フランクリンの念能力ダブルマシンガン|一点を捨てて面を取った放出系

「両手から弾を撃つ、ただそれだけ」。幻影旅団フランクリンの念能力は、説明だけ聞くと単純に見えます。でも、なぜそれが大勢を一瞬で薙ぎ倒せるのかは、彼が何を手放したかを見ないと分かりません。

フランクリン=ボルドーは、十本の指を切り落としてまで威力を上げた能力者。命中の精密さと、指という体の一部を差し出し、代わりに広い範囲をまとめて制圧する弾幕を手に入れた。狙撃手ではなく、弾幕で制圧するのがフランクリンの強さです。

フランクリンの念能力「ダブルマシンガン」の仕組み

フランクリンの念能力は「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」。両手十本の指先から、念で固めた弾を機関銃のように連射する能力です。

系統は放出系。オーラの塊を体から離して飛ばす、放出系らしい撃ち方をします。指先から念弾を連射し、当たれば人体をたやすく引きちぎる。一発の重さと連射の速さの両方を備えているのが、この能力の持ち味です。

念系統について補足しておくと、本編で系統がはっきり名指しされる場面は多くありません。「冨樫義博展 -PUZZLE-」で公開された念能力設定資料では、フランクリンは放出系と強化系のちょうど中間に位置づけられています。撃って飛ばす放出と、体で押し切る強化。どちらにも寄っていない立ち位置が、彼の戦い方とよく合っています。

仕組みで一番変わっているのが、指の状態です。フランクリンは両手十本の指を切り落とし、断面から念弾を撃ち出している。十本の指が、そのまま十丁の銃口になっているわけです。だから複数の方向へ同時に撃ち込める。たった一人で一斉射撃が出来てしまう。

フランクリンが差し出したものと得たもの

ダブルマシンガンの威力は、大きな代償と引き換えによって成立しています。

差し出したのは、まず指そのもの。指先を切り落とすことは、能力の発動に必須だったわけではないとされています。それでもフランクリンは、自分の意思で指を切り落とした。そのほうが威力が上がると判断したからです。自分に重い制限をかけるほど念は強くなる、という性質を、体を削ることで実行している。指という体の一部を代償にして、一発ごとの破壊力を跳ね上げました。

そして、もう一つ差し出しているのが命中の精密さです。指から弾を連射する撃ち方は、一点をピンポイントで撃ち抜く狙撃には向きません。その代わり、十本同時に撃ち、広い範囲を弾幕で埋め尽くせる。狙って一人を仕留めるのではなく、面で大勢をまとめて潰すための設計です。

得たものを並べると、こうなります。

差し出したもの 得たもの
指(切り落として改造する代償) 一発ごとの大きな破壊力
一点を撃ち抜く精密さ 十方向へ同時に撃てる弾幕
狙って一人を仕留める発想 大勢をまとめて制圧する力

精密さを捨てて制圧力を取った。これがダブルマシンガンの作りです。一人の敵と正確に撃ち合う能力ではなく、複数の敵がいる戦場をまとめて制圧する能力。ここで体格も強さを支えています。フランクリンは身長219cm・体重225kgの巨漢で、旅団の中でも腕相撲のような純粋なパワーで上位に入る。撃ち返されても崩れない頑丈さが、撃ち続ける時間を支える。狙わなくていいぶん、体の地力で押し切れるのが大きな強みになります。

ヨークシンの掃討で差し出し、得たもの

ダブルマシンガンの作りがそのまま現れたのが、ヨークシン編のオークション襲撃です。

幻影旅団が会場を襲ったとき、フランクリンは両手から念弾を撒き、逃げ惑う大勢を一瞬で薙ぎ倒した。ここで彼が差し出したのは、やはり一人ずつ狙う精密さ。誰を撃つかを選んでいません。代わりに得たのは、会場という面をまとめて制圧する火力です。標的を選ばないからこそ、大人数を一度に消し飛ばせた。精密さを捨てた作りが、最も効く場面そのものでした。

威力の裏付けになるのが、同じ放出系のトチーノとの場面です。トチーノは自分の念人形を盾にしたものの、フランクリンの念弾はそれを貫通し、向こう側まで届く勢いを残していた。撃たれたトチーノ自身が、その貫通力に驚いています。念で固めた盾を抜いてなお殺傷力が残る。これは、指を切り落としてまで上げた一発の重さが、ただの誇張ではないことを示しています。差し出した指の代償が、ここで貫通力という形で返ってきている。

ダブルマシンガンが強い能力と言える理由

フランクリンの強さは、能力が派手だからではありません。精密さという、戦闘で価値が高そうなものをあえて手放し、そのぶんを威力と範囲に集中させた。引き算がはっきりしているぶん、得意な場面ではとても強い能力になっています。

一方で、この能力には向かない相手もいます。一人の念能力者と正面から読み合う戦いです。狙撃のような精密さを捨てている以上、すばやく動く単独の強者を確実に仕留める撃ち方ではない。多数を面で潰すことに振り切ったぶん、一対一の駆け引きでは持ち味を出しにくい。強さの理由と弱点が、同じ「精密さを差し出した」一点から出ているわけです。

念能力者が「何を差し出して何を得るか」で性格が決まる例として、フランクリンはとても分かりやすい。指を削るという目に見える代償と、面の制圧力という出力が、まっすぐ対応しています。自分に課す制限が念を強くするという考え方は、制約と誓約の話そのもの。フランクリンの指は、その理屈を体で示した例だと言えます。

同じ放出系でも、撃ち方の思想はまったく違います。たとえばレオリオは念を飛ばして離れた一点を殴る使い方をしていて、面ではなく一点に効かせる方向です。撃つ系統が同じでも、何を差し出すかでこれだけ別の能力になる。系統そのものの幅は、念の六系統を見ると整理しやすい。

まとめ

  • フランクリンの念能力「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」は放出系で、両手十本の指先から念弾を連射する
  • 系統は本編で明示が多くなく、「冨樫義博展 -PUZZLE-」の設定資料では放出系と強化系のちょうど中間とされる
  • 指を切り落とすのは発動に必須ではなかったが、威力を上げるため自分で選んだ代償で、一発ごとの破壊力を跳ね上げている
  • 一点を撃ち抜く精密さを差し出し、十方向へ同時に撃つ弾幕と、面で大勢を制圧する力を得た作り
  • ヨークシンのオークション襲撃やトチーノとの場面が、その「精密さを捨てて制圧力を取った」作りの裏付けになっている

念能力を「差し出したものと得たもの」で読むと、強さの理由も弱点も同じ場所から見えてきます。あわせて読みたい記事を置いておきます。

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