ハンターハンターの毒|殺すより、生かしたまま止めるために使われる

ハンターハンターで毒を受けた相手の多くは、死なずに動きを止められている。尻尾・牙・矢・吹き矢で毒を当てられた4人は、動けないまま生かされ、捕まるかプレートを奪われました。

命まで落ちた場面は2つ。人の作った兵器の貧者の薔薇と、ポンズが帽子の中に飼っていた毒蜂です。この2つはどちらも、使い手の手を離れて動いた毒でした。

※ハンター試験編・ヨークシンシティ編・キメラアント編・王位継承戦編の内容に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ハンターハンターの毒使いと、毒を受けた側のその後

毒を使う人物は、ハンター試験から王位継承戦まで、編ごとに別の顔ぶれで出てくる。分ける基準は、毒を受けた側がそのあとどうなったか。あわせて、毒が相手にどう届いたかを並べます。

受けた側のその後 毒と、受けた相手 毒の届き方
生かしたまま止められる ザザンの尻尾の毒 → ポックル 尻尾で刺す
生かしたまま止められる 病犬の牙の神経毒 → ウボォーギン 牙で噛む
生かしたまま止められる ポックルのしびれ薬の矢 → キュウ 矢で射る
生かしたまま止められる ゲレタの吹き矢の毒 → ゴン 吹き矢で射る
死ぬ 貧者の薔薇 → メルエム 毒を浴びた体から次の体へうつる
死ぬ ポンズの毒蜂 → バーボン 蜂が自分で襲う
効かない トンパの下剤入りジュース → キルア 飲ませる
自白の前に死ぬ 奥歯に隠した毒 → ビンセント本人 自分で飲む

眠らせるガスや蛇の毒は、止めるためか殺すためかが描かれていない。他人に向けて使われ、相手に効いた毒は6つあります。そのうち4つが動きを止め、命まで奪ったのは2つ。止めた4つは使い手が相手1人に当てた毒で、命を奪った2つは使い手の手を離れて動いた毒です。

神経毒としびれ薬で動きを止めた4人には、相手を生かす理由があった

止める側の4つには、共通点がある。毒を当てた側に、相手を生かしたまま次にやりたいことがあった。

ポックルとゲレタは、4次試験でプレートを奪うために毒を使った

4次試験は、ゼビル島で受験生どうしがプレートを奪い合う試験。相手を倒す必要はなく、プレートさえ取れば点になります(→ ハンター試験4次試験のプレート争奪戦)。

ポックルの矢の先には、即効性のしびれ薬が塗られていた。受験番号105番のキュウは、腕をかすめられただけで動けなくなり、プレートを取られている。

ゲレタも同じ使い方でした。得意の吹き矢をゴンに当て、矢に塗った毒で身動きを封じてプレートを奪う。

ザザンの毒と病犬の神経毒は、相手を捕らえるために効いた

キメラアント編では、ポックルが毒を受ける側に回る。ザザンの尻尾の毒にやられ、そのまま捕まった。

捕まったポックルは頭を開かれ、念の知識を引き出されました。生きたまま捕らえられたから、知識が蟻の側へ渡っている。ポックルがキメラアント編で担った役割は、ポックルは“蟻編の戦犯”なのか?で詳しく扱っています。

ヨークシンでは、陰獣の病犬がウボォーギンを噛んだ。牙の神経毒で、首から下が動かなくなる。意識と痛覚は残る毒だ。

シャルナークによれば、致死性の猛毒なら勝負はついていたとフェイタンも言っていた。そのうえでシャルナークは、病犬を拷問好きだと評しました。動けなくなったウボォーギンは、クラピカに鎖で捕らえられている(→ 陰獣とは|十老頭に雇われた念能力者5人)。

貧者の薔薇は、狙った王の外まで命を奪った例外

止める側の4つといちばん違うのが、貧者の薔薇です。止める側は、毒を当てた相手が1人で、効き目もその1人で止まっていた。貧者の薔薇は、そのどちらにも当てはまらない。

ネテロはこの兵器を自分の体に仕込み、心臓が止まることを起動の合図にしていた。メルエムは爆発では死んでいない。それでも体に残った毒は抜けず、命を落としています。

毒を浴びた者の体は、それ自体が新しい毒を出し、近くにいる者へうつしていく。ユピーもプフも、王のそばにいたコムギも、同じ毒で死んだ。狙われたのはメルエムでも、毒は狙いの外まで届いている。

