ハンターハンターのハンター文字は読める|置き換えれば日本語になる

作中の書類や案内表示に並ぶ見慣れない文字には、かな1文字にハンター文字1文字が当たっている。置き換えれば日本語の文になります。

模様として描かれた飾りではなさそうだ。読者が解読する前提で置かれている、と読める場所がある。しかも、セリフが何も語らない中身を、その文字だけが持っている場所もある。

読んでも読まなくても話は通る。ただし読んだ側にだけ渡るものがあります。

※ハンター試験編・王位継承戦編に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。

ハンター文字の仕組みは、かな1文字に1文字

仕組みは単純です。かな1文字に、ハンター文字1文字が当たっている。だから置き換えるだけで日本語の文になる。

対応するのはかなだけ。漢字を書きたいときは、読みをかなに開いてから置き換えます。

濁点と半濁点は文字の右下に●と○を添える。小さい「ッ」や「ャ」は半分下げて小さく書く。こうした書き方は、ファンの解読表で共有されています。

「を」と「ん」は、他の字の作り方の法則から外れるとされる。ただし字そのものは決まっているので、読めなくなるわけではない。法則の例外があっても、対応は一対一のまま保たれています。

呼び名は2通りある。集英社の公式ガイドブック『HUNTER×HUNTER ハンター協会公式発行 ハンターズ・ガイド』の内容紹介には、「ハンター文字の使い方」という企画名が出ています。

2011年版アニメでは、序盤のアイキャッチが「ハンター語講座」と題されていた。ファンが勝手に付けた通称ではなく、公式の側も使っている呼び名です(→ ハンターズガイドと本編の食い違い)。

セリフが語らない能力の中身が、文字だけに書かれていた

読まないと手に入らない中身が置かれているのは、39巻の No.406 です。団長クロロの『盗賊の極意(スキルハンター)』のページ。

ここに書かれたハンター文字を読者が解読したところ、盗んだ念能力の名前と中身が出てきた。具現化した携帯電話で理想の相手を探し、条件を入力すると番号が出る、という内容だとされる。

この説明は、作中のセリフには出てきません。文字を置き換えた読者だけが手にする中身です。

ハンター文字は、セリフと同じことを飾りで繰り返しているのではない。セリフが語らない中身を、文字のほうが受け持っている場所がある(→ ヒソカvsクロロはどっちが強い?)。

読者は実際に変換して読んでいる

解読しているのは一部の熱心な読者だけではない。読み手の側にはファンが作った変換ツールがあり、実際に使われています。

作品の外でも同じことが起きた。2015年、スマートフォン向けゲーム『HUNTER×HUNTER バトルオールスターズ』の画面に使われたハンター文字が解読された。出てきた文が誤解を招く表現だとして、バンダイナムコゲームスが3月に謝罪している。

2022年にはコナミが、コラボの発表資料をハンター文字で書いて公開した。記者が1時間かけて解読したと報じられました。

読まれると分かっていて使われている。この前提が、作品の内と外で共有されています。

ハンター文字が置かれた3か所を比べる

原作で文字が置かれた場所を見ると、種類がきれいに分かれます。

置かれた場所 ハンター文字で書かれているもの セリフでも説明されるか
ハンター応募カード 試験の申込書の文面 説明されない
トリックタワーの案内表示 進む道と扉の指示 どちらへ進むかのやり取りがセリフに出てくる
39巻・No.406 の『盗賊の極意』のページ 盗んだ念能力の名前と中身 説明されない

書類、案内表示、能力の説明。置かれ方はばらけているのに、どれも読めば意味が取れる形で書かれています。

トリックタワーの案内だけは、中身がセリフの側にも回っている。どちらへ進むかの相談と多数決がセリフで交わされるので、文字が読めなくても先へ進める作りです(→ トリックタワーは条件を渡し、地下室は渡さない)。

対応から外れた箇所も見つかる

読める形で作られているぶん、対応から外れた箇所も見えてきます。

1999年版アニメには、ハンター専用サイトの画面を解読した記録が残っている。小さい「ッ」が空欄だったり、大きい「ツ」に替わっていたりする箇所が指摘されています。

これは文字と音の対応が壊れているのではない。映像化のときに書き起こしが揺れた箇所です。対応が一定だと分かっているから、外れたところが見つかる。

作中の表記が全部きれいに対応しているわけではない。それでも、読める形で作られていることは変わりません。

読者が置き換えるまで、その中身は作品の外にある

3か所に共通しているのは、中身が読者の手を通らないと出てこないことです。

書類や案内表示の文字は、世界の見た目のほうを作っている。ファンの解読記録では、応募カードの申込書の文面まで読み取られている。読み取ったのは作中の誰でもなく、読者の側です。

No.406 のページはもっとはっきりしている。盗んだ念能力の名前と中身は、掲載時点では誰も知らなかった。読者が字を置き換えて、そこで初めて分かった中身です。

能力名のルビは、読み方が先に指定されている要素でした(→ 念能力名のルビは3種類)。ルビは読めば分かる。ハンター文字は、置き換える手間をかけるまで書かれた中身が出てこない。同じ紙面に印刷されているのに、読者が動くまで作品の外にある情報です。

俺が惹かれるのはこの順番だ。冨樫が明かすのを待つのではなく、読者の作業が先に来る。だから解読はいつも本誌が出たあとに、読者の側から始まります。

冨樫はセリフが語らない中身を、解説でもナレーションでもない場所に置いている。選んでいるのは、読者が置き換えるまで現れない形のほうではないか。3か所の出方を見るかぎり、そう読めます。

まとめ|ハンターハンターのハンター文字はどこまで読めるのか

  • ハンター文字はかな1文字に1文字が当たっている。漢字は読みをかなに開いてから置き換える
  • 濁点は右下の●、小さい「ッ」は半分下げて小さく書く。「を」「ん」は法則から外れるが字は決まっている
  • 39巻の No.406『盗賊の極意』のページには、セリフが語らない念能力の中身がハンター文字で書かれていた。分かったのは読者が解読してから
  • 読み手の側には変換ツールまである。2015年にはゲームの表示が解読され、運営元が謝罪した
  • 1999年版アニメの画面には書き起こしの揺れが残る。対応が一定だから、外れた箇所が見つかる

ハンター文字の中身は、読者が置き換えたときに現れます。No.406 の念能力も、解読されるまでは誰も知らないままだった。印刷されているのに、動かなければ出てこない情報がある。

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