ジンの念能力と系統|レオリオの技とウサメーンの遊びで見せた強さ

ジンの能力を見るために仕組まれた襲撃で、ジンが使ったのはレオリオの技でした。なぜ自分の発を使わなかったのか。トレースについて聞かれたジンの答えは、打撃系なら一回くらえば大体マネできる、ただの才能だというもの。

ジンの系統も発の名前も、本編では名指しされていない。強さの評判は、ビスケがネテロから聞いた話として伝えています。念能力者として世界で5本の指に入る、と。

ジンの念が見える場面を拾うと、他人の技や遊びを使う場面と、人の手に渡る物を作った場面がほとんど。冨樫はジンの強さを、他人のものを扱う出来で見せているように読めます。

※8巻でゴンが受け取るジンの箱から、会長選挙編のあと(33巻)までのジンの場面に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ジンの念能力でいちばん描かれたのは、レオリオから受けて写した技

31巻の会長選挙で、レオリオは離れた机の上にオーラの拳を出し、ジンを殴った。

33巻のNo.347で、ジンはこの技を自分で使う。パリストンと一緒にいたところを、傭兵隊長ミュヘルの部下に襲われた場面。ジンは最初の3人を倒し、壁の向こうにいた2人も倒しました。

壁の向こうの2人は、オーラを飛ばしてエコー検査の代わりにして見つけた。同じ襲撃の中で、写した技を攻撃と探りの2通りに使ったことになる。探りの使い方は、レオリオが見せていないものです。

同じ回で、ジンはレオリオの技を評しています。医者志望のレオリオが、触診と打診を試行錯誤した結果の能力だという見立て(→ レオリオの念能力は”医者の念”)。

パリストンに、他人の能力をトレースできるのかと聞かれたジンの答えがこれ。

「打撃系の能力は一回くらうと大体マネできちまうんだ ま、ただの才能だな」

襲撃は、ジンの能力を見るためにパリストンが打たせた芝居でした。ジンはそれを見抜き、能力が見たければ自分でかかってこい、とも返している。

本人の言い方では、写せるのは能力ではなく才能の話。使ったのはレオリオの発で、ジンが自分で作った発ではありません。能力を見ようとする相手の前で、ジンが出したのは他人の技のほうでした。

イボクリはもともとウサメーンが得意にしていた遊び

33巻で、ジンはパリストンたちのアジトに現れる。No.346では、そこにいた面々にオーラを使った手遊び「イボクリ」を見せています。

イボクリに自信を持っていたのは、アジトの一員のウサメーン。ジンの腕前を見て、すっかり自信をなくしている。

イボクリは遊びの名前で、発の名前ではありません。ジンが持ち込んだ遊びでもない。ウサメーンが得意にしていた遊びで上を行き、オーラを扱う細かさを見せています。

俺が面白いと思うのは、No.347の襲撃と同じ形になっているところ。レオリオの技もウサメーンの遊びも、ジンは持ち主より上手に使ってみせる。

ゴンに残した箱とテープ、グリードアイランドはジン本人が戦わない念

8巻で、くじら島に戻ったゴンは、ジンが預けていた箱を受け取る。念を込めると外箱が砕け、中の箱はハンターライセンスで開く作り。中身はカセットテープ、メモリーカード、指輪の3つでした(→ ジンは父親失格か)。

テープに録音されていたのは、ジンの声。ゴンが途中で再生を止めると、テープは自分で巻き戻り、上書きされて消えてしまう。念による仕掛けです。

メモリーカードは、ゲーム「グリードアイランド」のもの。ジンは製作者11人の責任者で、ゲームマスターの筆頭です(→ グリードアイランドの製作者は11人)。

箱とテープは、念とハンターライセンスをそろえたゴンにしか開けられない贈り物。グリードアイランドは11人で作ったゲームで、どこまでがジンの念かは分けられません。どちらも、ジンのいない場所で他人が使う物で、ジン本人が戦う場面にはなっていない。