止める毒との差は、強さより、効き目が止まるかどうか。俺はそう考えます。貧者の薔薇は念能力者の技ではなく、人が作った兵器だ。誰に、どこまで効くかを、使った側が決められない(→ 貧者の薔薇は安いから手放せない)。

ポンズの毒蜂は、身を守るための毒が命まで奪ったもう1つの例外

もう1つの例外は、4次試験のバーボンの死。こちらは兵器ではなく、受験生どうしの争いの中で起きた。

ポンズは大きな帽子の中に、毒蜂を大量に飼っていた。本人がピンチになると、蜂が自動で相手を襲う仕組みです。蛇使いのバーボンは、この蜂に刺されて死んでいる。

ポンズの毒が止める側に入らないのは、使い手が当てる相手を選んでいないからだと思う。尻尾も牙も矢も吹き矢も、使い手が狙った1人に当てていた。蜂は帽子から出たあと、ポンズの手を離れて動く。

バーボン自身も、蛇の毒を使う側でした。懐には解毒剤を持っていて、ゴンはそれを取り出し、蛇に噛まれたレオリオを助けている。自分の蛇の毒への備えだったのでしょう。解毒剤を持っていた者が、それの効かない毒で死んだことになる。

キルアに毒が効かない場面と、奥歯に仕込まれた解毒剤と毒

他人を止めるのでも殺すのでもない毒もある。どれも、毒が効くか効かないか、抜けるか抜けないかの話です。

キルアはトンパの下剤入りジュースを飲んでも平気だった

試験会場で、トンパは新人に下剤入りのジュースを配っている。飲み干したのはキルアだけ。キルアは「オレなら平気だよ 訓練しているから 毒じゃ死なない」と言っています。

287期の本編では、このジュースで倒れた受験者は描かれていない(→ トンパの目的は試験の途中で変わる)。相手に当てて効かせる毒は、受ける体が毒に慣れていれば、止める役にも落とす役にも立たない。

ポックルの奥歯には解毒剤、ビンセントの奥歯には毒があった

ポックルは、奥歯に解毒剤を仕込んでいた。ザザンの毒を受けたあと、それを使い、這って動けるようになる。骸骨の山に隠れていたところをピトーに気づかれ、また捕まっています。

王位継承戦のビンセントは、同じ奥歯に毒を隠していた。拘束されたあと、クラピカが自白を取る前に、その毒を飲んで自決している(→ ビンセントとサイールドを分けたもの)。

どちらも、捕まったときの備え。止める毒を受けた側は、解毒剤があれば自分で動きを取り戻せた。ビンセントの毒は他人ではなく、自分の口を止めるために使われています。

シズクは奪い返した仲間の毒を抜いた

旅団が奪い返したウボォーギンの体から、シズクはデメちゃんで病犬の毒を吸い出した。捕まっていたあいだに吸わされたガスも、一緒に抜いている。生かしたまま止める毒は、相手が生きているぶん、あとから抜き取ることもできました。

毒で命まで奪ったのは、手を離れた2つの毒

相手に効いた6つの毒のうち、4つは相手を生かしたまま止めている。プレートを奪う、捕らえて話を引き出す。止めた側には、どれも相手を生かしておく理由がありました。

この4つは、使い手が相手1人に当てた毒だ。効き目は当たった相手の体の中で止まり、ポックルのように解毒剤で動きを取り戻した場面もある。バーボンの懐の解毒剤は、毒を使う側の備え。ポックルの奥歯の解毒剤は、毒を受けたときの備えです。

命まで奪った2つは、どちらも使い手の手を離れて動いた毒でした。薔薇の毒は近くにいる者へうつり、蜂はポンズのピンチに合わせて自分で襲う。毒で命まで奪ったのは、人の作った兵器の貧者の薔薇と、身を守るために飼われた毒蜂くらいです。

まとめ|ハンターハンターの毒と、受けた側のその後

  • 相手に効いた毒は6つ。そのうち4つ(ザザン・病犬・ポックル・ゲレタ)は、相手を生かしたまま動きを止めた
  • 止めた側には、プレートを奪う・捕らえて知識を引き出すといった、相手を生かしておく理由がある
  • 命まで奪ったのは、使い手の手を離れた毒だった。貧者の薔薇は体から体へうつり、ポンズの毒蜂は自分で襲った
  • 貧者の薔薇は、狙ったメルエムの外まで毒がうつり、ユピー・プフ・コムギの命も奪った
  • キルアにはトンパの下剤が効かない。ポックルは奥歯の解毒剤で動き、ビンセントは奥歯の毒で自決した

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