ベンジャミンは王室警護兵の名目で、各王子に私設兵を送った。そのうち39巻までに王子を守った場面を持つ兵は、1人もいない。
ビンセントはワブルの部屋で侍女を刺し、ムッセはカミーラ本人を撃った。残るバビマイナは、部屋を見張り続けています。3人を、送り先・描かれた働き・王子を守る場面・結末の4つで比べた。差が出たのは、手を出したかどうかだけでした。
※王位継承戦編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。
ベンジャミンが私設兵を各王子に送り込んだ仕組み
No.363 で、第1王子ベンジャミンは軍事最高副顧問の立場を使った。第4王子ツェリードニヒを除く各王子のもとへ、今いる王室警護兵と交代させて、自分の私設兵を送り込む。上位の王子も下位の王子も区別していない。
送られた兵の名目は、どの部屋でも王室警護兵です。命令には最初から条件が付いていました。敵が襲ってくるか、その意思を見せたら、防衛の権利として制圧し、殺してよい(→ バルサミルコはベンジャミン陣営の作戦を組む私設兵)。
守る名目と、殺してよい許可。この2つを持って、兵は各部屋に入っていく。
ビンセント・ムッセ・バビマイナの派遣先と結末
送り先の分かる兵は、ファンの資料を合わせると十数人。そのうち送り先での働きと結末まで描かれている3人を、同じ基準で比べます。
| ビンセント | ムッセ | バビマイナ | |
|---|---|---|---|
| 送り先 | 第14王子ワブル | 第2王子カミーラ | 第14王子ワブル |
| 描かれた働き | 侍女サンドラを刺殺 | 念獣で監視したのち王子を銃撃 | 円で部屋を監視 |
| 王子を守る場面 | なし | なし | なし |
| 39巻までの結末 | 服毒して自決 | 返り討ちで死亡 | 監視を続けている |
バビマイナは、ビンセントの後任としてワブルの部屋に入った兵。同じ部屋に続けて送られた2人なのに、働きはまったく違う。
3人に共通するのは、王子を守る場面が無いことだけでした。
ビンセントとムッセは、防衛の権利を名目に手を出した
ビンセントは交代で部屋に入ると、同じ No.363 のうちにワブルの部屋の侍女サンドラを刺している。暗殺の計画があったと言い立て、それを防衛の権利の名目にした。取り押さえられたあと、No.364 で毒を飲んで死にます(→ ビンセントとサイールドを分けたもの)。
ムッセはカミーラの部屋で、念獣を使って王子の動きを見張っていた。No.373 で、カミーラがベンジャミンに自分から挑むと口にする。ムッセは止めに入り、近づけば撃つと言って引き金を引いた。
カミーラは撃たれて死にます。そこで念能力「百万回生きた猫(ネコノナマエ)」が働いて生き返り、ムッセは返り討ちに遭った。ムッセの能力は、ベンジャミンの「星を継ぐもの(ベンジャミンバトン)」で主へ引き継がれています(→ ベンジャミンの念能力は補充が効かない)。
2人とも、命令にあった防衛の権利を名目にしている。ムッセは王子が兄を襲うと口にした場面で、条件どおりに撃った。ビンセントは、その条件を自分で作り出して刺した。
バビマイナが手を出していないのは、きっかけが来ていないから
手を出さなかった側の代表がバビマイナです。
No.364 でビンセントの後任に決まり、ワブルの部屋に入る。No.367 では円を広げ、部屋の中の動きを見張っている。警戒していたのはクラピカたち護衛で、のちにはチョウライ側から出向してきた兵にも目を向けています。
ムッセとの違いは、きっかけの有無にある。ムッセの前では、見張っていた王子が主を襲うと口にした。防衛の権利に当てはまる場面が、向こうから来たわけです。バビマイナの前では、39巻までにそういう場面が起きていない。
ビンセントは、きっかけを待たずに自分で作った側。バビマイナは、きっかけが来ないまま見張りを続けている側。手を出したかどうかの差は、兵の性格よりも、部屋で何が起きたかで分かれています。
ほかの兵も、多くは見張りと報告の側にいる。第11王子フウゲツに付いていたウショウヒは、のちに第8王子サレサレの部屋へ移った。そこで王子を暗殺している(→ リハンの念能力はなぜ48時間の空白を払うのか)。手を出したのは、きっかけをつかんだ数人に限られます。
王室警護兵の名目は、部屋に入るための肩書きだった
手を出した兵と出さなかった兵の差は、きっかけで説明がつく。それでも3人とも、王子を守る場面は持っていません。
名目が王室警護兵なので、送られた側の王子は入室を断りにくい。カミーラも兵を目の届かない所へ置かせただけで、部屋から追い出してはいない。一度入れば兵は見張りを続けられ、きっかけが来れば防衛の権利を名目に手を出せる。
俺の読みでは、この派遣は各王子の部屋に見張りを置くための名目づくりです。ビンセントもムッセもバビマイナも、最後まで肩書きの上では警護兵でした。肩書きは一度も書き換えられず、していることだけが部屋ごとに違った。
まとめ|ベンジャミンが各王子に送った私設兵は何をしていたか
- ベンジャミンは No.363 で、軍事最高副顧問として各王子の王室警護兵を自分の私設兵と交代させた。命令には防衛の権利による殺害の許可が付いていた
- ビンセント・ムッセ・バビマイナの3人とも、送り先の王子を守った場面は39巻まで描かれていない
- ビンセントは暗殺計画を言い立てて侍女を刺し、ムッセは王子が兄を襲うと口にした場面で撃った。どちらも防衛の権利を名目にしている
- 後任のバビマイナは円で部屋を見張り続けていて、手を出すきっかけの場面はまだ来ていない
- ほかの兵も多くは見張りと報告の側で、手を出したのはきっかけをつかんだ数人だけ
名目は護衛のまま、兵は見張る側と手を出す側に分かれていった。王子の部屋にいて王子を守らない兵が、送り先の部屋ごとに置かれていたことになります。
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