強さを決めているのは情報の量ではない。当てる精度のほうだ。
第1王子ベンジャミン=ホイコーロの私設兵リハン。その念能力が「異邦人(プレデター)」です。相手の能力を先に言い当てるほど、強い天敵が育つ。系統は具現化系。
払うものは重い。捕食が成功すると、そのあと48時間は念が一切使えなくなります。
※王位継承戦編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。
リハンの念能力・異邦人(プレデター)は何をする発か
リハンがターゲットを1人決めて発動すると、術者の体内で異邦人(プレデター)が育ちはじめる。育つのは、ターゲットの能力の天敵にあたる念獣です。
育ち方を決めるのは、リハン自身の解析。ターゲットの能力についての理解が正しいほど、その能力を上回る捕食者になるとされています。読み違えれば、育つものも弱い。
具現化系の発でありながら、リハンが作っているのは武器でも道具でもない。相手の能力に合わせた天敵の形を、自分の推測から起こしている。
異邦人(プレデター)は情報を集めるほど強くならない
普通に読めば、相手を調べれば調べるほど強くなる能力に見える。ところが、そうではない。俺がこの能力を面白いと思うのは、ここです。
威力が上がるのは、ターゲットの能力を未知の状態で正しく予想したとき。効いてくるのは情報の量ではなく、推測の精度です。材料が少ないまま当てにいって、それが当たっているほど強い天敵になる。
もう一段、細かく読めます。単独で分析した情報でないと効きが落ちる、とも言われている。これが本編のコマの文言なのかまでは取れません。ただ、そう読めるなら、答えを先に教わることがそのまま損になります。
実際に、第11王子フウゲツの守護霊獣の能力は、ウショウヒが電話でリハンに説明してしまいます(No.381)。情報は手間ゼロで入った。ただしその瞬間、その能力はもう「未知」ではない(→ 2人セゾンと秘密の扉)。
味方から情報が入るのはありがたいこと。リハンだけは違う。
48時間の空白と引き換えに手に入るもの
| 払うもの | 場面 | 返ってくるもの |
|---|---|---|
| 捕食の成功後、48時間すべての念が使えない | サレサレの守護霊獣を食べた直後 | 相手1人ぶんの能力への天敵 |
| ターゲットを決めてから発動までの観察 | No.381「捕食」の前に挟まれた監視と解析 | 解析の精度 |
| 自力で当てるという縛り | フウゲツの守護霊獣の能力を電話で伝えられた場面 | 当てたときだけ上回る形になる |
3つに共通するのは、殴り合いの最中には払えないことです。観察は戦う前、48時間の空白は戦ったあと、縛りはいつでもかかっている。どれも、目の前の相手と向き合っている最中には用意できない。
しかも48時間の念封じは、本人が無防備になる時間でもある。継承戦は船の中で同時に進んでいます。2日間も念が使えない兵を前線には置けない。
サレサレの守護霊獣を食べた1件で、リハンが払ったもの
はっきり捕食が描かれたのは、No.381「捕食」の第8王子サレサレの守護霊獣です。
リハンはもともとサレサレの監視に付いていた。その守護霊獣がどう働くのかを見極めたうえで発動したとされています。相手がどういう能力なのかを推測し、それを上回る天敵を育てる。かけた時間の長さまでは、はっきりした数字が取れません。
そして食べたあとに48時間の空白が来る。得たのは王子1人ぶんの守護霊獣。払ったのは、見極めにかけた時間と、そのあと2日間の念です。
No.388「思案」では、次に誰を狙うかをリハンが延々と考えている。1ページが丸ごと文字で埋まるほどの長考。ここで払っているのは時間だけで、まだ何も返ってきていません。
払ってから返ってくるまでの間隔が長い。これがこの能力の性格です。
リハンが前線ではなく監視の側にいる理由
ベンジャミン陣営は、15人の枠を全員私設兵で固めています(→ 王位継承戦の人数の上限は15人)。継承戦の開始時点で、他の王子を引き離す戦力を持っていたとされています。
そのなかでリハンが置かれていたのは、第8王子サレサレの監視。サレサレの守護霊獣を食べたあとは、第5王子ツベッパの側へ回されています。どちらも前線ではない。
払うものを一つずつ数えると、この配置になる理由が分かります。
見極めに時間をかけ、当てて、食べて、そのあと2日間動けない。この手順は乱戦では間に合いません。相手が目の前にいてすぐ殴ってくる場面では、見極めの時間そのものが取れない。
逆に、船の中で誰か1人を見張り続ける役目なら成立します。時間はいくらでもあるし、ターゲットも1人に絞れる。48時間の空白も、後方なら問題になりにくい。
No.388 のあと、リハンは誰を狙うのか
No.388 の長考でリハンが挙げていたのは、ハルケンブルグ・クラピカ・ツベッパといった相手だとされています。このうち誰を食べたのかは、39巻までの範囲でははっきりしません。
2回目の捕食が描かれていないぶん、この能力の設計を1件から言い切るのは危うい。それでも、払うものが3つとも戦闘の外に寄せてあるのは確かです。異邦人(プレデター)は、戦場ではなくその手前で使うように作られている。
まとめ|異邦人(プレデター)は当てた分だけ効く
- リハンの異邦人(プレデター)は具現化系。ターゲットの能力の天敵となる念獣を、術者の体内で育てる発
- 育ち方を決めるのは情報の量ではなく解析の正しさ。未知の状態で正しく予想するほど強い天敵になる
- 単独で分析した情報でないと効きが落ちるとも言われており、そう読めるなら答えを教わることが損になる
- 払うのは、見極めにかける時間・捕食の成功後48時間の念封じ・自力で当てるという縛りの3つ。どれも殴り合いの最中には払えない
- はっきり捕食が描かれたのは No.381 のサレサレの守護霊獣。この能力は戦場の手前で使う形に寄せてある
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- 2人セゾンと秘密の扉 — 電話で能力が伝えられた側の双子
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