ゾルディック家編は6話で終わります。キメラアント編は133話。同じ「編」なのに20倍以上の差がある。
本編連載の9編のうち、長いほうから3編だけで既刊410話の約3分の2を占めます。この作品が長いという印象は、この3編が作っている。
なかでもキメラアント編は1編で既刊の3割を超える。しかも中身は偏っている。王宮へ突入してからの58話だけで、ヨークシン編1編より長い。
※全編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。編の区切りは本編に明示がないので、まとめ資料のあいだで話数まで一致している9編を使います(0巻の読切は数えません)。
9編の話数一覧|最長133話・最短6話
| 編 | 話数 | 巻 |
|---|---|---|
| キメラ=アント編 | 133話 | 18〜30巻 |
| 暗黒大陸・王位継承編 | 71話(既刊分) | 32〜39巻 |
| グリードアイランド編 | 66話 | 13〜18巻 |
| ヨークシン編 | 49話 | 8〜13巻 |
| ハンター試験編 | 37話 | 1〜5巻 |
| 会長選挙・アルカ編 | 21話 | 30〜32巻 |
| 天空闘技場編 | 20話 | 5〜7巻 |
| くじら島への里帰り | 7話 | 8巻 |
| ゾルディック家編 | 6話 | 5巻 |
上位3編の合計は270話。既刊410話に対して約3分の2にあたります。キメラアント編だけで3割を超える。
話数で仕分けると、はっきり切れるのは1か所だけ
いちばん上の133話を別にすると、隣どうしの差はどこも17話以内に収まる。71話と66話は5話違い、66話と49話は17話違い。
ところが133話と71話のあいだだけ、62話も離れている。2番目に大きい差の3.6倍だ。ここだけは、どんな分け方をしても同じ位置で分かれます。
それ以外の差は小さい。49話と66話の17話差は、21話と37話の16話差とほとんど変わらない。だから「短い編」「中くらいの編」と3つに分ける境目は、決め方で動きます。
確実なのは2つ。キメラアント編は1編だけ別格に長い。そして残り8編は、6話から71話までなだらかにつながっている。
では、両端の2編は話数を何に使っているのか。
キメラアント編の133話は、後半に寄っている
編が始まるのは No.186。王宮へ突入する No.261「突入①」まで75話あります。そこから編の終わり No.318「遺言」までが58話。後半の58話だけで、ヨークシン編1編(49話)より長い。
つまり133話の4割強が、突入したあとに使われている。NGLでの発見も、女王の出産も、討伐隊の結成も、蟻の勢力が広がる過程も、すべて前半の75話に収まっているわけだ。
もっとも、後半の58話がすべて王宮の戦闘というわけではありません。終盤にはキルア側の場面も入る。それでも1つの建物への突入から編の終わりまでに、ほかの編1つぶんの話数が充てられている(→ キメラアント編の勝因は作戦にある)。
133話を伸ばしているのは、出来事の数ではない。1つの山場に話数が集まったことのほうだ。
ゾルディック家編は、6話で用件を済ませている
短いほうは No.038 から No.043 までの6話です。
会いに行くと決め、試しの門に挑み、開かないので特訓を始める。執事見習いと対決し、キルアが父から家を出る許可を得て、最後に執事がゲームを持ちかける。編はこれで終わり。
キルアが家を出られたのは、父と話がついたからです。門に費やした話数は、そのまま解放につながっていない。
会いに行って連れ出すまでを、6話に収めている。同じ「行って、ぶつかって、決着する」を133話かける編もあれば、6話で終える編もある。
71話という値は、まだ確定していない
9編のうち、話数をそのまま受け取れない編が2つあります。ひとつが2位の暗黒大陸・王位継承編だ。
この71話は既刊39巻までで数えた値で、連載はまだ続いています。単行本が出るたびに増えるので、ほかの8編と同じ確定値としては扱えない。
いま3位のグリードアイランド編とは5話差しかありません。順位が下がることはないとしても、「2位が71話」という値は今だけのものだ。上位3編で3分の2という割合も、この編が伸びれば上がります。
ヨークシン編は、数え方で49話にも57話にもなる
もうひとつが4位のヨークシン編です。
49話は編の区切りで数えた値。一方、各話の題名に入っている日付で数えると57話になります(→ ヨークシン編は何日間?)。日付の題名は次の編にかかる巻まで続くので、どこで切るかで8話ずれる。
区切りを動かすと、隣の編も一緒に動きます。境目より後ろがグリードアイランド編に回るので、66話ではなく57話になる。ヨークシン編と3位タイだ。
上位3編の合計も270話から261話へ下がります。編の区切りは本編に書かれていないので、こういう揺れは消せません。
この2編を見ると、9編の話数には性質の違うものが混ざっていると分かります。確定した編と、増え続ける編と、数え方で変わる編。しかも1つの境目をずらせば、隣り合う編の話数もつられて変わる。それでも133話と6話の開きは、どの数え方でも残ります。
編の長さを決めるのは、扱った出来事の数ではない。山場にどれだけ話数を充てたかです。キメラアント編で増えたのは、1つの攻防をどこまで刻むかのほうだ。ハンターハンターが長いという読者の感覚も、9編ぜんぶではなく、この1編から来ている(→ ハンターハンターの主人公交代はヨークシン編で起きていた)。
まとめ|ハンターハンターの編ごとの話数
- 本編連載の9編では、最短がゾルディック家編の6話、最長がキメラアント編の133話で約22倍の開きがある
- 長いほうから3編(キメラアント編133話・王位継承編71話・グリードアイランド編66話)で既刊410話の約3分の2
- 値がはっきり切れているのは133話と71話のあいだの1か所だけ。残り8編は6話から71話までなだらかにつながる
- キメラアント編は王宮へ突入してからの58話がヨークシン編1編より長く、133話の4割強が突入後に使われている
- 71話の王位継承編は連載中で増え続け、49話のヨークシン編は数え方しだいで57話になる
9編の話数には、確定していないものも混ざります。それでも、6話で済む編と133話かかる編が同じ「編」として並んでいることは動かない。その差を作っているのは事件の規模ではなく、決着にどれだけ話数を充てたかでした。
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