特質系には後からなれる|開けていられるのは3時間まで

「特質系は生まれつき。後からは絶対になれない」。よく見かける説明ですが、原作は逆のことを言っている。なれます。

ただし、なった状態を保つのに寿命がかかる。しかも3時間ほどで体が保たなくなる。作中で描かれているのは、そういう形の特質系です。

※ヨークシン編・王位継承戦編の展開に触れます(単行本既刊分)。

特質系は鍛えて手に入らないが、変わることはある

ここは2つの話が混ざりやすい。修行で身につけることと、後から変わることは別です。

修行では無理。特質系だけは他の系統から鍛えて習得できず、発現のきっかけは血統や特殊な環境だ。系統そのものについては、別の記事で詳しく書きました(→ 特質系は本当に“最強系統”なのか)。

一方で、後から変わる道は原作に書かれている。クラピカの師のイズナビは、こう説明しました。他の系統の者でも、後から特質系へ変わることがある。変わりやすいのは操作系と具現化系。

六性図で特質系が下に置かれ、その両隣がこの2つなのはそのためです(→ 念能力の六系統とは?)。図の他の並びは系統どうしの相性を表しますが、特質系の位置だけは変化のしやすさで説明されている。

「絶対になれない」という通説は、2つの話を1つにしてしまっている。閉じているのは修行の道だけです。

意識のない9時間ぶんも寿命が減った

イズナビの説明に重ねて読めるのがクラピカです。ふだんは具現化系で、緋の眼が出ている間だけ特質系に変わる。その状態が絶対時間(エンペラータイム)だ。

代償の重さがはっきり分かるのが、船内での偵察でした。クラピカはサイールドから「裏窓(リトルアイ)」を奪っていた。その使用権をオイト王妃に貸し、他の王子の居室を探らせます。

貸している間は、絶対時間を開けたままにしなければならない。約3時間で限界に達し、クラピカは昏倒します。

ところが預けた能力を使い切るまで、自分の意思では解除できない。意識を失っていた約9時間も、寿命は同じ速さで減り続けました。

減る量を決めるのは成果ではなく、発動していた長さだけ。眠っている間も減っていく。

ウボォーギン戦は逆の例です。束縛する中指の鎖で、旅団一の腕力を持つ戦闘員を絶に落として身動きを封じた。ここでも戦っている間ずっと寿命は減り、旅団の居場所までは聞き出せていません。それでも旅団最大の戦力を1人止めている。

同じだけ出しても、受け取る量は場面ごとにまるで違う(→ クラピカの寿命はあと何年?)。

クラピカが出しているものと、受け取っているもの

ここまでの2場面を、出したものと受け取ったもので並べてみます。

出しているもの 受け取っているもの
発動している間の寿命 6系統すべてを100%で扱える状態
旅団員以外に使えば死ぬ誓約 相手を抵抗できない絶に落とす拘束力
体が保つ時間 その間だけの全系統

自分で決めた条件は、寿命と誓約の2つ。体が保つ時間だけは自分で決められません。連続で開けていられるのは3時間ほどで、そこを超えると長く昏倒する。クラピカ自身も、倒れて初めてその長さを知った。

扱える力は最大でも、開けていられる長さには限りがある。ここが、生まれつきの特質系との大きな差です。

生まれつきの特質系は、何も出していない

では、最初から特質系の人はどうか。

ネオン=ノストラードの天使の自動筆記は、詩の形で未来を当てる能力だ。修行の様子はなく、代償らしい代償も描かれていない(→ ネオンの占いはなぜ当たるのか)。

クロロの盗賊の極意(スキルハンター)には条件が4つある。ただしそれは能力を使う手順で、系統を保つための代償ではありません。

描かれている限りでは、特質系でいること自体に代償はない。寿命を出しているのは、後から開けたクラピカだけです。

ただしネオンは、その能力をクロロに盗まれています。自分では何も出していないぶん、他人に取り上げられる形で失った。持ち続けられる保証も、またない(→ 念能力を奪う・借りる・与える)。

特質系は「なる」より「開ける」に近い

合わせると、クラピカの特質系は持ち物とは違う形をしている。

生まれつきの特質系は、状態がずっと続く。クラピカのそれは、条件を満たしている間だけ開いて、閉じれば具現化系に戻る。しかも開いている長さに比例して寿命が減ります。

持っているのではなく、開けている。俺はそう捉えています。だから「特質系になれるか」への答えは、「条件つきで開けられる」が近い。

冨樫はここで、最強に見える系統に時間の縛りを付けたことになる。出力の上限は下げず、使える長さだけを削った。強さの抑え方としてはうまいと思います。

まとめ|特質系は後から手に入るのか

  • 鍛えて習得することはできないが、後から変わる道は原作に書かれている
  • イズナビの説明では、変わりやすいのは特質系の両隣にあたる操作系と具現化系
  • 六性図で特質系の両隣がその2つなのは、変化のしやすさを表しているため
  • クラピカが出しているのは発動時間ぶんの寿命で、受け取るのは6系統すべての出力
  • 生まれつきの特質系は何も出さない代わりに、奪われて失う例もある

出さずに持っているか、出しながら開けているか。同じ特質系でも、置かれている条件がまるで違います。

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