キルアの暗殺術|肢曲には名前があり、心臓を抜く動作は技と呼ばれない

キルアの暗殺術で、作中に名前を出して解説されるのは、相手に自分を捉えさせない技です。

残像で相手を惑わす肢曲は、ネテロが名前を口にして見抜いた。その土台にあるのが、足音を消す暗歩です。一方で、トリックタワーで相手の命を取ったのは心臓を抜く動作。キルア本人は、それを「技ってほどのもんじゃないよ」と言っていた。

※ハンター試験編からキメラアント編までの内容に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

肢曲と暗歩|ネテロが見抜いた技と、その土台

最初の場面は2巻。飛行船の中で、ネテロとボールの取り合いをする場面です。

キルアは足運びに緩急をつけ、自分の残像を見せて相手を惑わした。ネテロはこれを肢曲と呼び、「この年で肢曲をたしなむとは末おそろしい子じゃの」と口にします。ただ、この場面のキルアは動きを読まれて、ボールを取れていない(→ ネテロのボール取りはなぜ例外か)。

肢曲は、音を立てずに歩く暗歩を応用した技とされています。暗歩のほうは、家を出たあとも体に残っていた。ヨークシン編でセンリツと動いていたとき、キルアは「クセになってんだ 音殺して動くの」と言う。暗殺の仕事から離れても、足音を消す歩き方は抜けていない(→ ゾルディック家の念能力まとめ)。

どちらも、相手を倒すための技ではない。相手に気づかれず、捉えさせないための技です。

キルアの暗殺術5つを、使い道と解説の有無で分ける

Wikipedia の解説やねとらぼの人気投票が、キルアの暗殺術として並べるのは同じ5つ。使い道と、作中で誰かが解説するかで分けると次のとおりです。

暗殺術 使い道 作中の解説
暗歩 気配を消す 肢曲の土台とされる
肢曲 残像で惑わす ネテロが名前を出す
関節を外す 拘束を抜ける なし
心臓を抜く 殺す 本人が技と認めない
蛇活 腕を壊す 見当たらない

使い道で見ると、5つは2つに分かれる。相手に捉えさせない技(暗歩・肢曲・関節を外す)と、相手の体を壊す技(心臓を抜く・蛇活)です。

関節を外すのも、捉えさせない技に入る。ヨークシン編の12巻、マチの念糸に捕まったキルアは、関節を外して糸から抜けた。念を覚える前の技が、念能力者の拘束にも効いた場面です(→ マチの念能力)。

5つのうち3つが捉えさせない技で、作中で名前を出して見抜かれたのも、その中の肢曲でした。体を壊す2つには、それぞれ別の形で引っかかるところがある。

心臓を抜く動作|暗殺術に数えられるのに、本人は技と呼ばない

5つの中で、はっきり相手の命を取ったのは心臓を抜く動作だけ。3巻、トリックタワーで解体屋ジョネスとすれ違いざまに心臓を抜き取った場面です。

この場面を見たクラピカに方法を聞かれて、キルアは答える。「技ってほどのもんじゃないよ。ただぬきとっただけだよ」。そのあとに、ちょっと自分の肉体を操作して盗みやすくした、と付け加えるだけ。Wikipedia などが使う「肉体操作」という呼び名は、この一言の言い回しと重なります。

解説サイトは暗殺術の1つに数えているのに、本人は技とさえ呼んでいない。殺す動作そのものは、キルアにとって説明するほどのものではなかった、と読める。

蛇活には名前があるのに、肢曲のような解説が無い

体を壊す技のもう1つが、蛇活です。19巻、キメラアントの蚊女との戦いで、相手の腕を壊した技。

蛇活という名前で呼ばれてはいるものの、肢曲のようにネテロが見抜いて言葉にする場面は見当たらない。腕を壊すところまでの技で、とどめそのものでもない。名前の有無より、誰かが言葉にしたかどうかで扱いが分かれている例です。

キルアの暗殺術で言葉にされるのは、捉えさせない技

肢曲が攻めに使われた場面もあります。グリードアイランドのサブとの戦いでは、肢曲で惑わせた隙に雷掌を当てている。惑わす技は、相手を倒す準備にもなる。

それでも、相手に当てたのは念の電気でした。肢曲が使われたのは、相手に自分を捉えさせない、その前の段階。

俺は、キルアの暗殺術の描かれ方に、暗殺の手順の重さがそのまま出ていると読んでいる。ネテロが見抜いて言葉にしたのは、捉えさせない肢曲。キルアが軽く流したのは、心臓を抜く動作。殺す動作は、捉えられずに近づけてしまえば「ただぬきとっただけ」で済む。それがキルアの言い方です。

まとめ|キルアの暗殺術

  • 解説サイトがキルアの暗殺術として挙げるのは、暗歩・肢曲・関節を外す・心臓を抜く・蛇活の5つ
  • 作中でネテロが名前を出して見抜いたのは、残像で惑わす肢曲。その土台が足音を消す暗歩
  • 関節を外すのも拘束を抜ける技で、5つのうち3つが相手に捉えさせない技
  • 相手の命を取った心臓を抜く動作は、本人が「技ってほどのもんじゃない」と言う
  • 蛇活は名前があっても、肢曲のように作中で解説される場面が見当たらない

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