具現化系は「弱い」「不利」と言われがちな系統です。ただ、具現化系とされる能力者の戦い8件を数えると、5件で目的を果たしていて、弱い系統とは言い切れない。
弱いと言われる根拠をたどると、六性図の習得率、出せる物の制限、代表に挙がるクラピカの順位の3つに行き着きます。どれも、戦いの結果を数えた話ではありません。
※ヨークシン編・グリードアイランド編・キメラアント編・王位継承編の戦いの結果に触れます。扱うのは単行本既刊分(〜39巻)まで。
具現化系が弱いと言われる根拠は3つ
具現化系を不利な系統とする声は、実際にいくつかのページで読めます。
Yahoo!知恵袋には「戦闘面に関して念能力の一番弱い系統は」という質問がある。ベストアンサーは「出てきた人物で判断します」と断って、系統に順位を付けました。6位に置かれたのは「具現化系【クラピカ】」。別の回答には、こうあります。「存在しないものは具現化できない。これって相当不利だと思います」。
ただ、同じ質問には「一概に弱い系統というのはないですね」という回答もある。知恵袋の総意というより、回答の1つです。
ブログ「私の名前はジロギン。」は、操作系についてこう書く。「60%の精度でしか使えないので、具現化系は他の系統を扱う上で不利な系統と言えます」。不利だと言っているのは、他の系統を使うときの話です。
考察サイトの Huncyclopedia は、隣の系統が特質系であることを挙げている。そのうえで立てているのは、「具現化系と操作系は不利なのかを考察」という問いです。
根拠は3つに分かれます。
- 六性図の習得率。隣の系統の片方が特質系で、他の系統を伸ばしにくい
- 出せる物の制限。存在しない物は具現化できない、という見方
- 代表に挙がる人物。具現化系の枠に入るのはクラピカ1人で、その順位がそのまま系統の順位になっている
六性図で見る具現化系の不利は、修行の効率の話
六性図は、自分の系統を基準に、ほかの系統の身につけやすさを表した図。隣の系統ほど覚えやすく、離れるほど覚えにくい。系統どうしの有利不利を決めた表は、作中に出てきません(→ 念能力の弱点は発動条件に集まる)。
具現化系の隣の片方は特質系。特質系は鍛えて身につく系統ではない。だから、ほかの系統を足して能力を広げたいとき、選べる幅が少し狭くなる。ジロギンや Huncyclopedia が言う「不利」は、この部分です。
同じ並びには、逆の面もある。クラピカの師であるイズナビの説明では、ほかの系統の者でも、まれに後から特質系へ変わることがある。いちばん変わりやすいのは、両隣の操作系と具現化系(→ 特質系には後からなれる)。特質系の隣にいることは、損だけではありません。
ここまでは原作の図と食い違わない。ただし、どれも修行の段階の話です。ジロギンの同じページも、具現化系の強みをこう書いている。「特殊な武器などを具現化できることで強化系などの戦闘力の高い者にも勝てる可能性がある」。
団長の見方は、むしろ逆向き。強化系のウボォーギンを倒せる相手として、団長が名前を挙げたのは具現化系と操作系だったとされます。
具現化系の「存在しない物」とクラピカの順位は、戦いの外の話
2つ目の根拠は、存在しない物は出せないという見方でした。
戦いで使われた物を見ると、クラピカの鎖も、シズクのデメちゃんも、形は身の回りにある物です。形が身近な物に寄っているところは、通説の見方と合っている。
ただ、勝負を決めたのは形ではありませんでした。束縛する中指の鎖は、捕らえた相手を強制的に絶の状態にする。デメちゃんは、命じられたものを吸い込む。効いていたのは、出した物に持たせた働きのほうです。
俺は、ここに通説との食い違いがあると思っています。出せる物の種類が限られていても、その物にどんな働きを持たせるかは能力者が決められる。具現化系の能力者が何を出したかは、具現化系の念能力は使う前に決まるで3人を比べています。
3つ目の根拠、クラピカの順位はどうか。知恵袋のベストアンサーは、出てきた人物で判断した順位でした。具現化系の枠はクラピカ1人の印象で決まっていて、ほかの具現化系の能力者の戦いは入っていません。
それなら、具現化系とされる能力者の戦いを全部数えてみればいい。
具現化系とされる能力者の戦い|8件のうち目的を果たしたのは5件
戦った場面と結果は次のとおりです。
| 能力者 | 系統の出どころ | 相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| クラピカ | 資料・wiki で一致 | ウボォーギン | 鎖で縛って倒した |
