クラピカとビノールトは、どちらも賞金首(ブラックリスト)ハンター。それなのに、クラピカの鎖は旅団にしか使えず、ビノールトのハサミは相手を選ばない。専門が同じでも、念能力の作りはそろっていません。
専門と念能力の両方が分かる9人で見ても、能力の中身か条件に専門の相手や分野が出てくるのは、ミザイストム・クラピカ・センリツの3人。弓や籠のように、どの獲物にも使える道具はこの3人に入りません。
※ハンター試験編から王位継承戦編までの内容に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。
ハンターの専門は念能力に出るか|9人の専門と能力
次の表は、9人を能力の作りで3つに分けたもの。
| 人物 | 専門 | 念能力 | 能力の作り |
|---|---|---|---|
| ミザイストム | クライム(犯罪)ハンター | 密室裁判(クロスゲーム) | 専門を名指し |
| クラピカ | 賞金首(ブラックリスト)ハンター | 束縛する中指の鎖(チェーンジェイル) | 専門を名指し |
| センリツ | 音楽(ミュージック)ハンター | 心音を聴く耳とフルートの演奏 | 専門を名指し |
| ポックル | 幻獣ハンター | 七色弓箭(レインボウ) | 狩りの道具の形 |
| シュート | UMAハンター | 暗い宿(ホテル・ラフレシア) | 狩りの道具の形 |
| ビノールト | 賞金首ハンター | 切り裂き美容師(シザーハンズ) | 関係のない形 |
| ビスケ | ストーンハンター | 魔法美容師(マジカルエステ) | 関係のない形 |
| モラウ | シーハンター | 紫煙拳(ディープパープル) | 関係のない形 |
| ナックル | ビーストハンター | 天上不知唯我独損(ハコワレ) | 関係のない形 |
肩書きそのものの分け方は、ハンターの種類で追う対象ごとに整理しています。
表の分かれ目は、能力が専門を名指ししているか。もう1つ、同じ専門なら能力の作りもそろうのかが、ビノールトのところで問題になります。
専門を名指しした3人|裁判の手順・旅団・音
3人の代表はミザイストム。クライムハンターで、密室裁判では3色のカードを相手に示して行動を縛ります。青が入廷、黄が拘束、赤が退席。
警告を宣言し、カードを見せ、破った者を押さえる。罪を問う手順が、そのまま能力の条件になっている(→ ミザイストムの念能力)。
クラピカの束縛する中指の鎖は、幻影旅団にしか使えない。旅団以外に使えば命を落とす誓約がかかっています。追う相手は、能力の条件の段階で旅団に決まっている(→ クラピカの念能力)。
センリツは音楽(ミュージック)ハンター。心音から嘘や感情を聴き取る耳と、フルートの演奏で戦わずに場を整える。扱う分野の音そのものが、能力の材料です(→ センリツの念能力)。
ただ、3人の結びつき方は同じ強さではありません。相手そのものを条件に書いたのはクラピカだけ。ミザイストムは裁く手順を、センリツは音楽という分野を、能力の中身に借りています。
ミザイストムの密室裁判も、使う相手は選ばない。それでもこちらの側に入るのは、入廷・拘束・退席という裁判の手順そのものが能力の条件になっているからです。道具を持っているだけではなく、仕事の進め方が能力に書き込まれている。
宝石・海・獣を追う3人の能力は、専門と関係のない形
反対の側にいるのが、ビスケ・モラウ・ナックル。
ビスケはストーンハンター。魔法美容師は、助手のクッキィちゃんで相手の体を整える能力。宝石を探す働きはない。
モラウはシーハンターで、紫煙拳ではキセルの煙を自在に操ります。煙人形を出す紫煙機兵隊もその技の1つで、海の仕事を指す条件は付いていない(→ モラウの念能力)。
ナックルはビーストハンター。ハコワレは、殴って貸したオーラに利息を付け、上限を超えた相手を強制的な絶に追い込む。相手が獣か人かは問いません(→ ナックルの念能力)。
3人とも、能力の中身にも条件にも専門の相手が出てこない。ビノールトを入れて4人で、表の3つの作りの中ではいちばん多い。
例外① 狩りの道具の作りでも、獲物は名指ししない
弓と籠は、専門の仕事に使える作りをしている。それでも、専門を名指しする能力とは別物です。2人とも、ミザイストムのように仕事の手順が条件になっているわけではない。
ポックル|幻獣ハンターの弓
分類に収まりにくいのがポックル。幻獣ハンターで、七色弓箭は2本の指の間にオーラの弦を張って弓にする能力です。ハンター試験でも、弓矢で獲物を狩っていた(→ ポックル)。
狩りに使う道具なので、ビスケやナックルと同じ「関係のない形」には入れにくい。
それでも、弓が狙うのは幻獣に限らない。射る相手を決める条件がなく、名指しの3人にも入りません。
シュート|UMAハンターの籠
ナックルと同じモラウ門下のシュートは、UMAハンター。暗い宿は、ダメージを与えた相手の体を籠に閉じ込める(→ シュートの念能力)。
捕まえて閉じ込める作りは、未確認の生き物を追う仕事に近い。ただ、籠に入れる相手は選んでいない。
閉じ込める条件は、ダメージを与えたこと。相手がUMAかどうかは条件に出てこない。捕まえる道具は持っていても、追う相手を決める条件はないので、ミザイストムたち3人の側には入りません。
例外② ビノールトは、クラピカと同じ専門なのに能力の作りがそろわない
もう1つの例外は、ビノールト。ビスケは彼を「賞金首(ブラックリスト)ハンター」と呼んでいて、肩書きはクラピカと同じです。
ところが、切り裂き美容師はハサミで切った髪を食べ、相手の体の情報を読む能力。追う相手を決める条件はありません(→ ビノールト)。
ビノールト1人なら、関係のない形の側に入るだけ。分類からはみ出すのは、同じ専門のクラピカと比べたときです。
同じ賞金首ハンターでも、クラピカは能力の条件で相手を旅団に絞り、ビノールトは絞っていない。専門の名前が同じでも、能力の作りはそろわない。
専門の名前は、念能力の形までは決めていない
ビノールトとクラピカの違いを見ると、能力の作りを決めたのは専門の名前ではなかったことになる。クラピカの鎖が旅団を向くのは、賞金首ハンターだからではなく、旅団を追うと決めていたからだと読めます。
この3人の中でも、相手まで条件に書いたのはクラピカだけでした。ミザイストムの手順やセンリツの音は、仕事の分野を借りたところまでで、裁く相手や聴く相手は決めていない。
専門の肩書きが同じでも、能力者は自分の目的に合わせて能力を作っている、と考えられます。俺はクラピカの例をこう読みます。専門と能力がいちばん強く重なるのは、狙う相手を先に決めてから能力を作った人です。
まとめ|ハンターの専門と念能力
- 専門と念能力の両方が分かる9人のうち、能力が専門の相手や分野を名指ししているのはミザイストム・クラピカ・センリツの3人
- ストーンのビスケ、シーのモラウ、ビーストのナックルの能力は、専門と関係がない
- ポックルの弓とシュートの籠は、狩りの道具の作りでも獲物を名指ししない
- ビノールトは、クラピカと同じ賞金首ハンターなのに、能力の条件で相手を絞っていない
- 相手まで条件に書いたのはクラピカだけ。専門の肩書きより、本人の狙う相手が能力の作りに出ている
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