ハンターハンターの賭けで金が賭かったのは2つ|残りは人物が追っているもの

掛け金を置いて勝ち負けで取り合う勝負を、ハンターハンターから6つ数えると、金が賭かったのは2つだけ。残りの4つに置かれたのは、時間・命・ゲームのカード・NGLへ行く資格でした。

どれも、その場面の人物が手に入れようとしていたもの。賭けは、人物がいま何を目指しているかを読者に見せる場面になっている、と読めます。

※トリックタワーからキメラアント編までの賭けの場面に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

トリックタワーでレオリオがレルートに賭けたのは50時間

三次試験のトリックタワーには、72時間の制限時間がありました(→ ハンター試験の日数は10日ぶんしか確定していない)。受刑者のレルートがレオリオに持ちかけたのは、時間を賭ける勝負。持ち分は互いに50時間で、10時間単位で賭け、どちらかが0になるまで続きます。

レオリオが負けたため、ゴンたちは失った50時間ぶん、先へ進めずに足止めされました。受刑者の側も、受験者を1時間足止めするごとに刑期が1年減る条件で試験に加わっている(→ トリックタワーは条件を渡し、地下室は渡さない)。受験者と受刑者の両方が、時間を取り合っていたことになります。

ハンターハンターの賭け・ギャンブル6つを、賭けたもので分ける

掛け金を置いて勝ち負けで取り合う勝負として、次の6つを数えます。

場面 賭けたもの 賭けた人物
トリックタワーのレルート戦 時間 レオリオとレルート
軍儀の対局 命 コムギ
ヨークシンの腕相撲 金 挑戦者とゴン側
天空闘技場の試合 金 観客
グリードアイランドの決闘 カード ゴンとゲンスルー
ナックルとの勝負 NGL行き ゴンとキルア

金は2つ。時間・命・カード・NGL行きが1つずつです。

ヨークシンの値札競売は売り買いの場。買い手が値札に値を書き、期限までにいちばん高い値を書いた人が買います。トリックタワーのほかの試合は、勝ち負けだけを決める勝負でした。どちらも掛け金を取り合う形ではありません。

軍儀の対局で、メルエムが求めたのはコムギの左腕。コムギは代わりに命を出すと返しました。メルエムはこの賭けを取り下げ、自分の左腕をもいでいます。

ヨークシンの腕相撲は、レオリオの発案で開いた「条件競売」。賞品は300万ジェニー相当のダイヤで、挑戦者は参加料を払ってゴンと腕相撲をします。シズクが挑んだときもゴンが辛勝し、ダイヤは渡っていない。

グリードアイランドでは、ゴンがゲンスルーに条件を認めさせてから戦っています。先に「参った」と言ったほうがカードを渡す、という条件です。

賭け金は、その場面で人物が手に入れようとしているもの

6つの賭け金を、その場面で人物が何を目指していたかと合わせて見ます。

トリックタワーの受験者は、72時間以内に塔を降りることを目指していた。受刑者は、刑期を縮めることを目指していた。賭けたのは、どちらも時間です。

グリードアイランドのプレイヤーは、カードを集めてゲームのクリアを目指します(→ グリードアイランドの攻略に念が要る理由)。ゴンとゲンスルーのあいだに置かれたのも、カード。

ゴンとキルアは、NGLへ戻ろうとしていた。NGLは、2人がネフェルピトーの前にカイトを残してきた場所です。ナックルとの勝負にかかっていたのは、そのNGL行きでした(→ ナックルの念能力ハコワレを”借金の収支”で読む)。

コムギは、負ければ命を落とす覚悟で、ふだんから対局に臨んできた打ち手。「いつもワダすが賭けているもの」として差し出したのが命でした。軍儀に懸けてきたものが、そのまま賭け金になっている。

4つとも、賭けに出されたものは、その人物がその場面で目指しているものと重なっている、と読めます。負ければ、手に入れたかったものが目の前で減る。目指しているものは、ふだんはセリフや行動から読み取るしかありません。賭けの形にすると、それが勝ち負けで取られる量として目に見える。

金が賭かった腕相撲と観客の賭けは例外か

この読みが崩れるとしたら、金が賭かった2つの場面です。

ヨークシンでのゴンたちの目当ては、競売に出るグリードアイランド。手に入れるには大金が要ります(→ ハンターハンターの金額を大きい順に並べる)。腕相撲は、その金を集めるための勝負。欲しいのが金だから、賭けに置かれたのも金。ここでも賭け金と目指すものは一致する。

発案したのはレオリオ。トリックタワーで時間を失った人物が、ここでは金の勝負を仕切る側に回っています。目指すものが変われば、賭けに置くものも変わる。

天空闘技場では、観客が試合に金を賭けています。勝ち負けだけでなく、両者の獲得ポイントまで予想する賭け。観客は試合に出ないので、出せるものは金しかない。誰がいくら賭けたかは、話の筋にかかわってきません。

むしろ読みに合わないのは、金ではない賭けのほう。メルエムの賭けです。

この場面で、メルエムがコムギの左腕を必要としていた様子は描かれていない。欲しいものではない腕を、賭けに置いたことになります。コムギが命を出すと返すと、メルエムは「下らぬマネをした」と言って賭けをやめた。欲しくもないものを賭けに置いた側が、自分から賭けを取り下げています。2人の覚悟の違いは、コムギはメルエムと何が違ったかで詳しく書いています。

冨樫が賭けに金をほとんど置かないわけ

原作から言えるのは、6つの賭けのうち金は2つだけということ。その2つも、金を集める場面か、金しか出せない観客の賭けでした。残る4つには、時間・命・カード・NGL行きが置かれています。

今回の6場面を見るかぎり、人物が金そのものを目指す場面は少ない。レオリオでさえ、金は医者になるための条件として語られていました(→ レオリオはまだ大金を手にしていない)。目指すものが時間や資格なら、賭けに置かれるのも時間や資格になる。金に寄らないのは、その結果だと読めます。

賭けは、人物が目指しているものを、負ければ失う形で読者の前に出す場面になっているように見えます。だから賭け金の中身は、場面ごとに変わる。冨樫が賭けの場面で先に決めているのは、人物が何を目指しているかのほうだと俺には思えます。賭け金は、そこから選ばれているように見える。

まとめ|ハンターハンターの賭けで賭けられたもの

  • 掛け金を置いて取り合う勝負を6つ数えると、金が賭かったのは、ヨークシンの腕相撲と天空闘技場の観客の賭けの2つだけ
  • 残りは、トリックタワーの時間、コムギの命、グリードアイランドのカード、NGL行き
  • 賭け金は、その場面で人物が手に入れようとしているものと重なる
  • 欲しいものではないコムギの左腕を賭けに置いたメルエムは、自分から賭けを取り下げた

賭けに何が出されたかで、その場面の人物が何を目指していたかも見えてきます。金が賭けに出たのは2つ。欲しいものが金だった腕相撲と、金しか出せない観客の賭けです。

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