ハンターズガイドと本編の食い違い|資料が止まったのは2004年

『HUNTER×HUNTER ハンター協会公式発行 ハンターズ・ガイド』に並ぶ数字を置くと、マハ=ゾルディックとゼノの年齢差は31歳。祖父と孫としては詰まりすぎです。

こうした食い違いを「公式なのに間違っている」と受け取ると、話がそこで終わる。差を生むのは公式かどうかではない。その資料の中身がいつの時点で止まったかだ。本編・ハンターズガイド・冨樫義博展の設定資料を、同じ3つの基準で比べます。

※ヨークシン編・キメラアント編・王位継承戦編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

本編・ハンターズガイド・冨樫展を同じ基準で比べる

基準 本編(連載) ハンターズガイド 冨樫義博展の設定資料
誰が出したものか 冨樫が描いた連載そのもの 集英社が作者名義で出した本 冨樫のメモをもとに作られた念能力の設定資料
中身が止まった時点 連載が進むごとに更新される 2004年6月で止まる 展示で公開された時点で止まる
他と食い違ったとき何が答えになるか 本編そのものが答え 本編が優先される 本編に名指しがなければ答えが決まらない

ハンター協会が出したという、作中の設定を借りた本。キャラクターのデータや世界の設定がまとまっています。以下はハンターズガイドと書く。

出どころだけを見ると、3つとも作者か出版社が関わっていて差が付かない。割れるのは、中身がどの時点のものかを入れたときからだ。

資料が止まったのは2004年6月

ハンターズガイドが出たのは2004年6月。本編はそのあとも進み続けています。

キメラアント編は資料より前に始まっていました。それでも決着まで描かれたのはずっと後だ。王位継承戦にいたっては、資料のおよそ8年あとに始まっている。

食い違いの多くは、本編がその資料より先へ進んだぶんとして説明が付く。

ゴンの人格評価がその例だ。ガイドでは闇がゼロと評されている。キメラアント編でゴンが見せた姿は、この資料が書かれた時点には無かった(ゴンのその後は → ゴンの念能力は本当に消えた?)。

年齢の数字も同じように読めます。作中で何年経ったかは本編から数えられる。更新されていない資料の数字と突き合わせれば、ずれる(経過年の数え方は → ハンターハンターは作中で何年経ったのか)。

マハとゼノの続柄そのものも動いた。当初はキルアの曾祖父とされ、のちに高祖父へ変わっています。年齢差の詰まり方は、この揺れとも重なる。

ハンターズガイドと冨樫展で答えが割れる設定もある

資料どうしを突き合わせると、また別の差が出ます。ゼノとシルバの系統は、資料によって扱いが違う。ハンターズガイドでは変化系、冨樫義博展で公開された設定資料では放出系とされています。冨樫展の資料は、メルエムの系統をめぐる検証でも使われた(そちらの結論は → メルエムの念能力は特質系じゃない?)。

どちらも作者に由来する資料なのに、答えが割れている。本編で名指しされていない設定は、この時点でどちらも答えにならない(一族の系統の扱いは → ゾルディック家の念能力まとめ)。

系統は、本編で名指しされる人物とされない人物が混ざっている設定だ。名指しのある側は資料を待たずに決まります。無い側は、資料が割れた時点で決まらないままだ(決まり方は → 念能力の六系統とは?)。

ヒソカの身長も割れ方としては近い。ガイドの数字は187cm。ファンの間では、作中の描写から190cm以上ではないかという説があります。

更新される本編と、固定される資料

本編と資料の違いは、正しさよりも作りにある。本編は連載が進むたびに書き足される。資料は作られた時点の中身を写して、そこで固定されます。片方だけが動くのだから、時間が経つほど離れていくのは避けられない。

ハンターズガイドを「間違いの多い本」として扱うのは、俺には違って見えます。20年以上前に、その時点の本編をまとめた資料。そう読めば、食い違いが指摘されているのはここまでに挙げた一部の項目だ。肩書きの数え方などは、この本にまとまっている項目のおかげで分かりやすくなりました(→ ハンターの種類は数えられない)。

固定される側であることは、冨樫義博展の資料も変わりません。公開された時点までの設定を写したもの。その先で本編が動けば、同じずれが生まれます。

まとめ|公式資料と本編の付き合い方

  • ハンターズガイドの数字には、マハとゼノの年齢差やヒソカの身長など、本編の描写と合わないと指摘される点がある
  • 3つの出どころを比べると「誰が出したものか」では差が付かない。割れるのは「中身が止まった時点」からだ
  • ハンターズガイドは2004年6月で止まっていて、王位継承戦が始まるのはその約8年後の2012年だ
  • ゼノとシルバの系統は、ハンターズガイドでは変化系、冨樫義博展の設定資料では放出系とされている
  • 本編で名指しされていない設定は、資料どうしが割れた時点でどちらも答えにならない

正しさを決めているのは、公式かどうかではない。その資料が本編のどこまでを取り込んでいるかだ。止まった時点さえ押さえておけば、食い違いは無理なく読み解けます。本編がその資料より先へ進んだぶん、と読めばいい。

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