ボドロとハンター試験|キルアが刺したのは子供と戦わないと決めた大人

最終試験のボドロは、子供とは戦わないと面談で答えた大人。その子供の1人、キルアに刺されて試験を去ります。

ボドロ本人について描かれたのは、この信条くらい。志望理由も過去も、本編には出てこない。ヒソカ戦でも延期の場面でも、動いているのは相手の受験者のほう。そのうえで信条が先に描かれていたから、キルアの失格は、ただの反則負けでは終わらなくなっている。面談、ヒソカ戦、延期、退場の順に、そう読める理由を追っていきます。

※ハンター試験編の最終試験の結末に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ボドロについて描かれたのは、面談で答えた信条

ボドロは受験番号191の格闘家。4次試験のゼビル島では、自分と標的リュウのプレート2枚で通った(→ ゼビル島のプレート争奪戦)。

最終試験の前に、ネテロは受験者を1人ずつ面談しています。戦いたくない相手を聞かれたボドロは、ゴンとキルアを挙げた。理由は、2人が子供だから。

面談の最初の質問は、なぜハンターになりたいのか、でした。ボドロの答えは描かれていません。何のために試験を受けたのかは、最後まで分からないまま。

志望理由が伏せられたまま、戦う相手を選ぶ基準だけがはっきり示されている。ボドロは、武道家としての筋を持った大人として描かれている。本人のものとして読者に渡されるのは、この一点です。

ボドロの降参と延期は、ヒソカとレオリオの場面になっている

ヒソカ戦|耳打ちのあとでボドロは降参した

ヒソカ戦のボドロは、一方的に倒されても、すぐには降参しなかった。そこへヒソカが何かを耳打ちし、直後にボドロは降参する。耳打ちの中身は明かされていません。

ヒソカは同じ最終試験で、クラピカにも耳打ちしている。こちらは、耳打ちしたヒソカのほうが降参しました。

2つの試合を比べると、耳打ちのあとの結末はヒソカの側が決めていると読めます。相手を降ろすのも、自分が降りるのもヒソカ。ボドロ戦で前に出てくるのは、ボドロの強さよりヒソカの試合の終わらせ方のほう。ヒソカが相手のどこを見ているかは、ヒソカの採点は強さの順位とは限らないで追っています。

ゴン対ハンゾーと比べると、降りた側が逆になる

ボドロとゴンが同じ試合の場に立つことはない。ただ、ゴン対ハンゾーは似た形の試合だ。ゴンはハンゾーに痛めつけられても折れず、根負けしたハンゾーのほうが降参した。

すぐに降参しなかった点は、ボドロも同じ。違ったのは相手でした。ゴンの試合では、降参を拒む強情そのものが描かれる。ボドロの試合では、それを耳打ちで終わらせたヒソカのほうに目が向きます。

延期|傷を理由に待ったのはレオリオ

ボドロの次の相手はレオリオ。レオリオはボドロの傷を理由に、自分から延期を申し出ている。そのあいだに、キルア対ギタラクル(イルミ)が先に行われた。

傷を負った相手とはすぐに戦わない。医者を目指すレオリオらしい判断です(→ レオリオの念能力は”医者の念”)。この場面でも、ボドロは申し出を受ける側にいる。

子供と戦わない大人を、子供のキルアが刺した

キルア対ギタラクルで、キルアは正体を明かしたイルミに押されて降参した。延期されていたボドロとレオリオの試合は、そのあとに組まれています。

ボドロはレオリオとの試合の場で、背後から現れたキルアに刺されて死ぬ。キルアはその場で失格になった。キルアの側の流れは、キルアはイルミの針が抜けても逃げるで扱っています。

俺が注目したいのは、刺された相手が誰だったかです。面談でボドロが戦わないと言った子供の中に、キルアがいた。子供に手を出さないと決めていた大人を、その子供が刺したことになる。

もし信条が描かれていなければ、この退場は、よく知らない受験者の死で終わっていたはずです。信条は面談で先に示されていた。傷についても、レオリオが気遣って試合を待たせていた。その相手を刺したことで、キルアの失格には、ルール違反以上の重さが加わる。

冨樫がそこまで考えてボドロを置いたかは、原作からは言い切れません。ただ、ボドロの4つの場面は、描かれた順にキルアの退場へ重さを足していく並びになっている。キルアが刺したのは、子供とは戦わないと決めていた大人だった。その信条が面談で先に描かれていたから、キルアの失格はただの反則負けでは終わっていない。

まとめ|ボドロがハンター試験で見せたもの

  • ボドロ本人について描かれたのは、面談で答えた「子供とは戦わない」という信条。志望理由や過去は出てこない
  • ヒソカ戦は耳打ちで試合を終わらせたヒソカを、延期はボドロの傷を理由に待ったレオリオを見せる場面になっている
  • ゴン対ハンゾーと比べると、同じくすぐには降参しなかったのに、降りた側が逆になっている
  • ボドロを刺したのは、面談で戦わないと言った子供の1人、キルアだった
  • 信条が先に描かれていたので、キルアの失格はルール違反以上の重さを持つ場面として読める

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