放出系は自分を薄くして距離を得る|最強と呼ばれにくい理由

放出系が手に入れているのは、届く距離です。その代わりに薄くなるのが、自分の守り。

一度に扱えるオーラの量は決まっています。外へ出したぶんだけ、体に残せる量が減る。離れた場所を殴っている間、術者本人はいつもより薄い状態にいる。放出系の弱点として、よくここが挙げられます。

派手に見える系統なのに、最強の系統として名前が挙がることは多くない。理由はここにあると俺は考えています。

※ネタバレ注意。ヨークシン編と、レオリオが会長選挙で見せた場面に触れます。

放出系の念能力でできること|離れたオーラが消えない

念のオーラは、体から離すと急速に消えていきます。手元から放したとたん、ただの空気に戻る。

放出系は、この消え方が違う。体から離しても、オーラをその形のまま保っていられます。オーラを飛ばす力そのものというより、離しても消さずにいられる力だと言ったほうが近い。

だから遠くの相手に触れる。オーラ弾を撃つ、離れた場所に拳を出す、置いた道具を動かす。距離を必要とする発は、たいていこの系統が土台になる。

念の基礎そのものは 絶・纏・練・発はどう違う? に整理しました。

放出系が差し出しているもの|外へ出したぶんだけ纏が薄くなる

オーラは無限に湧いてくるものではありません。一度に扱える量には限りがあり、その中で纏に回すか、発に回すかを配分している。

外へ飛ばしたオーラは、その間ずっと体の外にある。外へ出した量のぶん、自分を覆っているオーラはそのまま減る。遠くを叩いている間、術者本人は普段より薄いままです。

近距離で殴り合う強化系なら、練ったオーラがそのまま防御になる。放出系にはそれがない。オーラが遠くにあるほど、自分の体は無防備に近づいていく。

差し出しているものと得ているものを対応させると、こうなります。

差し出しているもの 代わりに得ているもの
体を覆うオーラの厚み 相手に触れずに届く距離
反撃を受けたときの耐久 反撃される位置に立たなくてよいこと
オーラの総量そのものの消費 一度に複数の相手へ届かせられること

遠さと引き換えに、自分の守りが薄くなる。3行とも、結局は同じ交換の言い換えです。

フランクリンは狙いを捨てて範囲を取る|放出系の代表格

フランクリンの能力は「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」。切り落とした両手十指の断面から、オーラの弾を撃ち出す。

指を落とすことは発動に必須ではありませんでした。威力を上げるために、自分で選んだ代償です。

捨てているのは、一発ごとの狙いだと俺は見ています。10本の銃口から撒くように撃つので、狙撃のような精度は出ない。そのぶん増えるのが、当たる範囲と手数。

分かりやすいのがヨークシンのオークション会場です。会場全体に弾をばら撒き、群衆をまとめて倒した。ここで捨てたのは1人ずつ狙う正確さ。代わりに得たのは、逃げ場をなくす広さだ(→ フランクリンの念能力ダブルマシンガン)。

放出系の中でも、撃つ量で押し切るタイプ。そのぶん外に出るオーラは多くなります。

ただしフランクリンは219cm・225kgの巨漢。冨樫義博展 -PUZZLE- の設定資料でも、放出系と強化系のちょうど中間に置かれている。薄くなったぶんを、自分の地力で埋められる側の使い手だ。撃つ量が多くても戦えるのは、この体があるからでしょう。

レオリオはオーラを飛ばす位置だけを遠くへ置いた

レオリオの拳は、離れた場所にいきなり出ます。会長選挙でジンを殴った一撃が分かりやすい。

省いているのは、殴るために相手の前へ出るという当たり前の手順。代わりに得ているのは、相手の間合いの外に立てることです。

本編で系統が名指しされたことはありません。この一撃から、放出系という見方が定着している。

戦闘で数を稼ぐ能力ではない。それでも医者を目指す人間が持つ力としては、噛み合っています。触れずに届かせるという一点は、医者という仕事にもそのまま当てはまる(→ レオリオの念能力は“医者の念”)。

同じ放出系とされる2人でも、失っているものは違う。フランクリンは量を出して面を取り、レオリオは1発の位置だけを遠くへ置いた。出す量を増やすほど本体が薄くなると考えれば、レオリオの使い方のほうが軽い。

六性図で見る放出系|対極にあるのは具現化系

系統ごとの相性を示す六性図で、放出系の隣に並ぶのは強化系と操作系。対極にあるのが具現化系。この組み合わせだと4割ほどまでしか伸びないとされています(→ 念能力の六系統とは?)。

この2つが正反対に置かれているのは、オーラの扱い方が逆だからでしょう。具現化系は、オーラを物として固めて手元に残す。放出系は、固めずに体から離す。残すか、手放すか。

失うタイミングも逆になる。具現化系は、作る前に何を差し出すかが決まってしまう作りでした(→ 具現化系の念能力は使う前に決まる)。放出系のほうは、使っている最中ずっと薄いままでいる。

変化系と比べると、違いはもっとはっきりする。変化系のオーラは術者から離れるほど弱くなり、遠くに置いておけません(→ 変化系はオーラを遠くに置けない)。離せない系統と、離すために自分を薄くする系統。同じ距離の話でも、向き合い方が違う。

放出系が最強と言われにくい理由

出力の高さだけで見れば、放出系は上位に来てもおかしくない。それでも、最強の系統として挙げられることはめったにありません。

原因は、強さの出方が状況で大きく変わるところにあると思う。遠い相手には強く、詰められると弱い。得ているものが距離である以上、距離を潰されたときに残るものが少なくなります。

もう1つ、薄くなった体を埋める何かが別に要る。フランクリンには薄さを埋めるだけの地力があり、レオリオはそもそも戦闘を主な役目にしていない。距離を取った以上、薄いままの体をどうするかという問題が残る。

そこさえ用意できていれば、安定して働く系統です。派手さのわりに最強と呼ばれにくいのは、能力が弱いからではなく、こういう仕組みだからだと読めます。

まとめ|放出系の強さと代償

  • 放出系は、体から離したオーラを消さずに保てる系統
  • 外へ出した量のぶん体を覆うオーラが減るという弱点が、よく挙げられる
  • フランクリンは一発ごとの狙いを捨てて面と手数を取り、薄くなったぶんは自分の地力で埋めている
  • レオリオは相手の前へ出るという手順を省き、間合いの外から届かせている
  • 六性図では対極が具現化系。固めて残す系統と、手放して届かせる系統で扱い方が逆になっている

関連記事:

コメント

タイトルとURLをコピーしました