中にある
  • シマヌは、外から来たクラピカが持たない王家の内情を補う役と読める。生まれが語られるのは、念を知らないと答えたすぐあと
  • No.365 の外では、No.369 のカミーラについての補足が例外として残る
  • 理由はその場では語られない。No.371 でオイトに語る家の生まれと並べると、王家の内情を家で身につけていたと読める
  • クラピカは口では「シマノ」と呼び、心の声では「シマヌ」と呼ぶ箇所もある

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