大和撫子七変化は乗り手を先に集める|ツボネの念能力が抱える条件

自分の体を乗り物に変えられるのに、その乗り物を自分では動かせない。

ツボネの念能力は、そういう仕組みになっています。31巻の能力説明に、原動力は乗り手のオーラなので自力では操作できない、という趣旨が書かれている。

つまり変身する前に、乗ってくれる相手が要る。速さを語る前に、人を集める工程が挟まっている能力です。

※会長選挙編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ツボネの念能力「大和撫子七変化」は、自分が乗り物になる

ツボネはゾルディック家の執事のなかで最長老にあたる人物。能力名は大和撫子七変化(ライダーズハイ)で、単行本31巻の能力説明ページに載っています。

中身は、自分の体をもとにさまざまな乗り物を具現化するというもの。作中で確認できるのは、バイクの姿と、空を飛ぶ姿の2つ。系統はファンの間では具現化系と見られている。ただし本編で明言された場面は確認できません。

乗り物を出すのではなく、自分が乗り物になる。ここがまず変わっている。

動力も操作も、自分の側に無い

条件がもう1つ付きます。原動力になるのは乗り手のオーラで、ツボネ自身は操作に関われない。

変身したあと、ツボネは動力も操作も持っていません。燃料も、ハンドルも、乗った相手の側にある。

念能力には、道具や条件を必要とする型がいくつもあります(→ 念能力に道具が要る能力と要らない能力)。ただしこの能力が要求しているのは道具ではなく、人だ。動かす人を1人用意しないと、変身しただけでは何も起きない。

ツボネのバイクに乗ったのは、アマネとカナリア

この条件は、実際の場面にそのまま出ている。

キルアがアルカを連れて動く道中。ツボネはバイクに変わります。ただしその前にアマネへ連絡を取り、アマネとカナリアを呼んでいる。

呼んでから変わる、という順番だ。呼ばずに変身していたら、その場に乗り物が1台できるだけで終わっていた。

31巻の後半で空を飛ぶ姿に変わったときも、操縦したのはアマネでした。2場面とも、乗り手が先に立っている。

順番を逆にできない作りになっている。能力の発動より前に、人を確保する手順が入っているからだ。

乗り手の側にも条件がある

乗り手を見ると、誰でもいいわけではないと分かります。

実際に乗ったのは、ゾルディック家に仕えるアマネとカナリアの2人。バイクは2人ぶんのオーラで走ったと説明されています。

原動力が乗り手のオーラである以上、乗る側はオーラを扱える相手に限られるはずだ、と俺は読んでいます。31巻の説明は乗り手の条件までは書いていないので、ここは原作の記述ではありません。

そう読むなら、この能力は念を扱える人手が身近にいる状況を前提にしていることになる。人手のいない場所へ単身で出れば、条件が満たせなくなるはずです。

ツボネの強さを測るときに引っかかるのも、この点だと思う。乗り物としての速さがどれだけあっても、その速さは本人の戦力として数えにくい。動かす人がそばにいるかどうかで、出せる値が変わってしまうからだ。

丸眼鏡のほうは、乗り手が要らない

対照的なのが、ツボネが使うもう1つの手段だ。

ツボネは丸眼鏡を通して映像を送っています。こちらは乗り手を用意しなくても成立する。ただし丸眼鏡は、念能力として説明された装備ではありません。

映像を送っていたのも、キキョウの指示によるもの。会長選挙編では、その映像がキキョウのもとへ届いている。

見る・伝えるだけなら自分の側で足りて、運ぶには人が要る。同じ人物の中で、必要な人数が分かれている。

乗り手を先に集めさせる形が、この家で何をしているか

ゾルディック家では、執事が当主家の命で動きます(→ ゾルディック家の執事で一番自由に動いたのはカナリア)。そのなかでツボネの能力だけが、動くのに他人の手を要求している。

念の移動手段には、体を速くする型も、距離そのものを消す型もある(→ 念での移動は何を動かしているのか)。作中で移動に使われた念のうち、動かすのに他人が要るものは、ほかに見当たりません。

速く動ける能力を持っていても、1人では発揮できない。強い能力を家に置きながら、その起動には家の人手が要る。そういう線の引き方に見えます。

キルアがアルカを連れ出した一件では、最後の場面でもツボネはアマネを連れて現れました(→ ナニカ(アルカ)のおねだりのルール)。人を連れて動く体制と、人がいないと起動しない能力。この2つは噛み合っています。

まとめ|ツボネの念能力が抱えている条件

  • 大和撫子七変化(ライダーズハイ)は、自分の体をもとに乗り物を具現化する能力。単行本31巻の能力説明ページに載っている
  • 原動力は乗り手のオーラで、自力では操作できない。変身したあと、動力も操作も本人の側に残らない
  • キルアがアルカを連れて動く道中では、変身の前にアマネとカナリアを呼んでいる。31巻後半の飛行形態でも操縦したのはアマネだった
  • 原動力が乗り手のオーラである以上、乗る側はオーラを扱える相手に限られるはず。ただし乗り手の条件は原作に書かれていない
  • 速さがあっても1人では出せないので、ツボネの強さは本人だけでは測りにくい

速く走れる乗り物になれても、乗る人がいなければその場から動きません。注目したいのは速さではない。動き出すまでに、人を1人用意しないといけない。その条件が、この能力をよく表しています。

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