| クラピカ | 資料・wiki で一致 | クロロ | 鎖で捕らえ、念を封じた |
| シズク | wiki | パイク | デメちゃんに血を吸わせて倒した |
| ボノレノフ | wiki | ギョガン | 木星を出して押しつぶした |
| ゲンスルー | 冨樫義博展の資料 | ハメ組 | 爆弾で壊滅させた |
| ゲンスルー | 冨樫義博展の資料 | ゴン | 敗れた |
| カイト | 冨樫義博展の資料 | ピトー | 敗れて命を落とした |
| コルトピ | wiki | ヒソカ | 戦いが描かれないまま殺された |
カイトとゲンスルーは、「冨樫義博展 -PUZZLE-」の設定資料で具現化系とされています。作中では系統がはっきりしていない。シズク・ボノレノフ・コルトピを具現化系とするのは wiki です。
ここで数える目的は、その戦いの場で相手を倒すか、動けなくすること。クロロの件は、捕らえたうえで念の使用と旅団との接触を禁じる掟を刺している。だから果たした側に入ります。
全部を数に入れると、果たした側が5件、果たせなかった側が3件。数え方を変えると、件数はこう動く。
- ハメ組の件を外す(ゲンスルーが一方的に爆破していて、打ち合った戦いではない): 4対3
- さらにコルトピの件を外す(ヒソカとの戦いが描かれていない): 4対2
- クロロの件を仇討ちの結果として見て、ハメ組も外す: 3対4
最後の数え方は、クラピカが人質と引き換えにクロロを手放したところを見るものです。仇討ちとしては、止まった側に入る(→ ハンターハンターの復讐で仇を討てたのは2件)。ここに挙げた4つの中では、この数え方がいちばん厳しく、負けが1件上回ります。それでも、4つのどの数え方でも負けが大きく偏ってはいません。
シズクがパイクに勝った場面は、流星街に現れたキメラアントとの戦いです。デメちゃんの役目は、デメちゃんとは|シズクの念能力の制約と、敵を倒すためではない役目で詳しく見ています。
具現化系が目的を果たせなかった3件の例外
負けた側の3件も、具現化系だから負けた、とは言いにくい中身です。
カイトの念能力は、スロットで出た武器を使う運任せの能力でした。ピトー戦は、その運任せの不利が最悪の形で出た場面として読めます(→ クレイジースロット(気狂いピエロ)とは)。
ゲンスルーは、能力の中身と解除法を相手に教えることを発動の条件にしていました。ゴンたちは、その前提を力で突破している(→ ゲンスルーの念能力は手の内を全部明かす)。
コルトピは、ヒソカと戦う場面が描かれていません。結果だけが示されているので、系統の強弱を読み取る材料がない。ただ、命を落としたこと自体は描かれているので、負けた側の1件に入ります。
具現化系の不利は修行の話で、戦いの結果の話ではない
通説の言う「不利」のうち、原作の図と合っているのは、ほかの系統を伸ばしにくいという部分だけでした。隣の片方が特質系で、能力を広げるときの選べる幅が少し狭い。これは修行の効率の話です。
戦った場面を数えると、具現化系とされる能力者は8件のうち5件で目的を果たしている。ここに挙げた数え方でいちばん厳しくしても3対4で、負けが大きく偏ってはいない。負けた3件も、運任せの能力、条件を力で破られた能力、戦いが描かれない死。系統の弱さを直接の理由にした場面ではありません。
具現化系が弱いという評判は、戦いを数える前の材料から組み立てられている。具現化系が損をするのは修行の段階で、戦いの結果からは弱い系統とは言い切れない。
まとめ|具現化系は弱いのか
- 具現化系を弱い・不利とする根拠は、六性図の習得率・存在しない物は出せないという見方・クラピカの順位の3つ
- 六性図が表すのは身につけやすさで、具現化系の不利はほかの系統を伸ばしにくいという修行の効率の話
- 出した物の形は身近な物に寄っているが、戦いを決めたのは中指の鎖やデメちゃんに持たせた働きだった
- 資料や wiki で具現化系とされる能力者の戦いは8件で、目的を果たしたのは5件。挙げた数え方でいちばん厳しくしても3対4
- 負けた3件も、運任せ・条件の突破・描かれない死で、系統の弱さが理由の場面ではない
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- 念能力の弱点は発動条件に集まる — 系統の相性が効くのはどこか
- クラピカの念能力は具現化系(緋の眼で特質系) — 5本の鎖と絶対時間
- 操作系が弱いと言われるのは威力のせいではない — 具現化系と同じく特質系の隣にあり、「弱い」と言われる系統
