ハンターハンターで、決着まで描かれた一騎打ちのうちいちばん長いのはどれか。話数で数えるとネテロ対メルエムで、11話かかっています。
いっぽうヒソカ対クロロは6〜7話、クラピカ対ウボォーギンは4話。3倍近い開きを作っていたのは、相手の強さではなかった。同じ回に別の戦いが描かれていたかどうかです。見るのは舞台・並行する戦い・決着の決め手の3点。この基準で3つの戦いを比べます。
※天空闘技場編・ヨークシン編・グリードアイランド編・キメラアント編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。なお話数とサブタイトルは公式の目次で確かめられます。ただし、どの話で戦いが始まり終わるかは資料の側から数えたものです。
決着まで11話かかった一騎打ち|ネテロ対メルエム
ネテロ対メルエムは No.288「賞賛」で始まり、No.298「薔薇」で決着する。11話ぶん。ただしこの11話が、ずっと2人の殴り合いで埋まっているわけではありません。
- No.289 はほぼ全編がユピー対モラウとナックル
- No.293・294 はキルア対パーム
- No.295・296 にはイカルゴ対ウェルフィンが入る(295 にはナックル対プフや、ゴンとピトーの場面も重なる)
ネテロとメルエムが向き合っているあいだ、王宮では別の戦いが同時に進んでいる。ページをそちらに使った回のほうが多い(→ キメラアント編の勝因は作戦にある)。11話という数字が測っているのは、2人の殴り合いの長さではなさそうだ。
舞台が1か所に閉じた一対一は、相手が誰でも短い
同じキメラアント編を離れると、様子が変わる。ヒソカ対クロロは No.351 から No.357。天空闘技場のリングから場面が動かず、別の戦いも入らない。6〜7話で決着します(→ ヒソカvsクロロはどっちが強い?)。
ここで言う一対一は、対戦している人物が2人だという意味です。クロロは盗んだ能力でコピー人形を大量に動かすので、純粋な殴り合いではない。それでも描かれる場所は闘技場から動きません。
クラピカ対ウボォーギンは No.081 から No.084 の4話。荒野に2人だけで、仲間は街で旅団を捜している最中です(→ ウボォーギンの念能力ビッグバンインパクト)。もっと短い例もある。ヒソカ対カストロは2〜3話、天空闘技場200階のゴン対ヒソカは3話で終わります。
相手の顔ぶれはばらばら。ウボォーギンは旅団の腕相撲で1位の強化系。クロロは団長で、他人から盗んだ能力を本に溜めて使い分けます。それでも閉じた場所の一対一は、2話から7話のあいだに収まっている。
話数は11話・6〜7話・4話と3倍近く開く
長い側と短い側を、同じ基準で比較します。
| ネテロ対メルエム | ヒソカ対クロロ | クラピカ対ウボォーギン | |
|---|---|---|---|
| 決着までの話数 | No.288〜298(11話) | No.351〜357(6〜7話) | No.081〜084(4話) |
| 舞台 | 王宮全体 | 天空闘技場の一室 | ヨークシン郊外の荒野 |
| 同じ回に描かれる別の戦い | あり | なし | なし |
| 決着の決め手 | 自分の心臓を止めて貧者の薔薇を起爆 | コピー人形の物量と爆破 | 律する小指の鎖で心臓を貫く |
決め手はどれも違う形だ。自爆・物量・拘束で、共通点がない。決め手に差はあっても、話数の長短とは対応していません。
長短と一緒に動いていたのは、下から2番目の基準だけでした。
差を作ったのは、同じ回に別の戦いが描かれていたかどうか
11話と4話の開きは、およそ3倍。この差に対応しているのは、並行する戦いの有無です。
ネテロ対メルエムの11話には王宮の他の戦いが入り込み、そのぶん決着までの話数が伸びる。ヒソカ対クロロとクラピカ対ウボォーギンには、入り込む相手がいない。戦いの進み方がそのまま話数になります。
ただし同時に描かれれば必ず長くなるわけでもない。モラウ対ヂートゥは No.245 から No.248 の4話。この最中にも軍儀の場面やノヴ対レオルが挟まります(→ ヂートゥの念能力は速さを活かせていない)。並行があっても4話で終わる戦いはある。
同時進行は長さの条件であって、長さを保証するものではないようです。
人数が増えると、並行が無くても長くなる
一対一から外れると、この見方は当てはまらなくなる。グリードアイランドのドッジボールは No.161 から No.168 の8話。この8話は「対決④」から「対決⑪」まで連番で続き、間にゲンスルー組の場面は挟まりません。
会場もコートの1か所から動かない。並行が無いのに、閉じた一対一のどれよりも長い(→ グリードアイランドの攻略に念が要る理由)。
理由は分かりやすい。8対8なので1話のうちに動く人物が多く、ゴンとレイザーだけを追っていられないからです。
この例外は「並行」の中身を言い直しているように見えます。別の戦いが挟まるのも、味方が8人いるのも、ゴンに使えるページが減る点では同じ。長さを伸ばしているのは中断そのものではなく、1人あたりのページの少なさのほうだ。俺はそう読んでいます。
相手の強さではなく、同時に進んでいる数が話数を決める
3つの戦いを比べて残ったのは、こういう形でした。
強い相手ほど長くなるわけではない。クロロは旅団の団長で、ウボォーギンは団内でも腕力で知られた強化系。どちらの戦いも7話以内で終わっています。
決着が付きにくいから長引くのでもない。ネテロ対メルエムは、始まった時点でネテロが自爆の手段を体内に持っています。
長くなる条件になっていたのは、同じ回に何人ぶんの戦いを描いているか。一対一が1か所に閉じているあいだは、相手が誰であろうと2話から7話で終わる。
ナックル・シュート・モラウ対ユピーやモラウ対プフが、およそ24話・およそ15話に届く。これも王宮の戦いが丸ごと動いているからです(→ モラウの念能力は“戦場ごと作り替える”)。
ここには、キメラアント編が長くなった理由の一つもありそうだ。編そのものの話数が飛び抜けているのは、王宮の一夜に戦いを何本も重ねたからではないか(→ ハンターハンターの編は何話ずつか)。強さのインフレではなく、同時に進んでいる本数のほうが効いている。
まとめ|ハンターハンターで長引いた戦いは何が違うのか
- 決着まで描かれた一騎打ちでいちばん長いのは、ネテロ対メルエムの11話(No.288〜298)
- その11話には王宮の他の戦いが入り込む。ユピー戦、キルア対パーム、イカルゴ対ウェルフィンが挟まる(→ キメラアント編の勝因は作戦にある)
- ヒソカ対クロロは6〜7話、クラピカ対ウボォーギンは4話。どちらも舞台が1か所に閉じていて、並行する戦いがない
- 閉じた一対一は、相手の格に関係なく2話から7話で終わっている
- 例外はグリードアイランドのドッジボールで、並行が無いのに8話。8対8で1人あたりに割けるページが減るため
相手の強さでも、決着の付きにくさでもなかった。話数を伸ばしていたのは、その戦いの横で何が動いているかのほうです。
戦いの長さは、戦っている2人だけでは決まらない。同じ回に誰が描かれているかまで含めて、はじめて話数になる。
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- モラウの念能力は“戦場ごと作り替える” — 王宮の戦いを一人で広げた能力
- クラピカの念能力は“二段構え” — 4話で決着した側の決め手