ウサメーンに拳を向けた場面は、他人の技も遊びも使っていない

ここまでの場面の例外になるのが、ジンがアジトに来たときの揉め事です。ウサメーンはジンに食ってかかった。ジンが拳を向けると、ウサメーンは何発も殴られるイメージを見ます。

これが念の能力なのか、力の差からくる錯覚なのか。本編では説明されていません。ファンのあいだでも、念の技とみる読み方と、ウサメーンの心の動きとみる読み方に分かれている。

この場面には、他人の技も遊びも、人に渡す物も出てこない。他人のものを使わずにジンの力が相手へ向いたのは、拾った場面の中でここだけです。そのただ1つの場面が、念かどうかも伏せられたまま置かれている。

ジンの念能力が見える5つの場面と、念を使った対象

33巻までにジンの念が見える場面を拾うと、5つになる。No.347の襲撃は、攻撃と探りをまとめて1つに数えました。

場面 念を使った対象 対象と他人の関わり
No.347の襲撃 離れた場所に拳を出す技と、それを探りに使う形 レオリオの技を写したもの
イボクリ オーラを使った手遊び ウサメーンが得意にしていた遊び
箱とテープ 念で開く箱・止めると消えるテープ ゴンに渡した物
グリードアイランド ゲーム 11人で作り、遊ぶ人が使う物
ウサメーンとの揉め事 向けた拳 他人のものは関わらない

5つとも、系統を名指しする台詞も発の名前も出てきません。

ウサメーンの場面を除く4つは、2つの組に分かれます。他人の技や遊びを使う場面と、他人が使う物を作った場面。どちらの組でも、ジンの腕前は他人のものを通して見えている。

レオリオの技は、探りの使い方まで広がった。ウサメーンは、自分の得意な遊びで上を行かれている。箱とゲームは、ジンがいない場所で受け取った側が使っています。

冨樫がジンの系統と発を伏せたまま強さを見せる理由

発を名指ししないでおけば、ジンの強さは上限が決まらない。そのうえで、他人の技を扱う出来によって、評判に中身が付いていく。冨樫がジンの発を伏せている理由は、ここにあると考えられます。

根拠はジン自身の台詞です。打撃系の技は一回受ければ大体写せる、とジンは言っていた。その言葉どおりなら、相手の技が多いほど使える技も増える。発が1つ明かされれば、今度はその発の強さがジンの強さの目安になってしまいます。

念が描かれない人物なら、ジンの周りにもう1人いる。パリストンは、念の場面そのものが本編に出てこない(→ パリストンの念能力が描かれない設計)。ジンは念の場面が多く、発だけが名指しされない。同じ伏せ方には見えません。

5本の指という評判も、具体的な能力で測られないまま残っている。ジンの強さを伝えているのは、他人の技と遊びを扱う出来のほうです。

まとめ|ジンの念能力は他人のものを扱う出来で描かれる

  • ジンの系統と発の名前は、33巻までの場面では名指しされていない。強さの評判は、ビスケがネテロの言葉として伝えている
  • 念がいちばん描かれたのはNo.347の襲撃。レオリオから受けた技を写し、攻撃と探りの2通りに使った
  • イボクリはウサメーンが得意にしていた遊び。箱とテープ、11人で作ったグリードアイランドは、ジンのいない場所で他人が使う物
  • ウサメーンに拳を向けた場面だけは他人のものを使わず、念なのか錯覚なのかも説明されていない
  • 発を名指ししないことで、ジンの強さは上限が決まらないまま、他人のものを扱う出来で伝わっている

ジンが地位や目的をどう扱う人物かは、ジンの目的は”探すこと”そのもの で追っています。ゴンに残したものの渡し方は、カイトはジンの弟子 でカイトと比べました。ジンが自分の発を使う場面が来るかどうか。そこが、俺がジンの念能力でいちばん待っているところです。

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